逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

どこでも通用し、一生食べていけるキャリアの築き方

“今の職場ではこの先通用するスキルを持てるか不安”
“この先、会社がずっと続く保障もないので、どこでも通用するスキルを身につけたい”
など、自分の会社が続くことへの不安感から、「どこでも通用する人材になりたい」と考える人が増えているように思います。

実際、東大・京大生の2021年の就職人気ランキングでは「アクセンチュア」「マッキンゼー」「野村総合研究所」など、コンサルティング会社が上位を独占しており、どこでも通用する人材になるために、最初のキャリアとしてコンサルティング会社を選んでいる人が増えています。

この記事では、実際に外資コンサルティング会社に勤務している私が、コンサルで働く中で感じた「どこでも通用する人材になる」ための方法について説明します。
これは、私個人の経験だけでなく、コンサルティング会社を卒業後も活躍している元同僚と会い、話す中で気づいたことですので、一定、汎用性があると確信していますので、ぜひ、読んでいただきたいと思います。

 

 

どこでも通用する人材になるには何が必要か?

どこでも通用する人材になるためには、そもそも、自分のキャリアの市場価値は何で決まるのか?を改めて考える必要があります。

市場価値は、ざっくりいうと以下で決まります。


①あなたが貢献できるスキル(ハードスキル、ソフトスキル)があること

「ハードスキル」とは職種に紐づく専門スキルのことで、例えば、ファイナンスM&A、デザイン、UI/UXなどのスキルのことです。
また、「ソフトスキル」とはタスク管理、対人コミュニケーション、文書作成、プレゼンテーション、ファシリテーション、状況把握能力など、仕事をする上で基礎となる「仕事のやり方、捌き方」に関する能力です。


②そのスキルが世の中でニーズがあり、かつ希少性があること

当然ではありますが、あなたの持っているスキルが世の中からニーズがあり、今後も一定のニーズがある必要があります。そして、そのスキルが誰でもできる訳ではなく、できる人が限られているほど、より希少性があり、市場価値は高まることとなります。
難しいのは、今後もニーズがあって、希少性のあるスキルが何で、どう見つけければいいのか?という点です。

まず、「ソフトスキル」については、仕事をスムーズに進めるための段取りの立て方、タスクの管理、メール、会議でのコミュニケーションの取り方など、あらゆる仕事の基礎にあたるものであり、市場価値を高める上で非常に重要です。
「ソフトスキル」として具体的にどのような能力があり、ビジネスパーソンの価値を高めるに、何に注力すれば良いか?は、「XXX」で具体例を挙げて紹介していますので、そちらをご覧ください。

一方で、単に「ソフトスキル」だけが高い人は、基本的な仕事のさばき方は上手いのですが、”なんでも屋“になってしまい、自分の中でキャリアの軸を持てないことも事実です。その意味で、職種に紐づく、具体的なスキルである「ハードスキル」を身に着けることも大切です。
ただし、どのハードスキルを身に着けるべきか?は、その分野の専門家でないと分からないですし、私は全ての分野に精通している訳でもないので、“これが市場価値を高めるスキルだ“とお伝えすることはできません。また、時代によっても変わってしまうので、このブログで書いてもあまり意味がないと思っています。

しかし、「ハードスキル」をどのように身に着けられるかは、私の経験も踏まえてお伝えすることができます。これを知っておくかどうかは、社内でのあなたの仕事の選択や転職時の会社選びとして非常に大切なことだと思っています。
終身雇用でずっと同じ会社にいれば安泰だった時代は終わり、世の中のニーズやこれまでの経験、今後進みたい方向性という軸を持って、主体的にキャリアを築く必要がある時代です。こうした時代においては、戦略的に「ハードスキル」を高めるためのやり方を知っておく必要があると確信しています。

 

「ハードスキル」の”見つけ方”


市場価値を高める「ハードスキル」を見つけるためには、今、伸びており、今後もニーズがありそうなスキルが何か?を見極める必要があります。
これは、ニュースや雑誌などでよく登場するようなバズワードに注目するという話ではありません。むしろ、そうしたワードは一時的な廃り流行りが激しく、数年後には誰も見向きもしていないスキルとなっている可能性があります。
むしろ、自分のこれまでのキャリアと関連するところで、今後、需要がありそうな領域がどこかに目を向ける必要があります。

その時に役立つのは、続々と新規参入する企業が増えている、あるいはベンチャー企業が参入しているなどの領域に目を向けることがお薦めです。新規参入する企業が多い領域は今後の成長性が見込めるということであり、人材の必要性も高まっていることを意味します。

また、ベンチャーが増えていることも重要です。ベンチャー企業は資本も人材も限られており、成長が見込める領域に投資しないと、事業継続が見込めません。その意味で、今のマーケットがどうなっているのか?を適切に捉え、その会社で求められるスキルを意識的に身に着けることがお薦めです。

また、転職エージェントのサイトで、自分に関連のある分野で、どういった求人が多いのか?を見るのも参考になります。例えば、今ですと、マーケティングであれば、デジタルマーケティング、データ分析、AIなど、今後の需要が期待できる求人数が多いですので、そうした視点で、自らのキャリアの方向性を考えてみて下さい。
ベンチャーの参入が増えているという点では、VC(ベンチャーキャピタル)がどの分野に投資しているのかを調べるのも有効です。VCとはベンチャー企業に資金を投資している会社のことであり、そういった企業がどのベンチャーにお金を出しているのか?を知れば、今後、成長が期待できる分野も分かります。

 

「ハードスキル」の”育て方”

上記のように、自分が今後、磨き上げていく「ハードスキル」を見つけたら、今度は、それをどの場で身に着けるか?を考えてみて下さい。その場が、今の自分が所属している部署であれば、今の仕事を頑張ればよいです。
ただ、そうした幸運なケースは非常に限られていることが多いです。多くは他部署または、社外でないとスキルを身に付けられないケースが多いです。その場合は、やはり転職するということが選択肢になってきます。

特に、大手企業の場合、既存のビジネスが収益の基盤となっていると、なかなか成長分野への投資が後回しになることが多いです。企業の選択としては、これは非常に合理的であり、今、利益を生み出すビジネスに投資をするのは当然です。

ただ、個人のキャリアの育成という点でみると、これは非合理的な判断になります。なぜなら、今、利益を生むビジネスが今後も同じように利益を埋める保障はなく、そのビジネスに関するスキルしかもっていない社員が、40代後半以降になって、ビジネスがなくなったとなった場合、他に行き先がなくなってしまうからです。
その意味でも、社内で主流のビジネスだけでなく、今、世の中で求められるスキルが何か?を転職サイトなどを使って、情報収集し、自分の方向性を考えておく必要があります。

幸いなことに、求人サイトは、登録は無料であり、あなたの興味のある分野を登録するだけで、定期的におすすめ求人をメールしてくれるので、それを軽くみるだけでも、今、求められているスキルを探ることができます。ぜひ、情報のアンテナを社外に向けて、キャリアのあり方を考えてみて下さい。