逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

失敗しないキャリアチェンジを実現する方法

“今の職種では、先行きが不安なので、新しいスキルを身に着けて、市場価値を高めたい”
“入社して数年、今の会社で頑張ってきて、仕事にも慣れたので、そろそろ新しい経験を積みたい”
“もともと希望していなかった職種に配属されてしまったが、以前から憧れていた職種にキャリアチェンジしたい”

など、社会人としてある程度、経験を積んで、一通り今の仕事をこなせるようになると、次の職種にチャレンジしたいと思うかと思います。
あるいは、もともと志望していた職種があきらめきれないので、チャレンジしたいという人もいると思います。

 

一方で、これまでとは違う仕事をすることになるので、“ついていけるか不安”、“自分に向いているか不安”と感じる人も多いかと思います。

私自身、マーケティング会社からコンサルティング会社に転職した時は、相当、不安でした。コンサルタントとして、何の経験もない自分が果たしてやっていけるのか?とドキドキしていましたし、周囲からも、かなり反対されました。
でも、結論としては、“飛びこぶ場所を間違えなければ”、なんとかなるということです。未経験でのキャリアチェンジは、経験した職種への応募に比べて、自分の経験がそれほど役に立ちません。それだけに、どの企業に応募するのか?という場所選びが全てとも言えます。でも、場所さえ間違えなければ、きちんと生き残っていけますし、複数のキャリアを積むことは、複眼的な視点で物事を見られるようになるという意味で、非常にあなたの経験にとってプラスに働きます。

また、最近では、複数のスキルを掛け合わせて、希少性のある人材として市場価値を高めていく考え方が一般的となってきており、以前よりもキャリアチェンジすることを認める傾向になってきています。

この記事では、「未経験だけどチャレンジしたい」「自分の可能性を試してみたい」と思っている方が正しく企業を選べるための方法をお伝えしたいと思います。

 

社内異動できるなら、異動願いを出す

まずは、社内異動で、あなたがやりたい仕事に就けるなら、異動願いを出して下さい。転職は、企業のカルチャーに合うか?中途でも活躍できるか?など、不確実要素が増えるので、社内で別部署に異動することで、あなたが思い描くキャリアが築けるなら、それがベストです。

社内異動するためには、普段から異動先の部署との関係性作りをきちんとやっておくことをお薦めします。

  • 事前に、その部署で働いている人に話しを聞いておき、部署の仕事の面白さ、大変さ、人間関係についてヒアリングしておく
    ⇒特に、他の部署からは見えない業務がないか?その業務はどういった点が大変か?などをきちんと理解しておかないと、異動してから後悔することになります。 
  • 普段から、その部署に異動できるよう、仕事上のつながりをつくっておき、一緒に仕事をしても良いという信頼を築いておく

希望の職種に転職する

「社内に自分が希望する仕事ができる部署がない」、「異動するには、数年待つ必要があり、願いが叶うか分からない」「違う会社でキャリアチェンジしてスキルを高めたい」と思っている人は、転職活動をしましょう。

 

まずは、キャリアチェンジすることで自分はどうなりたいのか?を明確にする

一般的に、キャリアチェンジで転職する際は、給与は下がることが多いです。職種が変わることで、前職までに習得したスキルや経験が生かせないことや、新しい職種で必要とされるスキルが足りていないために、収入がダウンすることは覚悟しておいた方が良いです。

それだけに、キャリアチェンジする時は、
”自分が以前からどうしてもやりたかった仕事だ”
”将来のことを考えると、一時的に給与は下がっても、この職種で経験を積みたい”
など、というこだわりや将来へのビジョンをきちんと持つことが大切です。
そうでないと、キャリアチェンジして転職したことを後悔し、転職を繰り返すという人を数多く見てきましたそうなると、転職回数だけ増え、それに見合ったキャリアが積めず、徐々に収入が減少することになっていきます。
そうした負のスパイラルを避けるためにも、キャリアチェンジすることで、どういう未来を描いているのか?を考えることをお薦めします。

 

希望する職種へのイメージを具体化するために情報収集する
そのためには、あなたがキャリアチェンジを考えている職種についての情報を集め、その職種に就くことで、どんなキャリアを築けるのか?をイメージアップしましょう。

転職サイトに登録すれば、希望する「職種」や「未経験可」などの条件で検索できるので、仕事内容や先輩社員の働き方の紹介を見ることで、イメージを掴むことができます。
また、仕事が忙しく、サイトを見に行く時間がない時にも、メールで求人案件を紹介してくれる機能もありますので、そうした情報を見ることで、転職へのモチベーションを保つのにも役立ちます。
加えて、転職活動にあたってのTODOリストもありますので、情報を集めつつ、どういう手順で、何を準備する必要があるのかを理解することもできます。
もし、まだ、登録していない人がいれば、無料で登録可能ですので、下記のリンクから見てみて下さい。

リクナビNEXT】: https://next.rikunabi.com/

 

実際に、希望する職種についている人に会って話を聞く

また、できれば、その職種についている人に会って、実際に話を聞いてみて下さい。
実際の生の声を聞くことで、よりどんな職種なのかイメージアップが図れますし、質問することで、理解を深められます。
そのためには、セミナーや異業種交流会に参加する、あるいは、LinkedInで話を聞かせてもらうようお願いするなどで、実際に働いている人とコンタクトを取ることが可能です。

なお、Linkedinは使ったことがない人もいるかも知れませんが、ビジネス特化型のSNSで、ビジネス情報の交換や採用活動のプラットフォームとして使われています。面識のない人に話を聞かせてもらうようお願いすることに抵抗を感じる人もいるかも知れませんが、きちんと趣旨を説明してお願いすれば、時間を取ってくれる人もいます。

ただし、その際には、事前に転職サイトなどで希望職種に対する情報を持った上で、質問したいことを洗い出しておくようにして下さい。相手に時間を取って話を聞かせてもらう以上、気になることをきちんと洗いだしておくのは最低限のマナーです。

と言われても、具体的に何を聞いていいか分からない人は、以下の点を聞いてみることをお薦めします。

  • 職種の内容
  • 必要な資格
  • 1日の働き方(残業などが気になる人はそれも確認)
  • 仕事のやりがい
  • 仕事の大変さ

特に、重要なのは、「やりがい」と「大変さ」です。「やりがい」を聞くことで、その職種の魅力や得られるスキルがあなたの想像通りか確認することができます。
また、「大変さ」を聞くことで、その職種が引き受けなければいけない責任もきちんと認識しておく必要があります。

キャリアチェンジでの面接の場では、多くの人が、その仕事を志望する動機をアピールしますが、面接官は、その職種が負っている責任をきちんと取れる人かどうかを重視してみています。

花形の職種ほど、かっこいい点や華々しい点に目が生きがちですが、それと引き換えに、周辺部署からの要求やクレームに対処する必要があったり、最終的な売上の責任を背負う必要があったりします。そうした責任や重圧があることを理解しているか?それに耐えられる人か?をアピールしない限り、キャリアチェンジでの転職は成功することはありえません。

後々の面接の場でしっかりとアピールできるようにするためにも、上記の点を情報収集しておくことをお薦めします。

 

職務経歴書、面接でのアピールのポイント

キャリアチェンジの転職において、もう1つ重要なポイントは、きちんとポイントを押さえて職務経歴書を書かないと書類を通過しないということです。
同じ職種での転職なら、これまでのあなたの経歴と業績を書くだけで、募集している求人案件の仕事を遂行できるスキルがあることをアピールできます。また、同じ職種であれば、特に、志望動機も工夫する必要はありません。

でも、これまでと異なる職種に応募する場合は、以下の点を意識的にアピールする必要があります。この点をしっかり考えて書ければ、面接でもそのままアピールできるので、面接対策ともなります。

  • これまでのあなたの経歴やスキルを応募する職種でどう生かせるか?
  • いかに新しい職種でも適応できる柔軟性があり、すぐにキャッチアップできるか?
  • 応募先の職種で求められる責任や重圧に耐えれるだけの耐性があるか?

上記をアピールするためには、あなたのこれまでの経験を棚卸し、以下の点を意識して書いてみて下さい。


どの職種でも通用する「ソフトスキル」を持った人材であり、
新しい職種でもすぐにキャッチアップできることを示す

当然、この職種に応募するのは、前職で同じ職種であった人も受けることになるので、そうした人にも負けないスキルをどうアピールできるかが合否を分けます。

その際に、私がお薦めするのは、どの職種でも求められる「ソフトスキル(ポータブルスキル)」をアピールして、基礎的なビジネスパーソンとしての能力が高く、新しい職種でもすぐに戦力となると採用企業に思わせることです。

「ソフトスキル」として代表的なものは、「課題解決力」「論理的思考力」「対人コミュニケーション能力」「資料作成能力」「プレゼン」「マネジメント力」「語学力」などのことを指します。こうした能力はどの職種でも求められるものであり、これらの能力を生かして、現職で成果を挙げたことをアピールして下さい


今の職場でも、応募している職種で貢献できた経験をアピールする

上記に加えて、今の職場でも、あなたが目指している職種でやっていけるだけのポテンシャルがあることを示すエピソードがあるとより良いです。例えば、営業職から、商品企画へのキャリアチェンジを考えている人であれば、営業周りをする中で顧客から指摘された改善点を基に、サービスを改善し、顧客満足度を高め、契約単価をアップすることに成功した、など、例え他の職種であっても、現在応募している職種でやっていけるポテンシャルを示すことが大事です。

 


以上、キャリアチェンジする際のポイントを書いてきました。
キャリアチェンジして新しい職種で働くことは、自分の希望の仕事ができるチャンスであり、新しいスキルを獲得して、あなたの市場価値を挙げるために、欠かせません。
最初は苦労するかもしれませんが、複数のスキルを持つことは、希少な人材になるという点でも、色々な角度から課題を捉え、解決できるという点でも、とても大切な経験になるはずです。

一方で、転職においては、同職種でキャリアチェンジする人に比べると、不利な立場にあるため、情報収集や書類・面接対策はきっちりやっておくことをお薦めします。あなたがこの職種で働きたいという志望動機を固めるとともに、求められる責任をきちんと理解していることを示すことが大事です。また、これまでの自分の経験を通じて、新しい職種でもすぐにキャッチアップできることや貢献できるポテンシャルがあることを示す必要があります。

ぜひ、これまで書いた内容を参考に、転職先の情報を集め、書類や面接対策を行って下さい。