逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

テレワークでも存在感を発揮するために必要なこと

コロナ以降、テレワークで働くようになって、
“自分が何をしていいのか分からない”
“自分の存在をアピールする場がなくなり不安”
と感じている方は多いのではないでしょうか。

あるいは、
“社内外とのコミュニケーションが減り、パフォーマンスを発揮する場がなくなった”
”テレワークになって、成果物で評価されるようになってしまい、評価されづらくなった”
と感じている人もいるかもしれません。

コロナ以降、ビジネスパーソンの働き方や評価のされ方は大きく変わってきており、新しい時代に合わせた働き方に適応していかないと、あっという間に取り残されていく危険があります。そんな新しい時代において、どのように適応していけば良いのか?について説明したいと思います。

 

努力すれば、誰かが評価してくれるという期待を捨てる

テレワークになって、一生懸命まじめに働いていれば、上司や同僚がきちんと働き方を評価してくれる、という考えは捨てた方が良いです
職場にいれば、あなたがきちんと働いていることは見れば分かりました。でも、テレワークになった今、きちんと働いているかどうかは確認しようがなくなりました。
上司や同僚が黙っていてもあなたの働き方を認めてくれるという時代ではなくなってしまったということを最初に理解しておく必要があります。

こういう時代においては、”今、どういう目標に向けて働いているのか?を明確化する必要があります。特に、これまで上司からの指示待ちで、受け身で仕事をしていた人は、テレワークになって仕事振りが見えなくなった今、”何をしているのかよく分からない人”という評価を受けてしまいます。

では、具体的に、どういう行動すれば良いのでしょうか?ここでは、テレワーク時代でもきちんと評価される人になるための具体的なアクションプランをお伝えしたいと思います。

 

自分の期待されている役割・ゴールを上司とすり合わせする

自分が期待されている役割はなんとなくは理解しているものの、具体的に何を達成すれば良いのかが明確になっていますでしょうか?
職場で顔を合わせている時は、まじめに仕事をしているか否か分かりました。しかし、テレワークでは、上司が評価するのは仕事のアウトプットでしか評価できません。
だからこそ、具体的に何をすれば上司の期待に応えることができているのか、明確にしておく必要があります

売上など数値化された目標を持っている人は評価のされ方は明確ですが、内勤業務で数値では測りにくい業務を持っている人は、具体的なアクションと紐づけて、どこまで達成する必要があるのかを明確にしておく必要があります。

例えば、人事に所属している方で、社内のコンプライアンス意識の向上を図る役割を持っている人の場合、「年に何回研修を実施した」など具体的なアクションと紐づけて評価を測れるようにしておきます。
あるいは、数年がかりで取り組むような大きな仕事を抱えている人の場合は、今年1年でどこまで達成するのかを明確にした方が良いです。
例えば、資材の調達先を見直し、選定して、コスト削減を図るという役割を負っている場合、時間がかかる場合もあるので、この1年ではどこまでを達成するのかを細かく刻んで、ゴールを設定した方が良いです。

上記のように、目標を明確にすることで、以下のようなメリットがあります。

  • 上司からの評価に認識の齟齬が生じにくいこと
  • 具体的に自分がやるべきアクションが明確になるので迷わないこと、
  • 上司も具体的アクションを提示されると、それに向けて行動しようとしていることが分かるので安心できる

まずは、自分のアクションが明確になっていない人は、上司と一緒に何をすれば良いのかをきちんとすり合わせることをやって頂きたいと思います。

 

自分の仕事・スキルを見える化し、周囲にアピールする


予定表を公開し、自分の仕事を見える化する

テレワークで存在感を発揮できない理由として、周囲にあなたの仕事の状況が見えづらくなっていることもあります
その解決策として、Outlookgoogleカレンダーなど、会社で使っているスケジューラーを仕事に関係する人にはオープンにして、自分が何をやっているのか見える化することが大切です。

もしかすると、自分の予定が他人に分かってしまうことに抵抗があるという人はいるかもしれません。しかし、周囲に対して、クローズドな態度では情報が集まることはありえません。自分から情報をオープンにして、周囲を安心し、相談しやすくすることは大切です。

特に、上司は部下が繁忙状況が分かれば、仕事を依頼したり、新たな相談をしやすいです。そうすれば、テレワークでも、仕事の機会を得て、自らの存在をアピールすることができます

 

自分の仕事を資料化し、成果を見える化する

あなたが担当している仕事の成果を資料化して、上司や関係者に報告するのも大切です。テレワーク以前は、職場で雑談したり、口頭で話をすることができるので、色々考えていることや行動していることが伝わりますが、テレワークだとそういう機会がありません。簡単でもいいので、自分が考えていることを整理して、関係者に共有する姿勢が大切です。

また、自分からオンライン会議やメールなどで、資料を共有したりして、自ら能動的に働きかけることが必要です。まだまだテレワークを初めて間もない時期ということもあり、会社も試行錯誤している時期なので、必要な会議が整っていないことが多く、自ら場を設定していかないといけないといけない時代と言えます。

 

自分のスキルを可視化する

上記とも関連しますが、あなたの経験がスキルとして言語化されていないが故に、周囲から何ができる人かが見えづらく、存在感を発揮しづらいということもあります。
特に、会社に入って間もない人はそもそも、何ができる人か伝わらないままテレワークに入ってしまった人もいるのではないでしょうか。

会社によっては、社員のスキルが可視化され、社内システム上で検索できるような仕組みを持っている所もありますが、そのようにスキルがシェアされていない企業もまだまだ多いかと思います。自分のスキルを言葉として、上司を通してでも周囲に伝えることで、相談される機会を増やすことができます。

もし、自分のスキルを上手く他人にどう伝えたら良いのか分からない、という方は、1つの方法として、転職サイトで職務経歴を入力してみるのがおすすめです。仮に転職の意思がなかったとしても、転職サイトで自分の経歴を言語化して入力することで、自分のスキルが何かを言語化することができます

転職サイトには、自分のスキルを端的に伝えられるワードを選べる機能があります。

  • “経営企画系”の職種であれば、「予算管理」「予算配分」「M&A」「事業提携」「経営会議運営」「新規事業立ち上げ」
  • “総務系”の職種であれば、「労務管理」「人事・組織制度設計」「人事・職務等の各種管理規定」「退職金制度設計」「内部統制」
  • “広報系”の職種であれば、「IR資料作成」「PR」「株主総会業務」
  • マーケティング系”の職種であれば、「市場動向調査・分析」「ブランド戦略」「価格戦略」「広告施策」「デジタル戦略」

などなど、周囲の人がおおよそどのようなスキルを持っているのかを端的に表現したものであり、自分の経験を振り返った時、どのようなタグを付けられそうかを棚卸し、経験を具体的なスキルとして言語化することで、周囲にも何ができる人かが分かりやすくなります。自分のスキルは思ったほど、相手には伝わっていないことが多いので、ぜひ、積極的に自分が何ができるのか明確化するのがお薦めです。

 

最後に

テレワークでは、メールやチャットなどオンライン上でのコミュニケーションが中心となり、実際に顔を合わせることが減るので、目に見えるアウトプットで評価・判断されることが増えます。そのために、自分の経験や仕事を資料などにして、言語化し、周囲に伝わる努力をすることが、存在感を発揮して、楽しく働く上で大切になってきます。

ぜひ、ここで紹介したことを実践して頂いて、テレワークでも働きやすい環境を自ら作って頂きたいと思います。