逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

苦手な仕事を割り振られて悩んでいる時の対処法

苦手な仕事を振られた時に、やる気が上がらない、逃げ出したいと思う人は多いかと思います。
「周囲は上手くできるのに、自分は上手くできなくて苦しい」
「自分なりに努力しているが、なかなか成果がでない」
など、苦手な仕事だと、成果も上がりづらく、ますますやる気が起きないという悪循環に陥ってしまいがちです。

苦手な仕事から逃げてばかりいると、いつまで経っても、仕事ができるようにならず、周囲から評価されず、自分自身の成長に繋がるチャンスが巡ってこないことにもなりかねません。


でも、人間なので、当然、全ての仕事を完璧になんでもできる人なんていません。
皆、多かれ少なかれ、苦手なことがあり、頑張って克服したり、上手く対処して仕事をしています。

 

今回は、そんな苦手な仕事を担当することになった場合の対処方法を紹介します。

 

 

苦手と感じる原因が本当はどこにあるのか?を理解する

まず、最初にやって頂きたいのは、あなたがその仕事が苦手と思う理由が、どこにあるのか?をきちんと理解することです。
なんとなく、“その仕事が苦手だ”と思っている人が多いですが、

 ・上手く仕事をできず、上司に怒られるのが嫌

 ・同僚から“できないヤツ”と思われるのが嫌

 ・クライアントから“仕事ができない人”と思われるのが嫌

 ・仕事をするのに時間がかかって、上手くできないので苦手

 ・これまであまり経験したことがない仕事なので苦手

など、苦手と思う原因が「上司・同僚やクライアントから無能と思わる/怒られる」から苦手なのか、「仕事そのものが上手くできない」ので苦手なのかをきちんと理解すべきです。

なぜなら、上司や同僚、クライアントなど他の人からの評価が原因の場合は、苦手なりに、自分が努力していることや、少しずつ進歩していることを示すことで、周囲の評価が高まり、問題が解決される可能性があります。一方で、「仕事そのものが苦手」な場合は、上手くできるようにやり方を改善する、モチベーションを下げずに仕事に取り組む方法を知るなど、注力すべきポイントが変わってくるからです。

まずは、あなたが仕事が苦手と思っている正体がいったい何なのか?をクリアにしてみて下さい。

 

苦手な仕事に取り組む意義を明確にして、モチベーションを高める

苦手な仕事を割り振られた時は、どうしても、気分が落ち込みがちです。
“どうせ、また、やっても上手くいかず、怒られてしまう”
“時間ばかりかかって、ストレスがかかる”
“正直、面倒くさいし、誰かがやってほしい”
など、ネガティブな面ばかりに注意がいってしまいがちです。

そうなってしまうと、やる気も起きず、仕事を後回しにしがちになり、結果として、成果が上がらず、また、その仕事が嫌いになるという悪循環に陥ってしまいます。
そうならないためにも、その仕事に取組む意義やメリットを自分の中で見いだしてみて下さい。

 

・苦手と思っていた仕事ができるようになることで自分に自信がつく
・苦手な仕事ができるようになることで、自分のキャリアや仕事の幅が広がり、市場価値が高まる
・周囲の評価が上がり、仕事がしやすくなる
・上司からの評価が上がることで、自分のやりたかった仕事を任せてもらえるチャンスが来る
・クライアントからの信頼を得、仕事が楽しくなる

など、その仕事を取り組む意義を考えることで、モチベーションを持って仕事に取り組めるようになることが大事です。

 

意義を見いだせない時は、上司や同僚に相談する

もし、自分ひとりで考えても、意義を見いだせないなら、上司や同僚と話しをして、その仕事をすることで、どんなメリットがあるのかを聞いてみるのも手です。
あなたから見て、“つまらない仕事”だと思っているものでも、上司や同僚からすると、“こういう場面で役立つ”ということがきっとあるはずです。

実際、私自身、若手の頃に「チームメンバーのスケジュール管理」を任された時、できればやりたくない仕事だと思っていました。スケジュールなんて、個々人が管理するべきもので、なぜ、他の人のスケジュールを自分が管理しないといけないのか?と思っていたからです。

でも、この仕事でスケジュール表を作ってメンバーのスケジュールを管理するという経験は、後で、システム開発のスケジュール管理をするときに非常に役立ちました。こ
このように、今のあなたの経験や知識では一見役立たたないと思う仕事でも、回りまわって、役立つことがあります。そのためにも、上司や同僚にその仕事に取り組むことで、どんなメリットがあるのか聞いてみて下さい。

 

仕事に取り掛かる前に上司と進め方を相談する

苦手な仕事に取り組んでいるときは、大抵、「やり方が間違っている/効率的なやり方ができていない」場合が多いです。成果がでない仕事というのは、どこかでやり方に問題があると思った方が良いです。最初の方向性が間違っていると、その後、どれだけ頑張って仕事をしても、成果をあげることは難しいです。

最初に、仕事に取り掛かる前に、上司と自分の進め方が間違っていないか、注意すべき点がないかをフィードバックをもらっておくことをお薦めします。
そうすることで、間違った方向性で頑張って消耗することを防げますし、効率的に仕事ができる方法に気付くことができます。

 

また、“自分がその仕事に苦手意識を持っていること“を伝えるのもアリです。上司も苦手だと分かれば、あなたの仕事の出来への期待値が下がるので、少し頑張るだけで評価されやすくなります。また、苦手な仕事を克服するために努力している姿を見せることで、上司もあなたの姿勢に好感を持つことができます。

あなたも上司から好感を持っていることが理解できれば、もっと評価されるために、苦手な仕事を頑張りたいというモチベーションが湧くようになります。
苦手な仕事ほど、上司とのコミュニケーションを密にとって、仕事に前向きに取り組んでいることを示すことが、上司への評価にも、あなたのモチベーションUPにも役立ちます。

 

締切を設定し、やらざるを得ない環境に置く

苦手な仕事というのはつい後回しにしてしまいがちです。上司に“あの件って、どうなっている?”と聞かれて、あたふたと対応し、苦手な仕事を急いでこなした結果、ミスをして信用をなくすという結果に陥ることもあります。こうした事態を防ぐためにも、自分で作業計画を立て、締切を設定することが大事です。

締切があることで、目標が生まれ、仕事を後回しにすることを避けることができます。苦手な仕事ほど、自分の意思の力だけで、上手くできるようになろうと思わない方が良いです。上司や先輩など、上位者のレビューを設定し、仕事に緊張感を生むことで、仕事の質を高め、評価されるようになるという好循環を作りだすようにして下さい。

 

集中力を高めて仕事をできる時間帯にやる

人は集中して、仕事に取り組める時間帯はおおむね決まっています。個人差はありますが、これまでの研究から午前や夕方などは集中力を高く仕事ができることが分かっています。苦手な仕事は、集中できる時間帯にやることで、ミスを減らすことができ、ダラダラといつまでも仕事をすることがなくなります。

どれだけ仕事に取り組む意義を見いだしても、やはり、苦手なことに仕事時間の多くを費やしてしまうと、モチベーションは下がってしまいます。仕事に前向きに取り組む時間を増やすためにも、苦手な仕事は集中できる時間にこなしてなるべく短時間でやることをお薦めします。

 

 

それでも、仕事が苦手だ、辛いと感じる人の対処法

これまで書いたことをやってみても、“苦手意識が消えない”、“仕事をするのが辛い”という人は、別の職場を探すことも1つの選択肢です。
苦手な仕事にチャレンジすることは大切ですが、どうしても向かない仕事というのがあるのも事実です。嫌な仕事に向き合い、ストレスやプレッシャーを感じながらも誰にも相談できなかった結果、うつ病を発症してしまう人もいます。

仕事に取り組めるのも、健康な身体や精神状態があってこそのことです。どうしても辛い、仕事のことを考えるだけで憂うつ、食欲がない、寝られないという人は、転職して、自分に合った仕事をみつけましょう。

“苦手だからと言って転職するのは逃げだ“と思われる方もいらっしゃるかも知れません。確かに、克服する努力をしないで、転職するのは逃げですし、新しい職場でも仕事が合わないからといって逃げてしまうかもしれません。でも、克服する努力をしても駄目なら、それは自分に合っていない仕事が分かったと前向きに捉えて、自分の能力を発揮できる職場で働いた方が、成果を出しやすいですし、会社や顧客に貢献することに繋がります。

転職する際には、さきほど紹介したあなたが苦手に感じる仕事をリストアップしてみて下さい。書き出すことで、次の職場を探す際に、どういう職種は避けるべきかが明確になります。例えば、「営業が苦手で、どんなに頑張っても、上手く顧客の課題を引き出せない」「クライアントの懐に入っていくことができず、どうしても営業が得意になれない」など、どうしても向いていないと思える仕事を書き出してみて下さい。

次に、転職サイトに登録して、自分に向いていない仕事のある職種を除外して、検索してみて下さい。あるいは、予め希望職種を登録しておけば、新規案件が公開された度に、メールで通知してくれる機能もあります。どうしても苦手な仕事をやっている時というのは精神的に余裕がなく、転職サイトをわざわざ見にいくのも億劫になり、好条件の案件を見過ごしてしまいがちですが、そうしたことも防ぐことができます。

また、転職サイト内には、自己分析ツールもありますので、これまでの経験から、自分に合っている職種を見つけてみることもお薦めです。

 

最後に 

どんな人にも苦手な仕事はあり、まずは、克服しようと思って頑張ることが大事ですが、それでも苦手なままという人は自分の適性を知れた機会と割り切って、力を発揮できる場所で頑張るのは決して逃げではありません。

むしろ、オールマイティになんでもできる人より、何かとがったスキルを持っていて、会社に貢献できることが求められる時代ですので、自分の強みを生かす機会と捉えて、転職先を探してみて下さい。