逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

コンサルタントが実践している伝わるメール術

“メールを送ったものの、伝えたいことが上手く伝わらなかった“
”こちらの意図が上手く伝わらずに、相手を怒らせてしまった“
”メールがスルーされてしまって、なかなか返事がもらえない“
など、メール1つとってもなかなか相手と上手く意思疎通を図るのは難しいものです。

かくいう私も、社会人になって間もないころは、要件を簡潔に伝えられず、相手をイライラさせてしまうなど、数々の失敗を経験してきました。
コミュニケーション手段であるメールを適切に使いこなせることは社会人として非常に重要です。コロナ以降、在宅勤務になった人も多く、メールを使いこなせることは、益々、重要度が高まっています。

今回は、コンサルタントである私が日頃気を付けていることや同僚でメールを上手く使いこなしている人の事例を基に、仕事をスムーズに進めるためのメール術について説明したいと思います。

 

 

 仕事でメールを使う上で最も大事なこと

メールを使う時に最も重要なことは「相手の立場に立って、適切な方法でメールを書く」ということです。こういったフォーマットで書けば良いという鉄則がある訳ではなく、送信する相手のことを思い浮かべながら、自分が書いたメールを読んでどう反応するだろう?どんな気持ちになるだろう?ということを想像しながらメールを送るのが大切です

私自身、相手の立場も考えずに送った結果、相手を不愉快な思いにさせてしまうという失敗を数多く経験してきました。
また、長い時間かけて、推敲を重ねて書いたメールが全く、相手に見られていなかったということもありました。

もちろん、メールを見ていない相手が悪いということはありますが、”メールを受け取る相手の立場を考えてメールを書く”という立場を踏まえれば、防ぐことができたことでもあるのです。

この記事では、私自身の失敗や仕事ができる同僚のメールの送り方から学んだことをお伝えしたいと思います。

 メールを送る時の留意点

メールを出す際には、”相手はきちんとメールを読まない“という前提に立って、メールを書くことが大切です
特に、忙しい人の場合、1日に100通以上メールが来ることは普通です。でも、そうした忙しい人にこそ、メールで返事が欲しかったりします。

そうした人にもメールを読んでもらうためには、

  • 自分が読む/返信すべきメールである
  • 内容を理解するために、必要な内容が端的に書いてあって、読む気にさせる

という2点を意識することが大事です。

そのためには、メールの「タイトル」「本文」を工夫して送る必要があります
では、具体的にどのような点に気を付ければいいでしょうか?

 

正しい「タイトル」の付け方

タイトルで、メールを読んだ人がどういうアクションを求められているのかがすぐ分かるようにするべきです。

  • 相手に相談する時は【相談】
  • 情報共有や報告する際には【共有】
  • 何か作業をお願いする際は【依頼】
  • 返信をもらいたい時は【要返信(●/●〆)】
  • 上司の承認をもらうときは【承認依頼】

などのように、タイトルの先頭に端的に相手に求めるアクションを記載するのが分かりやすいです。たまに、タイトルの後ろに相手へのアクションを書いたり、非常に長いタイトルを付ける人もいるのですが、メールボックスのタイトルに表示される文字数には限界があるので、先頭に付けることをお薦めします。

正しい「メール本文」の書き方

読み手の理解度に合わせて書き方を変える

メール本文を書く時に、最初に考える必要があるのは、メールを送る相手が、その内容について、どの程度の知識を持っているか?ということです。

相手が「知識を持っている/仕事の背景を理解している」場合は、くどくどした説明は不要で、端的に用件を書くべきです。

一方、相手が用件について「知識を持っていない/背景を理解していない」場合は、まず、背景から説明し、その次に用件を説明するのが適切です。
巷の本では「端的に用件を書くべき」と書いてあることが多いですが、背景を理解できていない人の場合、なぜ、この用件に取り組む必要があるのか?自分にどう関係があるのか?が理解できません。きちんと、相手の知識レベルに合わせてメールを書くことが第一歩です

 


用件は一目で伝わるように書く

用件を書く際には「結論/用件」⇒「根拠/理由」の順で書くのがベストです。
例えば、何かの案件について、判断を仰ぎたい場合には、

 
---------

「~~の案件について、XX役員より、再度検討するようにとの指示を受けており、XXXXのようにすべきと考えます。
その理由としては~~~~、~~~~、~~~によるものです。
こちらで問題ないかご判断をお願いします」 

---------
 

 のように、先に結論や依頼したいことを書き、その理由や根拠を持ってくるのが端的で分かりやすく、メールを読む分量も少なくて済みます。

 

素早く返信をもらえるよう工夫する

メールを書く時には、相談や意見を聞く場合であっても、
「~~についてどうしたら良いでしょうか?」というオープンクエッションな聞き方は避けるべきです。必ず、自分の意見とその理由を明確にした上で、相手に相談や意見を聞くようにして下さい。

---------

「XXXについて、●●●、▲▲▲の選択肢があります。●●●は~~~という特徴があり、▲▲▲は~~~という特徴があります。私は~~~という点で●●●が良いと考えていますが、ご判断をお伺いさせて下さい」 

 ---------

のように、考えられる選択肢とそのメリット/デメリットを記載した上で、判断を求めることが、最も早く返信をもらうことができます

また、単に「~~についてどうしたら良いでしょうか?」というメールを書いてしまうと、何も考えずに意見を求めている印象を与えてしまい心象が良くないです。
上記のように自分の意見を添えて書くと、きちんと考えた上でメールを送っていることが伝わります

また、返信が必要な用件は、できるだけ期日を書くようにした方が良いです。
メールタイトルに書く、あるいは、本文に太字や赤字で目を引くように記載することで、期日が埋もれてしまうことが防げます。
ただ、あまりにも短い期日ですと、相手をイラっとさせてしまいますので、その場合は、メールを送った後に、電話するなど別手段でフォローした方が良いです
短い期間で期日設定してしまうと、配慮の足りない人と思われ、不快感を持たれてしまうので、十分注意して下さい。


添付資料やリンクを見てもらえるよう工夫する

添付資料やリンクを付けて「XXXをご参照下さい」とだけ書くメールをもらうことがありますが、基本的にそれは避けるべきです。

よっぽど、その資料の内容に関心がある時は開いて読みますが、自分に関係ないと少しでも思えば、わざわざ資料を開いてみたり、リンクをクリックするという行動をとりません
少しでもハードルを下げて、見る動機付けを与えるためには、
「●ページにXXXXについて書いてますのでご覧ください」と相手が興味を持つように補足を入れたり、重要なページをメールに張り付けて、ファイルやリンクを開かなくても内容が目に飛び込んでくるようにすべきです。
こうした少しの手間が劇的に、ファイルを見る確率を上げてくれるので、ぜひ、手間を惜しまずに、一言でも添えていただきたいと思います。

 

メールを送る時間帯にも注意

時々、メールを深夜や土日に送ってくる人がいます。
もちろん、仕事上やむを得ない時は致し方ないですが、深夜に送るメールは、私の経験から言って、頭があまり働いていないことが多く、メールの内容が自分本位になりがちです。

自分の伝えたいことのみを伝え、相手への配慮を欠いてしまったり、伝えるべきことが抜けてしまったりするので、あまりお勧めしません。
また、働き方改革が言われている中で、多くの人が明らかに勤務外の時間にメールを送ることは、ビジネスセンスを問われてしまうことにもなるので、できるだけ、常識的な時間帯に送ることを心掛けるべきです

 

メールに返信する際の留意点

メールを返信する際も、こちらから送信するときと同じ点を気を付けるべきですが、返信時に1つだけ気を付けることがあります。
それは、送られてきたメールに対してはなるべく即返事する癖をつけるということです。

一度、メールを見て、そのままにして、後で返信を書く人も多いかと思います。でも、これは、時間をロスしてしまいます。最初にメールを読んだときに、その流れで返信してしまった方が圧倒的に効率的です。

また、メールを送った相手にとっても、メールが見られているのかどうかは気になるところです。きちんとメールを見て、認識していることを示すためにも、即レスする癖をつけましょう。

もちろん、検討を要する内容や自分だけの考えでは返信できない場合は時間がかかることもあります。その際は、一旦、メールを受け取ったことを伝えるとともに、いつまでに返事するかを書いた方が良いです

そうすることで、相手もいつ返事がもらえるか分かりますし、自分自身にとっても、その仕事をいつまでに返すかという目標を持って仕事ができるので、お互いにとってプラスです

コンサルタントで仕事ができる同僚は皆、メールへのレスは非常に早いです。返信1つとっても、相手の立場に立って仕事をすることが、仕事をスムーズに進める上で重要であることの証拠だと思います。

 

 

以上、仕事をスムーズに進めるためのメール術について説明してきました。

在宅勤務が広がり、メールベースで仕事をすることが増え、ますます、相手の立場にたってメールを送ることの重要性が高まっている気がします。
ぜひ、ここで書いたことを実践して、スムーズに仕事を進めて頂ければと思います。