逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

転勤になった時にどうすれば良いか?具体的な10の対処法

全国への転勤がある総合職の会社員にとって、会社から転勤を命じられることはストレスのかかる出来事だと思います。
かく言う私も、過去に2度転勤を命じられ、短い期間で住居を探し、新しい土地で人間関係を構築するしんどさを経験してきました。知り合いが誰もいない場所に転勤になった時のなんとも言えない不安はよく分かります。特に、東京で暮らしていた期間が長かっただけに、地方への転勤に非常に抵抗感を覚えたことを覚えています。


転勤を言われた時に会社員が不安に感じる主なこととしては、

  • 今まで住み慣れた土地を離れて、新しい場所で仕事もプライベートも再スタートになる不安
  • 社内やクライアントとの人間関係が上手くいくかどうかという不安
  • 本社から支社に行く場合、会社の本流から取り残されてしまうのでは?
  • 結婚して家族がいる場合は、妻や子供が上手く馴染めるのか?子供の教育はどうするのか?
  • 親と同居して、介護している場合、転勤先に、連れていくのは現実的に難しいのではないか

などがあるかと思います。
転勤は、本人にとっても、家族にとっても、生活が大きく変わる一大イベントであり、上手く乗り切れるか不安に感じる人も多いと思います。
この記事では、あなたが転勤を命じられた時に、どのように対処すればよいのかをお伝えします。

 

 

転勤を言われた時の対処法

 

家族や本人の健康などを理由に転勤を拒否する

そもそもの原則として、入社時に転勤を前提に雇用契約を結んでいる場合、会社から転勤を命じられた時、会社員が拒否することは難しいです。
法律上、雇用を守る責任を企業に課していますが、人事権については、企業に権限が認められており、もし、転勤に応じない社員がいれば、降格や最悪の場合、懲戒解雇などの処分を下すこともできます。
ただし、以下の3つのケースの場合、会社に対し、転勤を拒否する権利ができます。


1.転勤が会社側の「権利の濫用」に当たる場合

これは、分かりやすくいうと、会社にとって、邪魔な存在であるため、ハラスメントの1つとして転勤を命じる場合です。あるいは、本人が転勤を拒否して、会社側が解雇するために転勤を命じるケースもあります。

この場合は、いかに不当な扱いがあったかを訴えることもできますが、会社側も、バカではないので、「不当な人事権の行使だ」と言われないよう、それっぽい理由をつけて正当化してくるので、このケースで転勤を覆すのは相当大変です。
(定期的なジョブローテーションによる育成、転勤先の人員補充など理由はいくらでもつけられます)。

そのため、もし、この理由で拒否するなら、ボイスレコーダーなので、パワハラや報復人事であることを示す証拠を押さえた上で、労働組合労働基準監督署などに相談して下さい。ただし、会社との関係はかなり悪化することになるので、それも覚悟の上で、納得いかない時だけ取る対応にしておいた方が良いです。

 

2.勤務地が限定の契約で入社している場合

最初に入社した時に、エリア職や地域限定社員で入社しており、限られたエリア内でしか異動はないという条件の場合、当然ながら、転勤は契約違反になるため、拒否することはできます。

 

3.家庭の事情があり転勤が難しい場合

「要介護の親がいて、自分しか面倒を見れないので、転勤に応じれない」
「家族が病気で、現在通院している病院以外で治療は難しく、自分が面倒を見る必要があるので、転勤できない」
「子供が引きこもっており、自分がいないと家庭が崩壊する」
など、転勤により家庭が維持できないことを理由にすることで、転勤拒否に応じてもらえる可能性があります。

あるいは、転勤拒否が難しくても、通常よりも短い期間で、戻してもらえるケースもあります。例えば、1年間は赴任して働くものの、その後、代わりの人員が見つかれば会社に戻してもらうよう交渉する」こともあり得ます。
この辺りは、会社の慣習などにもよるので、認められる会社とそうでない会社はありますが、次善の解決先として候補に入れておいて頂ければと思います。

 

なお、家族が元気な場合は、「本人が精神的、肉体的に健康を害した」ことを理由に転勤を断ることを薦める人もいますが、私はこの理由は無理があるのと、あなたのキャリアにマイナスになるのでお薦めしません。確かに、転勤を理由に、精神的なストレスがかかり、うつ病を発症したということもあり得ますが、その場合、医師の診断書が必要になります。

また、今後、転職する際に、うつ病を発症して休んだ期間があることは、転職先に伝える必要があります。もちろん、本当に発症してしまったなら、致し方ないのですが、転勤を拒否するために、うつ病を取り繕ったのなら、後々、あなたのキャリアにマイナスになるだけです。

 

転勤を受け入れて赴任する時の心得え

上記の理由で、転勤を断れなかった場合、転勤を受け入れて赴任することになります。その際は、職場や居住する地域に馴染めるよう以下のおくことをお薦めします。

 1.【職場に馴染む】赴任先の上司に挨拶する

これは、当たり前ではありますが、電話やメールなどで、赴任前に上司に挨拶しておいた方が良いです。こうした儀礼的なことを嫌う人もいますが、先方もあなたのことは経歴ぐらいしかわかっていないので、どんな人間か挨拶するのは、社会人の基本としてやっておいた方が良いです。

 

2.【職場に馴染む】赴任先に勤務経験のある人に話を聞いておく

赴任先の前任者や勤務経験がある人に、職場の特徴や注意すべき点を確認しておいてください。上司の人柄、職場のキーパーソン、雰囲気、クライアントの特徴など、事前に情報収集しておけば、心づもりができ、新しい職場で働くストレスを軽減できます。

 

3.【転居先の土地に馴染む】職場の人を介して地域の活動に参加する

住み慣れた街を離れ、知らない場所に行く場合、住んでいる地域に馴染めるかも気になるところだと思います。お薦めは職場の人が参加している活動(スポーツ、趣味、ボランティアなど)に自分も参加し、そこで、繋がりを作ることです。
もし、プライベートまで職場の人と一緒に行動するのが嫌という人は、スポーツジム、英会話などのグループでレッスンを受けるサービスや居酒屋やバーなど飲みの場で繋がりを作るという手もあります。

 

4.【転居先の土地に馴染む】転勤先のエリアの中心地に住む

転勤先での住居はできるだけ、そのエリアの中心地に住むことをお薦めします。あまりに田舎すぎると、人がそもそもそんなにいない、街が暗い、コンビニすら近くになくて閉じこもりがちになるということが起こります。特に、東京や大阪など大都市に住んでいた人が、地方の田舎に住むと落差についていけないことは多いです。

また、田舎によっては、人間関係がクローズドな所も多いので、新しい人が来ると好奇の目で見られるのも息苦しいところです。それを避けるためにも、できるだけ、街の中心部に住んで、気軽に外出できて、閉じこもらなくてもよい環境で生活することは大事です。特に、家族も一緒に移る場合は、職場という繋がりがないだけに、より孤独感を感じにくい場所に住むことが大事です。

 

転勤を拒否できる理由もないが、やっぱり転勤は嫌な人の対処法

家族も自分も元気で転勤を拒否できるだけの理由もないが、やっぱり転勤は嫌な人は、転職することを検討してみて下さい。
特に、金融業界や建築業界など、数年置きに全国転勤がある業界の場合、転職しない限り、転勤から逃れることはできません。

もちろん、転勤を言い渡されてもすぐに転職先が決まる訳でもないです。だからこそ、普段から、どういった案件があるのか?を見ておくことが大事です
そうすることで、いざ、転勤となった時に、外部への転職の道があると分かっているだけで、動揺せず、気持ちに余裕が生まれますし、スムーズに求人先に応募することができます。

また、仮に転職を言われた後でも、働きやすさや暮らしやすさ、家族のためを思うと、住み慣れた場所で仕事を探したいと思っている人は、以下の転職サイトでどのような求人があるか確認してみて下さい。

転職サイトでは、「勤務地」で細かく指定して求人を探すことができたり、「転勤なし」という条件で会社を探すことができます。また、そうした条件に合う求人が新たに公開されたら、メールで案内してくれる機能もあるので、仕事が忙しい時に、自分でサイトに探しにいかなくても、案件をいち早く知り、応募できるメリットもあります。

なお、転職先を選ぶ際には、また、転勤が多い会社に入って、悩むことがないよう、以下の点に注意してチェックしてみて下さい。


1.勤務先が首都圏にしかない会社を選ぶ

⇒そもそも、勤務先が首都圏など限られていれば、転勤に悩む必要はありません。

 

2.法務、総務、財務、IT、知財など本社勤務の可能性が高い職種を選ぶ

⇒上記のような本社に集約されている職種の場合、当然ながら、本社やその周辺のエリアでの勤務になる可能性が高いです。代わりに、営業職などは、転勤の可能性が高いので、転勤が嫌な人は、本社にある職種でキャリアを築いてみて下さい。

 

3.エリア職、地域限定職に応募する

⇒働くエリアが限定されている雇用形態の場合、エリア内での勤務になるので、全く離れたエリアに転勤になることはありません。ただし、全国転勤のある総合職の社員に比べると給与が低く、昇進が限られているので、それでもOKな人のみ応募して頂ければと思います。