逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

手に職をつけて会社に依存せずに働く方法

人生100年時代を迎えて、仕事人生が長くなる中、会社に依存せず、手に職をつけて自分の力で稼げるようになりたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
終身雇用が約束されていた時代とは異なり、「会社がいつまでもつか分からない」、「将来、いつリストラされるか分からない」という不安と常に向き合っているサラリーマンにとって、手に職をつけて、あなた自身の力で生きていくことが、ますます求められるようになってきています。

また、子育て中の人や家族の介護で一時的に仕事を離れざる負えない人も、手に職を持つことで、時間や場所に縛られずに、仕事を続けやすくなります。

ここでは、手に職をつけられる職種やノウハウについて具体的に解説していきます。

 

 

手に職をつけることのメリット

手に職をつけることで、どのようなメリットがあるのでしょうか?あなたのキャリアや働き方にどのようなメリットがあるのか?を説明していきたいと思います。


収入アップが見込める

手に職をもっているということは専門的なスキルがあるということであり、企業にとって有益な人材であると言えます。何も特にスキルを持っていない人材に比べて、市場での価値は高く、昇進できたり、転職の際に高い給与で採用される可能性が高まります。特に、ニーズが高く、希少性のあるスキルを持っているほど、市場価値は高く、収入アップを見込むことができます。

 

会社に依存せず、独立して働くことができる

手に職をもって、専門知識をもてば、会社に所属せずに独立することが可能です。フリーランスや起業して自分で会社を興して働くことが可能となります。
会社員だと、職場の人間関係や上司の顔色をうかがう必要があった訳ですが、独立すれば、そうしたしがらみから抜け出すことができます。

また、変化が激しい時代において、会社が倒産したり、リストラに合うことも珍しくありません。そうした時代に、手に職をもって会社に依存せずに生きることはとても重要です。

当然、上手くいくかどうかはあなたのスキルや人脈に依存することになりますが、仮に上手くいかなかったとしても、フリーランスや起業家として自分の力で生きようとしている人を優先して採用する企業も増えています。上手くいかなくてもやり直せるチャンスはありますので、恐れることなくチャンレジすることができる環境になってきています。

職場復帰して、仕事と育児を両立しやすい

子育て中や家族の介護などで一時的に職場を離れざるをえなかった人も、手に職を持っていれば職場復帰しやすいです。専門的なスキルがあることで、ブランクがあっても、ニーズがあるので、職場に戻ることが容易になります。また、産休明けに職場復帰した後も、子育てと仕事を両立するためには、場所や時間に縛られずに働けることが必要です。

その際に、特に専門スキルがないと、会社のコアタイムで働く必要がありますが、手に職があれば、自宅で作業できたり、子供が寝た後の夜に仕事ができたりと、両立しやすくなります。

 

お客様に貢献できているやりがいを持ちやすい

手に職をもっていると、自分の専門スキルが明確になるので、どの分野でお客様に貢献できているかが分かりやすく、やりがいを持ちやすいです。お客様からのポジティブな評価は自分の専門スキルを更に高めたいというモチベーションにも繋がり、更にスキルが高まっていくという好循環が生まれやすいです。

会社員で働いていると、直接、お客様と接することがなく、会社の方針や計画に従って、仕事をこなすことになりがちですが、自らオーナシップを持って、仕事をすることは、やりがいを持って働くことに繋がっていきます。

 

手に職をつけることは「資格を取得する」ということではない

手に職をつけるというと、「資格を取得する」ことだと思っている方もいますが、それは間違いです。
資格を取得しなくても、実務で専門的なスキルを身に着けることは可能です。逆に、資格を取得しても、実務経験がなく、ビジネスで生かした経験がないと、どれだけ知識があっても意味がありません。また、将来的に、会社に依存せず、独立して働く上でも、実務を通じて、あなたを指名してくれるお客様や支えてくれるビジネスパートナーとの人脈を築いておく必要があります。

そのために、まずは、あなたが専門性を身に着けたいと考えている職場で働くことを優先して下さい。もし、その職場で活躍するために資格が必要であれば、資格取得のために勉強して下さい。資格取得をしてから働くという考えでいると、その期間に実務経験がないことが職務経験上のロスになるということと、勉強のために費やした時間やお金を取り戻す必要があるという考えに取りつかれて、本当は必要ない資格取得にこだわってしまう恐れがあります。
ぜひ、アシスタント的な立場でもいいので、先に実務経験を積むことを優先して頂きたいと思います。

 

 

手に職をつけられる職種一覧

では、実際に、どういう仕事が手に職をつけることができ、稼ぐことができる仕事「10選」をご紹介します。

★5段階で年収、働きやすさ、なりやすさを表記しています。★が多いほど評価が高いです

 

1.プログラマー 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

プログラム言語(JAVAPHPC言語など)を用いて会計システム、物流システム、家電製品など様々なシステムやソフトウェアを作る仕事です。多くのケースでは、システムエンジニアが作成した仕様書に基づいて、プログラマーが実際にプログラミングしていくことになります。

システム開発会社、ウェブ制作会社、ゲーム会社などのIT系企業や、自動車・家電などのメーカーに勤務し、プログラマーとして活躍するケースが多いです。また、経験や実績を積めばフリーランスとして仕事を請けることも可能です。
プログラマーになるためには、スクールに通ってプログラミングを学ぶ、または独学で学んだのちに、就職するケースが多いです。
最近では、TECH CAMPなど、就職保証を約束してくれ、受講期間中は質問し放題のスクールもありますので、興味がある方はリンク先をご覧下さい。

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閑散期はさほど忙しくないものの、開発のピーク時は深夜になることもあります。また、トラブルが発生すれば、当然、緊急対応も必要になる仕事です。
給与は所属している会社や役職によるので、一概には言えませんが、平均的な相場としては、400~500万円程度です。

 

2.システムエンジニア: 年収:★★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

システムエンジニアはクライアントからヒアリングしたシステム構想や業務要件を基に、システムの設計書を作成します。実際にプログラムを作成するのが、プログラマーだとすると、システムエンジニアは、プログラムの基となるシステム設計書を作成したり、開発プロジェクトやチームを管理する役割を担っています。

システム開発会社やソフトウェア開発会社に勤務することが多いですが、メーカーや金融機関などの情報管理部門やIT部門で働く人もいます。
システムエンジニアになるために、特に資格は必要ではなく、上記の企業に勤めて、知識や実務経験を積んでいくことになります。
プログラマー同様、普段は決して忙しい訳ではありませんが、開発のピーク時やトラブル対応時は繁忙となります。
給与は所属している会社や役職によりますが、プログラマーよりは高く、平均的に500~600万円程度です。

 

3.Webデザイナー: 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

企業や個人のウェブサイトをデザインする仕事です。サイトの目的やコンセプトにふさわしく、かつユーザーにとって使いやすいデザインを設計するため、サイトのレイアウトやカラーイメージ、コーディング、ロゴやバナーなどを作成します。
Web制作会社やIT系企業の制作部署で働く人が多いですが、実績を積めば、フリーランスで活躍することも可能です。

Webデザイナーになるために特別な資格などは不要で、スクールや専門学校、あるいは独学で学んで就職する人が多いです。
納期が決まっている仕事が多いので、案件の量や種類によっては忙しくなる時期もあります。
会社で勤めている場合、Webデザイナーの給与はそれほど高くはなく、平均300~400万円程度です。デザイナーを統括するディレクター、プロデューサーへとスキルアップすれば、給与も上がっていくケースが多いです。

4.CADオペレター: 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

CADというソフトウェアを使って、設計士やデザイナーが作成した設計図を図面をひいたり、3Dデータにする仕事です。設計する訳ではありませんが、設計者の意図を理解する知識や図面化する表現力が求められます。

建築業界、住宅・リフォーム業界、インテリア業界、自動車・航空業界、機械・電気業界、アパレル・ジュエリー業界など、設計図が必要となる業界で社員として働く人が多いです。

資格は特に必要なく、スクールや専門学校でCADを学ぶか、またはCADを扱う部署でアシスタントをしながら技術を学びます。設計やデザインなどの知識を学べば、オペレターから設計者やデザインナーへキャリアアップできる職場もあります。
給与は勤務する企業にもよりますが、平均的には300~400万円程度です。

 

5.社会保険労務士: 年収:★★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★

社会保険に関する書類の作成、申請、給付などの事務手続き、労務に関するコンサルティング、給与計算などを行う仕事です。
社会保険労務士事務所や企業の総務部、人事部に勤めるケースが多いです。企業に勤めた場合、この資格があることで、社会保険労務士事務所に委託するコストを削減できるため重宝されることになります。

企業内や社会保険労務士事務所で経験を積み、開業することも可能ですが、仕事を受注できるだけの信頼や実績、人脈がないと難しいです。
社会保険労務士になるには、資格を取得する必要があり、合格率は1割を切るので、やや難しいと言えます。試験合格後に2年の実務を経て講習を受講し、社会保険労務士として働くことができるようになります。
また、給与は勤務する会社や役職にもよりますが、450~800万円と割と高いと言えます。

 

6.司法書士/行政書士: 年収:★★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★

個人や企業の依頼により、法律に関する書類作成や法律上の手続きを代行する仕事です。司法書士の場合、主に「不動産登記」「商業登記」「裁判事務」などを行います。最近では、債務整理、借金の過払い金請求などの法律業務も手掛けられるようになったため、活躍の場は広がっています。

行政書士は、行政機関に提出する書類である「会社設立時の書類作成」、「契約書作成」、「飲食店営業許可」、「旅行業の登録」などを代行します。
多くは弁護士事務所や司法書士事務所に勤務しますが、実績や人脈があれば、独立して開業することも可能です。

独立することで高収入を得ることは可能ですが、1案件当たりの金額は決まっているので、案件数をこなす必要があり、ワークライフバランスをとるのが難しくなりがちです。また、司法書士行政書士ともに合格率は3%程度と低く、かなりの努力が必要になります。

 

7.中小企業診断士: 年収:★★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★

中小企業のクライアントに対し経営相談にのったり、課題解決のサポートを行う仕事です。企業に勤めて経営診断を行う人が7割、フリーランスとして企業とコンサルタント契約を結び、経営診断する人が3割程度です。信頼や人脈があれば、独立して働くことが可能な仕事と言えます。

企業経営に関わる仕事であるため、一般的に給与は高いケースが多いです。
ただし、中小企業診断士になるには、7科目あるマークシート形式の1次試験と筆記・口述形式の2次試験を突破する必要があります。2次試験までの合格率は4%程度ですので、地道に勉強する必要があります。

 

8.ファイナンシャルプランナー: 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★★

個人の収支や保有資産などから、資産運用やマイホーム購入、相続、保険加入などのアドバイスをする仕事です。ファイナンシャルプランナー事務所、銀行、信用金庫、証券会社、保険会社、投資顧問会社、不動産会社で営業や経理で働くことが多いです。

ファイナンシャルプランナーとして実務で生かすには、「FP技能士」の2級以上に合格することが求められます。2級は30~40%程度の合格率ですので、きちんと勉強すれば、合格することは可能といえます。
給与は勤務する企業によりますが、資格を取得すると手当として毎月の給与に1~2万円上乗せされる企業もあるようです。また、独立開業して、上手くいけば1000万円を稼ぐ人もいます。

 

9.貿易事務: 年収:★★★、働きやすさ:★★★★、なりやすさ:★★★★

メーカーや商社などに勤務し、海外から物品を輸入する、あるいは、日本から物品を輸出する際の事務手続きを行う仕事です。
輸入業務は輸入元から送られてきた請求書(インボイス)に基づき、通関手配、関税処理、納入商品の保管の手配をします。また、輸出業務は通関書類を作成して通関手配をしたり、インボイスを作成して送付するなどの業務を行います。通関書類や船積手配の書類などは通常の事務仕事とは異なり、専門知識や申請が煩雑だったりするため、専門スキルを身に着けられる事務職と言えます。
資格などは不要ですが、英語や中国語などの語学力が求められる仕事になります。

 

10.臨床心理士、カウンセラー: 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

心の問題が抱えた人にカウンセリングを行う仕事です。病院や保健所、児童相談所、学校、家庭裁判所・少年院、一般企業で勤務します。
ただし、常勤(正社員)としての求人は少ないため、非常勤で職場を掛け持ちすることが多いです。

臨床心理士やカウンセラーになるためには、大学院を修了する、または臨床心理士試験、公認心理士、民間資格に合格して就職するなどの方法があります。
給与は勤務先によりますが、300~500万円程度が多いです。

 

最後に

以上、「手に職をつけられる仕事」を紹介してきました。
不安定な時代で、会社がいつまでもつか?やリストラがいつあるか?など誰にも読めない時代になりつつあります。

そうした時代において、頼れるのは自分が養ってきた経験やスキル、信頼関係であり、「手に職をつける」ことは、会社に依存せずとも、自ら生きる力を身に着ける上で、非常に 強力な手段となります。

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また、求人条件を登録しておけば、新規求人が公開された際に、メールでお知らせしてくれる機能もありますので、うっかり、好条件の案件を見過ごしてしまうことも防げます。

ぜひ、会社に依存せず、いつでもひとり立ちして生きていけるよう、最初の一歩を踏み出してみて下さい。

 

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