逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

コンサル流 圧倒的に成果を出す人が実践している思考法

 

人生100年時代におけるキャリア形成の不安

人生100年時代」の到来とともに、仕事も65歳定年ではなく、長く働き続ける必要が高まっています。そんな時代において、自分なりのスキルを持って、楽しく働くことの重要性が高まりつつあります。
そうした時代の変化の一方で、「長く働き続けられるだけのキャリアやスキルがなく不安」「今の自分の仕事に将来性がなく、この先が不安」と感じられている人も多いかと思います。
そうした不安を感じられている人に、私自身の経験からこの先のキャリア形成において重要なことをお伝えしたいと思います。

 
これからの時代を生き抜くために覚悟しておくべきこと

働く期間が長くなることに加えて、時代の移り変わりは激しく、10年前の常識は今の常識ではなくなりつつあります。そうした時代において、ビジネスマンは常に自らをアップデートし、鍛える努力をしないと、市場での価値はなくなっていきます。

特に、今まで比較的安定した会社に勤め、試行錯誤する機会が少なかった人は、自らが意識して行動していない限り、世の中で求められているスキルを備えた人材になれていない可能性があります。定期的に自分のスキルを棚卸し、今後、必要なスキルは何かを自問しながら、働き続ける必要があります。特に、専門知識(業界知識、IT、会計、マーケティングなど)は制度やトレンドが変わるため、常に知識をアップデートすることが求められます。


これからの時代に必要なスキル

専門知識が時代の変化とともに変わる一方で、常に普遍的なビジネスマンとしてベースとなるスキルがあります。
「論理的思考力」「抽象化能力」「対人コミュニケーション」「やりきる力」であり、これらはいずれも仕事を進める上で、非常に重要なスキルであり、こうしたスキルは早いうちに習得すればするほど、仕事を成功させる確率が高まり、周囲からの信頼を獲得できることで、あなたのキャリアパスを飛躍的に高まることができます。

もし、あなたが将来のキャリアを不安に思っているなら、専門知識や資格の取得に走るよりも、これらの力をまずは身に着けることをお勧めします。
なぜなら、専門知識はどんなに身に着けたとしても、時代の移り変わりとともに、陳腐化するものであり、常に学び続ける必要のある“フロー型のスキル”であるのに対し、「論理的思考力」「抽象化能力」などは、一度身に着けると生涯に渡って使えるスキルであり、かつ実践での経験を積み重ねることで、さらにスキルが洗練化されていく“ストック型のスキル”であるからです。このスキルを身に着けた人とそうでない人とでは、時間を経るにしたがって大きな差が生まれていくことになります。


私自身の経験

私自身、30歳前半にコンサルティング会社に転職することで、初めて、こうしたスキルの重要性に気付き、そこから日々、鍛える訓練をしました。特に、さきほど上げた能力のうち、重要なスキルは「抽象化能力」であり、この能力を身に着けたことで、他の人が気づいていない物事の本質や真因を捉え、解決策を打ち出すことが容易になりました。

それまでは、専門知識(私の場合はマーケティング)を取得することに関心があり、様々な手法やツールの知識を学ぶことに関心がありました。実際、この時に得た知識は今でも役立っており、プラスになってはいます。

でも、コンサルティング会社で得たこうした普遍的スキルは、専門知識の何倍も重要であり、すべての仕事のベースとなり、かつどのような業界・職種であったとしても高い成果を上げることができるスキルであると言っても過言ではありません。将来のキャリアに悩んでいる方には、ぜひ、付け焼刃のスキルではなく、長い将来に渡って使える、普遍的なスキルである「抽象化能力」を身に着けていただき、どこの職場であっても通用するという自信を持ってもらいたいと思います。

そうした自信をつけることができれば、将来への不安は消えることはもちろん、他の人が気づいていない重要な本質に気付けることが増えるので、仕事をすることが楽しくなり、認められることも増えるので、積極的に仕事をすることができるようになります。

 

これからのキャリアに必要な「真因探索能力」とは何か?

コンサルティング会社に入ると嫌でも、この真因探索能力を身に着けざる負えません。それは、コンサルタントという仕事の立ち位置でバリューを出すための必然とも言えます。業務知識や専門知識ではクライアントの方が上であり、そうした知識に対抗するには、クライアントが気づいていない観点で問題の本質を特定したり、解決先を提示する必要があります。

その際に重要になるのは、日々の仕事での出来事や他社の事例を通して気づいた学びを定式化してまとめることであり、そうすることで、問題の本質にいち早くたどり着くことができたり、クライアントが気づけていない視点を提供することが可能となります。

例えば、ある業務のプロセスを見直す必要があるという場合、通常の人はこれまでの会計処理の業務プロセスを前提に、「Step1.現状の課題の洗い出し」⇒「Step2.改善策の立案」をしようとします。もちろんこのアプローチは決して間違いではありません。現状の問題点を洗い出して、そのための解決策を出すのは、一般的な解決方法ですし、改善点をつぶせているという点では一定の効果を期待することができます。

でも、このアプローチの問題点はもぐらたたき的な対処療法になる可能性があるということです。つまり、「Step1.現状の課題の洗い出し」で、一気に本質的な問題点を洗い出すことができていればよいのですが、多くのケースにおいては、そこまで至ることはできません。なぜなら、人は一般的に自分が経験した個別の事象しか記憶にとどめておらず、その課題が発生した背景や要因まで深く突き詰めて考えることはないからです。


コンサルタントであれば、
「Step1.現状の課題の洗い出し」⇒「Step2.その課題が起こった背景・要因の真因分析」⇒「Step3.真因に対する改善策の立案」というアプローチをとります。
このStep2のフェーズで重要になってくるのが個々の事象から共通する要因を特定する抽象化能力となります。

 

例えば、ある業務において、事務処理のミスが多発しているとします。表層的に考えると、こうした課題を改善するには、ミスをしないように、チェックリストを作り作業者が確認するようにする、上司が二重チェックをすることでミスが発生することを防ぐといったことが対策になるかもしれません。しかし、ここで「Step2.課題が起こった背景・要因」を検討するステップを入れるとどうでしょう。

スタッフがミスを起こした要因は単に、作業者の不注意ではなく、「労働時間が長く、注意力を維持するのが困難」「マルチタスクになっており、作業に集中できない」「記入用紙のレイアウトが分かりづらくミスを起こしやすい」など背景となる要因が他のことにあることは往々にしてあります。もし、労働時間の問題であれば、いくらチェックリストや上司が二重チェックをしても根本的な解決にはなっておらず、むしろ多くの工数をかけるようになった分、効果が薄い分人件費がかかるという結果になることもあります。

 

上記はあくまで一例にすぎませんが、多くの仕事において、単に課題や問題点のみに注目し、対策を立てるという非効率的なやり方が一般的です。ここで、真因を深堀し、それに対する対策を立てるという仕事の仕方を覚えれば、本質を抑えた解決策となるため、圧倒的に効果を出しやすくなります。

ぜひ、この記事を読まれた方は、目の前の課題や問題点にのみ目を奪われるのではなく、その問題が起こっている背景や要因を深堀してみる姿勢を大事にしていただければと思います。そのステップを入れるだけで、他の人に比べて圧倒的に成果を出しやすくなることと思います。

生産性を10倍に高めるためのコンサル流仕事術

“効率的に仕事をこなして、仕事ができる人と思われたい“
”残業が多く、仕事の効率を上げる必要性を感じている“
”上司やクライアントからのレビューで手戻りが発生し、仕事を効率的に進められない“
などの悩みを持つ人は多いと思います。

また、最近では、働き方改革の影響もあり、以前にも増して、多くの企業でダラダラ残業をやらず、メリハリをつけて仕事をするよう社員に求める傾向もみられます。
そうした環境の中で、メリハリをつけて生産性を高めて働こうと努力しているが、なかなか、自分の思う通りに仕事が進まず、もどかしさを感じている人も多いのではないでしょうか。

限られた期間で、少人数でプロジェクトをこなす必要のあるコンサルティング会社では、社員の生産性を高め、効率的に働くための様々な技があります。この技は非常に有効にも関わらず、実践している人があまりいないので、ぜひ、実践して頂くことで、効率的に仕事を進めることができるようになります。

 

 

生産性の高める方法に関するよくある誤解

仕事を効率的にこなす、生産性を高めるためのよくある誤解は、1つ1つの作業の効率を上げれば、効率的に仕事が進められると思っている人が非常に多いです。
かくいう私も、社会人になりたての頃は非常に仕事が遅く、決して人より仕事を持っている訳でもないのに、残業時間が月平均で80時間を超えていました。

同期の中でも圧倒的に残業時間が多かった私は、仕事を効率的にこなすために、パワーポイントやエクセルを効率的にこなせるよう、ショートカットキーの使い方や関数を覚えたり、テンプレートを作って、なるべく効率的に仕事をこなせるように努力しましたが、相変わらず残業時間は長いままでした。1つ1つの作業を効率化するのはある程度は早くなりますが、決して、劇的に仕事のスピードを上げることはできません。

コンサルティング会社に転職してから、仕事ができる同僚を見て気づいたことは、生産性の高い働き方をするには、1つ1つの作業を効率的にこなすことは、さほど重要ではないということです。それよりも、仕事の目的やゴールを明確にし、最駄な仕事をせず最短距離で仕事をすること、作業の全体設計を考え、どう作業を組み立てるかが重要です。

以降では、仕事をする上で、最短距離で仕事を終わらせるにはどうしたら良いのか?作業手順を組み立てる際に、どのような点に留意したら良いのか?を説明したいと思います。

 

最短距離で仕事を終わらせるための3つのテクニック

1.仕事の「目的」と「ゴール」を明確にする

最短距離で仕事を終わらせるために、まずやるべきことは、仕事の「目的」と「ゴール」を明確にすることです。「目的」は何のためにこの仕事をするのか?何に活用するための仕事なのか?を考えることです。

そして、「ゴール」とは、その目的を達成するために、いつまでにどのような成果物を出す必要があるか?を明確にすることです。例えば、自社の事業戦略を考えるために、競合含めた事業環境を分析するという仕事があったとします。このケースでの仕事の目的は「自社と競合の最近の商品特徴、広告・販促、価格などの現状を調べることで、競合と差別化するためのマーケティング施策に生かす」ということです。

また、この目的を達成するには、最終的な成果物として、「自社及び競合の商品、広告・販促、流通、価格などの4Pを比較できるようにまとめる」必要があります。まずは、いきなり作業をするのではなく、最初に目的とゴールを明確にする必要があります。もし、自分で考えても分からない、自信が持てない場合は、上司に確認してみて下さい。最初の段階で認識がずれていると、後でどれだけ頑張って作業をしても期待に沿った資料を作ることはできません。


2.ゴールをブレイクダウンして、やるべきことを明確にする

「目的」と「ゴール」が明確になったら、次に、成果物を作るために、どのような論点があるのかブレイクダウンして、整理することです。多くの人は、「目的」と「ゴール」がなんとなく答えることができますが、ゴールをさらにブレイクダウンして、具体化せずに、いきなり、情報を収集したり、資料を作り始める人が多いです。

かくいう私もかつてそうだったので、よく分かるのですが、それをすると、なんとなく頭の中にある「重要そうなこと」を手当たり次第調べていくことになるので、頭の中が整理されず、時間ばかりかけて作業してしまいがちです。でも、それをしてしまうと、迷宮の中に迷い込んでしまい、いたづらに時間ばかりを費やしてしまいます。

例えば、先ほどの競合の4Pを調べるという例でいえば、「広告・販促活動」と言っても、様々な活動があり、十分にブレイクダウンしきれていません。広告・販促には「TVCM」もあれば「店頭でのPOPや商品の陳列」「チラシ」などの“媒体”という切り口もあれば、何を訴求するのか?という“メッセージ“という切り口もあります。

そして、一旦、今回の仕事で調べる必要のある全体像を洗い出した上で、何に重点を置いて調べなければいけないかを優劣をつけます。このように全体像を整理することは、資料作成におけるプライオリティをつけるという意味でも、また、途中で混乱せずに済むという意味でも重要です。


3.作業設計を組み立てる

資料作成する対象をブレイクダウンした後に、いよいよ実際に作業を設計するフェーズに移ります。
作業設計する際、コンサルティング会社では、「SIPOC」というフレームワークで作業を組み立てます。(SIPOCという言葉を意識していない人もいますが、実際の作業の組み立てはこのフレームワークに沿って進めている人が多いです)

・S/I(Supplier/Information):
課題やテーマについて考察するために必要な情報を集めます。自分で調べる場合もあれば、他部署や外部の会社が情報を持っている時は、情報を提供してもらうよう依頼する必要があります。

・P(Process):
集めた情報を分析・考察します。この箇所は主に担当である自分が行い、適宜、上司のレビューを受けることになります。

・O/C(Output/Consumer):
分析・考察した結果を資料にまとめ、検討結果を報告します。報告する先が複数ある場合は、その時間も考慮して作業を組み立てる必要があります(例:まず、部長に報告したのちに、役員に報告するなど)

 

どの作業であっても、上記のようなフェーズに分けてどのぐらい時間がかかるのかを設計していきますが、その際のポイントとしては、
①他人に依頼する必要があることは、早めに依頼し、他の人が作業するリードタイムを考慮する必要があること、
②作業する前に上司へのレビューを先に入れていつまでに作業を終えるのか明確にすることです。

 ①は当然ですよね。作業に依存関係がなければ、他の人に依頼して作業してもらっている間、自分の作業を平行して進められるので、先に、他の人に依頼する仕事はお願いするのは鉄則です

 

②は意外と実践していない人が多いのではないのでしょうか。私もコンサルティング会社に入ってから実践するようになりました。それまでは資料ができてから、上司やクライアントにレビューを依頼していましたが、往々にして上司は忙しく、なかなか予定が空いていないので、資料作成~レビューまでに待ち時間ができてしまいます。それを避けるためにも、資料が完成する前に、早めにレビューの時間を確保して、待ち時間をなくすのが大事です。

 

また、上司のレビューを目標として、作業をすることで、締め切りが生まれ、緊張感を持って仕事を進めることができます。人は、どうしても、目標がないと仕事を後回しにしたり、ダラダラ仕事をしてしまいがちです。自ら期限を切って、緊張感を持って仕事に取り組むことは生産性を高める上で必須です。自分1人の力で生産性を高められる人はそれほど多くいません。意思の力に頼るのではなく、やらざる終えない仕組みを作って、効率的に仕事をこなしましょう。

 

とはいえ、“資料ができる前に予定を入れるのは不安だ”“もし、万が一、資料が完成できなかったらどうしたら良いのか”と思われる方もいるかもしれません。
ただ、仕事である以上、期限はあり、遅かれ早かれ、上司のレビューが必要なことは変わりません。それであれば、先に予定を押さえて、それを目標に作業をした方が効率的に作業を進められます。

 

このようにして、作業の進め方やいつまでにレビューをしてもらうかを決めたら、スケジュール表に、日別でいつまでにどの段階まで進めるのかを書き込みましょう。
日別で書き込むことで、いつまでに何をするかのペースメーカーとなります。もし、自分で立てたスケジュールで良いのか不安という人は、その時点で先輩社員に見てもらってもいいでしょう。

実際、私もコンサルタントになりたての頃は、仕事ができる先輩社員がどのような段取りで仕事を完遂させようとしているのか教えてもらうことで、おおよその時間感覚をつかんでいました。

実際に作業を進めたら、予定通りに進行しているか確認しましょう。
予定通り進まない時は、その原因がどこにあるのか確認することで、今後の作業の立て方に生かすことができます。
例えば、急に対応しなければならない別件が入ったなら、今後はそうした事態も含めてバッファを見込む必要あります。あるいは、自分の作業が思ったより時間がかかったなら、どのぐらいの時間をかければ仕事を終わらせられるのかを正確に認識できるようになります。

余談ですが、非常に仕事ができるコンサルタントほど、自分の作業時間にどれだけかかるかの認識がとても正確です。というのも、コンサルタントはぎりぎりまで資料を作らず、考えることに時間を取り、最後になって、一気に資料を仕上げていきます。

その際、資料作りのなどの作業にどれぐらい時間がかかるかを正確に理解しておかないと、考える時間にどの程度時間を配分できるか測れないからです。このように、自分の作業時間を正確に測れることは、考えるという価値を生む出す時間にどの程度使えるかを推し量る上で、非常に重要です。


以上、コンサルタントが実践している最短距離で、効率的に仕事をするための進め方について説明してきました。

こうして書くと、“作業計画を立てて、作業するのは当たりまえだ“と思われた方もいるでしょう。でも、実際に効率的仕事できていない、同じ仕事量なのに人より残業時間が長いと思っている人は、例外なく、最初のゴールの設定がきちんとできていない、あるいは、ゴールからブレイクダウンして実作業の計画の立て方が荒い、無駄な待ち時間が発生しているなどが大半です。
ぜひ、ショートカットキーを覚えるなど、些末な生産性向上に取り組むよりも、仕事の進め方をもう一度見直して頂きたいと思います。

ノルマがきつくて悩んでいる時の対処法

「会社のノルマがきつくてしんどい」
「毎回、自分だけが達成できなくて、上司や同僚から冷たい目で見られる」
「ノルマを達成するために休日出勤することが多く、肉体的にもしんどい」
「訪問や荷電をいくらしても断られ続け、心が折れそうになる」
など、ノルマを達成できない時はとてもしんどいものです。商談化数や受注数など、成果が目に見えやすく、周囲と簡単に比較できるので、何カ月も成績が悪い状態が続くと能力がないのではないか?自分はいくら頑張っても駄目なんじゃないか?という自己否定に入りやすくなります。

また、毎回、目標を達成していないと、上司や同僚から“できないヤツ”扱いをされるのも、非常に辛いです。当然、仕事に対して積極的になれなくなるので、営業するのが億劫になり、益々、成績が悪くなっていくという負のスパイラルに入っていく人も珍しくありません。

そんな営業のノルマを達成できずに苦しんでいる人に向けて、具体的な解決方法をお伝えしたいと思います。

 

 

そもそも、そのノルマは達成可能なものか?を考えてみる

まずは、あなたに課せられているノルマは少し頑張れば達成できるような適切な目標設定になっているでしょうか?また、仮に上手くいかないことが合っても周囲に相談できたり、サポートしてもらえる職場環境でしょうか?

もし、“Yes”であれば、今の部署で頑張ることで、あなたのキャリアにもプラスになることは間違いないです。営業ノルマを達成するために、顧客と向き合うことは、ビジネスの最も基本である「顧客の課題を考え、相手の立場になって、提案する」というスキルを高めることに繋がります。そうした方には、ぜひ、下記の「ノルマを達成するための具体的なアクションプラン」を読んでいただければと思います。

一方で、“No”の方は、到底達成しようがない目標設定に苦しんでいたり、失敗しても誰もサポートしてもらえず、ノルマを達成することは極めて厳しい状態です。今の部署で頑張っても、報われる可能性は非常に低く、結果として、心身ともにすり減らして終わってしまいます。こういう状態にいる人は、「部署を変える(異動願いを出す)」または「転職して別の会社にいく」ということを強くお薦めします。

こう言うと「ここで頑張らずに逃げるのは嫌だ」「この壁を乗り越えた先に、成長がある」と思われる方もいるかも知れません。もちろん、そういう場合は、今の職場でチャレンジすることは止めませんが、賢明な選択とは言えません。
なぜなら、真っ当な会社なら、個々人のレベルに合わせて適切なノルマを設定したり、サポートすることは当たり前であり、そうでない時点で、その会社にいるより、別の会社に移った方が、営業マンとしてのスキルは高められる可能性が高いです。

また、どんなに頑張っても商品が悪ければ売れないものは売れません。そこで無理やり頑張ることは、あなたの成功体験を奪うことに繋がります。人は、成功体験があると、モチベーションが高まり、努力したり、創意工夫して、更にスキルを伸ばせられる生き物です。
今、行き詰まっている人は、ぜひとも、職場を変えるということも選択肢に入れてみて下さい。

 

ノルマを達成するためのアクションプラン

1.営業プロセスを可視化し、どこに問題があるのかを抑える

まず、最初にやって頂きたいのは、あなたの営業プロセスのどこに問題があるのか?をきちんと押さえておくことです。大抵の人は、どこに問題があるのかをきちんと分析せず、営業成績が伸びないので、「とりあえず、訪問数やテレアポ数を増やそう」としたりします。

でも、新規の見込み顧客へのアプローチ数の少なさに問題があれば、その対応でも問題ないですが、本当の問題は、最後のクロージングのところかもしれません。的外れな対策を立てないためにも、以下の考え方で、どこに問題があるのかを知るところから始めて下さい。

営業のプロセスはい大まかに分けると以下の手順をたどります。
「新規見込み客へのアプローチ」⇒「商談のアポイント」⇒「商談での課題把握・自社製品の提案」⇒「交渉成立」

営業ノルマを達成できないということは、最終的な「交渉成立」にまで至る数が少ないということですが、この要因として、途中のどのプロセスに問題があるのか?を他の同僚と比べてみて下さい。

例えば、「新規顧客へのアプローチ」が少ないのであれば、訪問数やテレアポ数を増やす必要があります。
「商談のアポイント」に至る数が少ないのであれば、最初のアプローチの際に、「顧客を信用させ、興味を持ってもらうセールストークに問題がある」という可能性があります。また、「商談から交渉成立」までの数が少ないのであれば、クライアントの課題、予算感を把握して適切な商品を提案できないという可能性があります。

このように、どのプロセスに問題があるのか?をきちんと押さえ、適切なアプローチを取ることがとても大切です。

2.「どの顧客に(Who)」「どのようなことを(What)」「どのようなタイミング(When)」で営業するのか?を考える

営業プロセスのどこに問題があるのか?を特定できたら、今度は、どう解決すれば良いのか?を考えます。
解決策を考えるために、大切なのは、「どの顧客に(Who)」「どのようなことを(What)」「どのように(How)」営業するのか考えるということです。



「どの顧客(Who)」にアプローチするか?

多くの営業マンは、「どのようなことを(What)」「どのように(How)」営業するのかということに注目がいきがちですが、私の経験上、実際には、「どの顧客に(who)」アプローチするのかがとても重要です。

見込み顧客は多くは、一般的には「今すぐ商品を購入したい人」1割、「今すぐではないが、いずれ時期が来たら購入したい」が6割、「単なる興味本位、競合製品のリサーチ」が3割と言われています。いくらあなたがセールストークが上手でも、「単なる興味本位」の人に時間を割いても成果が得られることはあり得ません。

それよりも、「今すぐ商品を購入したい人」にまずはアプローチすることで簡単に商談や購入にまで至る可能性があります。成果を挙げられている人は、この熱量の高く、商品への必要度が高い人を見抜くのが上手です。

例えば、もし、あなたの顧客リストがHP経由からの資料請求の見込み顧客だとしたら、HPの滞在時間、どのコンテンツを見ているか?などから、すぐに商談までいく人かどうかを見分けることができる可能性があります。この辺りは、当然、商品によって変わってくるので、この情報を見たら良いと言えませんが、おすすめは、成果を挙げている人が、どういう優先順位でアプローチしているかをよく観察してみて下さい。

 

また、多くの営業マンは軽視しがちですが、「今すぐではないが、いずれ時期が来たら購入したい」と考えている人が、具体的にいつ頃、どのタイミングで購入したいと思っているのか?を抑えておくことは大切です。

当然ながら、今すぐ成果には結びつきませんが、適切なタイミングで、再度アプローチすることで、商談や購入にまで結び付けられる可能性があります。先ほども述べましたが、一般的に「今すぐ購入したい」という熱量のある見込み顧客は少なく、同僚と差をつけるためには、「今すぐではないが、そのうち購入したい」という人をあきらめずに、フォローできるかがカギだからです。見込み客へのアプローチを1回だけで終わらせるのではなく、長期的な時間軸で、再度フォローするということは、本当に成果を挙げている営業マンがやっていることだと思います。

 

「顧客に何を訴求するのか(What)」か?

見込み顧客が抱える課題をきちんと理解する

これは、営業マンなら、誰しもが理解していることだと思いますが、「顧客が何を課題に感じ、どのような不満や不安を抱えているのか?」を理解することが大切です。単に、自社の商品をアピールしても、顧客にとっては、自分の抱えている不満や不安をどう解決してくれるのかが伝わらないと、当然ながら、商談や購入に至ることはありません。
そのためにも、いきなり、自社の商品を売り込むのではなくて、顧客が抱えている課題に耳を傾けることが大事です。その際、顧客の課題を理解するのに役立ちそうな情報があれば、最大限、活用することをお薦めします。

例えば、HP経由で資料請求したお客様に電話するのであれば、閲覧しているページや資料請求時に回答したアンケート内容を参考に、何に興味を持っていそうかを類推し、自社の商品でその課題を解決した事例を用意して、興味関心を喚起するといったことができます。

BtoBの営業であれば、会社情報や営業する部署の役割などを調べて、どういう課題がありそうか?を抑えておき、他社で導入して成功した事例などを用意しておくことは非常に有効です。



課題に合う自社商品の紹介と他社との違いを明確に伝える

顧客の課題を把握できたら、「その課題を自社商品ならどう解決できるか?」「競合商品との違いは何か?」「費用感」を伝えて下さい。

結局のところ、お客様が気になっているのは、「その商品にお金を払うこと(=費用感)で、自分の今の課題は解決されるのか?(=課題解決)。
そして、他の商品ではなくて、あなたの商品を選んだ方がいいのはなぜか?(=競合商品との違い)」であり、このことが腹落ちしないと、購入されることはないです。特に、高単価の商品ほど、上記が納得されないと、選ばれることはまずないと言ってもいいでしょう。

商談の際に、自社商品を説明する時には、上記の点を抑えて、提案資料を作ったり、セールスすることをお薦めします。よくあるのは、どの顧客に対しても、テンプレート化された同じ提案資料をもっていくということです。
テンプレを使うこと自体は全く否定しませんし、むしろ、毎回、資料作っていたら非効率ではありますが、問題は全く顧客の課題や悩みにより沿わずに、ただ、あなたが売りたいものの話だけしても、誰も興味を示さないということです。

必ず、「顧客の課題」を起点に商品を説明するということを徹底して下さい。そうすることで、信頼や信用が生まれ、たとえ、すぐに商談が成立しなくても、いずれ、成果に結びつくことになります。


 

「どのタイミング(When)」でアプローチするか?

営業する上で「どのタイミングでアプローチするか?」も大切な要素です。
これは、アプローチする時間帯もありますし、資料請求してから何日後にアプローチするかなどもあります。また、BtoBであれば、繁忙期かそうでないかなども重要です。

基本的に、新規の営業に聞く耳を持てるのは、余裕がある時なので、できるだけ、きちんと時間を取って聞いてもらえるタイミングであること、資料請求した顧客にアプローチするのであれば、資料を読んでもらえたタイミングにアプローチするなど、顧客の状況を想像して、不快に思われないタイミングでアプローチすることを心掛けて頂きたいと思います。

 

色々頑張ってみたけど、上手くいかない人の対処法

部署を異動する

営業ノルマを達成するための具体的な改善策をお伝えしてきましたが、それでも、上手くいかない(上手く行きそうにない)人は、「部署を異動する」という選択肢もありえます。というのも、営業の仕事は、ルート営業でない限り、アプローチして成約に至るのはどんなに優秀な営業マンでも3割と言われています。(これは、商品によっても当然違いますが。。。)

そもそも営業とは大半は最後の成約までたどり着かないという仕事であり、粘り強さや失敗してもひきづらずに次に進んでいけることが必要です。また、場合によっては、クレームにも対応したり、社内の内勤部門と調整する必要があることもあり、かなり精神的なタフさを必要とされる仕事です。

もし、あなたが営業という仕事が自分には向いていないと感じるのであれば、部署を異動して職種を変えることも現実的な選択肢です。
「自分には向いてなくても頑張りたい」という人もいるかも知れませんが、現実的に、人それぞれ得意分野があり、向いている仕事とそうでない仕事はあります。

また、仮に、内勤部署に異動しても、そこで初めて気づけることもあります。「今度、営業に戻れば、こういう条件で受注すれば、スムーズに仕事を進められる」という気づきを得られることもありますので、必ずしも、部署異動はあなたのキャリアにとって、マイナスになるとは限りません。

企業をきちんと精査して転職する

会社が営業が主体で他に主要な部署がない場合や、そもそも売っている商品に魅力がないので、営業が上手くいかないというケースもあります。自分でも自社商品の良さが分からないのに、営業するほど辛いことはありません。会社によっては、商品に魅力がないことを承知で、営業マンに商品を売らせているような会社もあります。

また、そもそも、設定されたノルマが達成不可能な目標を押し付けている、あるいは、ノルマを達成できなかった場合、全く上司や先輩のサポートがなく、一方的に責められるという会社もあります。そうした会社にいても、心身がすり減るばかりですし、前向きに仕事に取り組むことができません。
そういう場合は、別の会社に転職することを強くお薦めします。

でも、次に転職する際には、再び、残念な会社に入社することがないよう、しっかりと、企業を見極める必要があります。
応募する企業を選ぶ際には、必ず以下の点をチェックして、入社しても問題ないのか確認して下さい。

 

  • 離職率が高くないか?
  • 平均勤続年数が短くないか?
  • 人事の評価制度はどのように決まるのか?(特に、上司が一方的に評価するのではなく、ゴール設定、評価の目線合わせがきちんとなされているか?)
  • 入社する部署の課題、問題点は何か?(上司や部の体制に問題があり、離反者が多数出ている、営業するための十分なノウハウが蓄積されず、個々人の個人プレーになっていないか?)
  • 部署内での情報共有や人材育成はどうように行われているのか?(たとえ成果が挙げられなくても、サポートする組織であるのか?)
  • 同業他社の評判はどうか?(パワハラまがいの会社やブラック企業は同業では必ず噂になるので、そうした評判がないか?)

 

といっても、あなた上記項目は求人票を見ても載っていない情報も多く、企業の外部にいるあなた1人では、得られる情報には限界があります。
そうした時には、転職エージェントの担当者から情報をもらうようにして下さい。転職エージェントとはご存じの方も多いと思いますが、応募先の企業に関する詳細な情報を教えてくれたり、履歴書添削、面接対策、入社に当たっての雇用条件の交渉をしてくれる会社です。転職エージェント経由で転職活動をすることは以下のようなメリットがあります。

  • エージェントは求人を出している企業側からお金をもらっているので、応募者は無料で、上記サービスを受けられる。
  • エージェントは応募企業先の採用担当者と会い、会社の実情について、あなたよりも情報を得ているので、あなたが知りえない情報を教えてもらうことができる。
  • 昨今、ブラック企業に対する労基署の監視は厳しく、転職エージェントにとっても、ブラックな企業の求人を扱うことは、評判を落とすことに繋がるので、エージェントを経由して求人案件を紹介してもらうことで、パワハラ体質な会社や無茶苦茶なノルマを押し付けてくる企業をある程度排除することができる。

ぜひ、上手く転職エージェントを活用して、慎重に会社を選び、あなたが満足いくキャリアを歩んでいただきたいと思います。

 

 

意思が弱くても目標を達成できる5つのテクニック

“年初や期初に目標を立てたものの、なかなか達成することができない“
”いつも3日坊主になってしまい、何をやっても継続することができない“
など、目標をなかなか達成できずない、継続できないという悩みを持っている人は多いです。日記や仕事の業務計画シートなどに最初に立てた目標を振り返って、何も達成できていない度に、自己嫌悪に陥る人も少なくないのではないでしょうか。

私自身も、目標を立てた数日や数カ月はモチベーションが高いので、意識して取り組むのですが、そのうち、日々の業務や用事に気をとられ、いつの間にかやらなくなってしまうことの繰り返しでした。本当はこれをやりたいのに、と思いながらも、途中で達成できないことが続くと”自分は駄目だ、なんて意思が弱いんだ“と思っていました。

そんな私でしたが、コンサルティング会社に転職して、非常に高いパフォーマンスを発揮し、目標を達成し、どんどん昇進する同僚を見て気づいたことがありました。目標を達成できるかどうかは、意思の強さではなく、仕組み化できるか否かが重要ということです。目標を必ず達成する同僚は、もれなく”目標を達成するための行動をとらざる負えない状況に自らを置く仕組み作りに長けており、決して自分の意思に頼っていないということです。この仕組み化を取り入れることで、私も目標を継続することができるようになり、目標としていたTOEIC900点の取得や、昇進などの成果を出すことができました。


この記事では、目標を達成するための仕組み作りをどのように作ればよいのか?を説明します。絶対に達成したい目標がある人や、いつも継続できない自分を変えたい人は、この記事で書いてあることを実践すれば、かなりの確率で自分を変えることができますので、ぜひ読んでいただきたいと思います。

 

 

 

仕組み化の前に、目標が達成できない原因を理解しよう

目標を達成するための仕組み化の話の前に、簡単に、目標を達成できない、継続できない要因を抑えておきましょう。というのも、達成できない要因が何かによって、対策も変わってくるので、まずは、目標を達成できない原因が以下のいずれに当てはまるのか考えてみて下さい。


1.十分に時間を確保できず、取り組めなかったケース

1日or週単位の時間の使い方を見直す必要があります。日々のタスクの優先順位を見直し、あなたが本当に達成したいことや目指したい姿を考えた時に、やるべきことを絞って、時間をあてる必要があります。いわゆる、タイムマネジメントに問題があります。目標を達成するために、どうタイムマネジメントすれば良いのかは、また、別の記事で紹介したいと思います。

 

 

2.十分に時間がかえたものの、達成できなかったケース

「そもそも設定した目標が高すぎる」

そもそも、今の自分の能力からして、到底達成できない目標を立てている場合は、当然達成できません。いきなり、年内までに“150kmの速球を投げられるようになる“と言う目標を立てても、当然達成できる訳がないですよね。
こういう場合は、目標をもう少しブレイクダウンして、今の自分でも到達できるレベルに設定すべきです。

 

「やり方に問題がある」ケース

目標を達成するためのやり方に問題がある場合、いくら努力しても達成することはできません。イタリア料理のお店を持ちたいのに、和食の店に修行しても、目標を達成するには遠回りですよね。自分で自分のやり方が間違っていないか判断することは難しいので、アプローチが正しいのか?を上司や同僚、あるいは、その道に長けた有識者にアドバイスをもらった方が良いです。

 

「やり方には問題がないが、継続できない」ケース

通常、仕事においては、上司と面談して目標を設定しているので、目標が高すぎる、やり方に問題があるということは少ないはずであり、達成できない理由は、モチベーションが続かず、継続できないことによるものが大半です。

多くの人は、自分の意思やモチベーションに問題があると考え、モチベーションを高めるにはどうしたらよいかを考えます。例えば、“達成できた後の自分の姿を想像する”“同僚や上司に褒められたことを想像する”などの方法を紹介する本もありますが、そうしたイマジネーションの力だけで、努力を継続できる人は、相当すごい人です。私も含めて、普通の凡人は自分の意思やイマジネーションだけで継続できません。

“楽をしたい““ちょっと手を抜いてもいいや“など、安きに流れるのが人であり、無理に逆らって、頑張っても結局、継続できないです。そもそも、そんな方法で継続できる人は、とっくに目標を達成しているはずなので、このブログを読む必要もないと思いますが・・・


では、意思の力にも頼らず、努力を継続するためにはどうしたら良いのでしょうか?答えは、”やらざる負えない状況に自らを置き、習慣化する“ことです。習慣化することで”XXXをやらないと落ち着かない、気持ち悪い“という気持ちにさせ、目標達成に向けて努力を継続できる状態にもっていくことができます。努力を習慣化するために、具体的にやるべきことを以下で紹介します。

 

努力を習慣化し、継続できるようにするための5つのテクニック

1.レベルが低く、毎日できることをやる

目標を達成するために、時間がかからず、毎日簡単にできるレベルが低いことをやってみて下さい。“レベルが低いことをやる”と敢えて言っているのは、実践するハードルが低いので、毎日続けられるということもありますし、“レベルが低いことならそれぐらい続けないと落ち着かない”という気持ちになりやすいこともあります。これが実践するのに大変なことだと、やらない/できない理由を正当化してしまい、続かないことが多いからです。

でも、“レベルの低いことをやっても意味ないんじゃないの?”と思った方もいるかもしれません。でも、これを毎日やるのと、やらない人では本当に大きな差が付きます。また、レベルが高いことをやっても続けられないなら、レベルが低いことを毎日やった方が、確実に自分のためにもなります。

例えば、“デジタルマーケティングの知識を習得したい“という目標があるのであれば、毎日、デジタルマーケティングに関する記事を1つ読むなど、時間がかからず、大して努力も必要としないことをやってみて下さい。
ちなみに、Googleアラートなどを使えば、無料登録したワードが含まれる記事を決まった時間にメールに配信してくれますので、そうしたサービスなどを使えば、記事を読むという行動も習慣化しやすいです。

2.時間を決める/やるタイミングを決める

習慣化するコツは、レベルの低いことをいつやるのか?を決めてしまうことです。人は新しいことをやることには非常にストレスや負担がかかりますが、毎日、同じ時間やタイミングに同じことをやると、ルーティン化され、実践する負荷が下がります。

よくシリコンバレーの起業家は毎日同じシャツを着て、服を選ぶことに労力を使わず、仕事にエネルギーを向けると言われますが、それと同じで、全く同じ時間やタイミングにやると決めれば、いつやるか?を考えなくて済むので、その分、実際のルーティンにエネルギーを向けられます。

また、やるタイミングが決まっていれば、やならいと落ち着かないという効果もあります。朝、必ず顔を洗わないと落ち着ないのと一緒で、それをやらないと落ち着かない、1日が始まった/終わった気がしないという気持ちにさせることは、習慣化する上で絶大な効果があります。
朝起きた時、ご飯を食べたあと、お風呂あがり、夜寝る前、などタイミングはいつでもいいですが、やるタイミングを決めることでリズムが生まれ、継続しやすくなります。

 

3.周囲の人の目を利用して、続けざる負えない環境に身を置く

それでも、“ついつい、毎日忙しくて続けられない”“自分に負けて続かなさそう“と思った人は、「周囲に自分のやったタスクを報告する」「自分がやった成果をSNSなどに投稿してアウトプットする」「一緒にやる仲間を作って、グループで成果を報告する」など、周囲の人を巻き込んで、続けられる環境を作りましょう。

自分1人だけでは、やらなくなっても咎められることはありませんが、周囲の人を巻き込めば、自分がやらなくなったことは、すぐに分かってしまいます。そうした人の目を使って、強制的にやらざる負えない環境に身を置くことは大切です。
また、周囲に報告することで、場合によってはフィードバックが得られ、やりがいに繋がったり、やり方を改善することもできます。

実際、私自身、TOEICで900点を取るために、毎日30分の英語の勉強を継続すると決め、オンライン英会話で、授業を毎日予約することで、英語の勉強を続けられるようになりました。授業は先生という相手がいること、予め予定を入れてしまうことで、1人で勉強するよりも、ずっと継続することができるようになります。

 

4.達成感を味わうために、TODOリストを活用する

毎日のタスクをこなすことで、達成感を感じることも習慣化を後押ししてくれます。毎日やることを「TODOリストとして書き出し、できたら斜線を引く」「カレンダーに継続できている日数を書きこむ」など、続けられていることを可視化することは、モチベーションを上げる上で効果的です。

例えば、カレンダーに“30“”100”など継続できている日数を書き込むと、数字が大きくなっていくに連れて、次第に、途絶えさせたくないと思うようになってくるので、そうなれば継続できる可能性はさらに高まっていきます。

 

5.それでも継続できない人は、あなたの時間を奪っているものを遠ざける

今、お伝えした方法を使っても継続できないなら、おそらく、何かあなたが毎日のルーティンをこなすことを妨げている何かがあるはずです。
“TVや動画を見てしまって続けられない”“ついスマホを見てしまって、なかなかやろうと思えない”などです。そういう場合は、あなたの1日を振り返って、時間を奪っているものをシャットダウンして下さい。

もし、テレビを観てしまう人は、“テレビの電源を抜いて、観るのを面倒くさくする“
スマホでついついアプリを使ってしまう人は”アプリを削除する“
お酒を飲んでしまってやる気が起きない人は“家にはお酒は置かず、タスクが終わってからお酒をコンビニに買いに行って飲む”

など、あなたがタスクを実践することを妨げているものを遠ざけるようにして下さい。

 

 

このように、努力を継続できることで、目標達成に近づくことができるようになります。1日1日でみれば大したことのない作業でも、毎日続ければ、やらない人と比べると大きな差になることは間違いありません。

また、“続けられた“という自信は自己肯定感を高め、何にでも積極的に取り組めるようになる効果もあります。どの分野でも取り組める方法を身に着けられることは、大きな自信に繋がり、毎日が楽しくなってきます。

ぜひ、ここで紹介した内容を明日からでも実践して、毎日を有意義で充実感のある日にして下さい。

苦手な仕事を割り振られて悩んでいる時の対処法

苦手な仕事を振られた時に、やる気が上がらない、逃げ出したいと思う人は多いかと思います。
「周囲は上手くできるのに、自分は上手くできなくて苦しい」
「自分なりに努力しているが、なかなか成果がでない」
など、苦手な仕事だと、成果も上がりづらく、ますますやる気が起きないという悪循環に陥ってしまいがちです。

苦手な仕事から逃げてばかりいると、いつまで経っても、仕事ができるようにならず、周囲から評価されず、自分自身の成長に繋がるチャンスが巡ってこないことにもなりかねません。


でも、人間なので、当然、全ての仕事を完璧になんでもできる人なんていません。
皆、多かれ少なかれ、苦手なことがあり、頑張って克服したり、上手く対処して仕事をしています。

 

今回は、そんな苦手な仕事を担当することになった場合の対処方法を紹介します。

 

 

苦手と感じる原因が本当はどこにあるのか?を理解する

まず、最初にやって頂きたいのは、あなたがその仕事が苦手と思う理由が、どこにあるのか?をきちんと理解することです。
なんとなく、“その仕事が苦手だ”と思っている人が多いですが、

 ・上手く仕事をできず、上司に怒られるのが嫌

 ・同僚から“できないヤツ”と思われるのが嫌

 ・クライアントから“仕事ができない人”と思われるのが嫌

 ・仕事をするのに時間がかかって、上手くできないので苦手

 ・これまであまり経験したことがない仕事なので苦手

など、苦手と思う原因が「上司・同僚やクライアントから無能と思わる/怒られる」から苦手なのか、「仕事そのものが上手くできない」ので苦手なのかをきちんと理解すべきです。

なぜなら、上司や同僚、クライアントなど他の人からの評価が原因の場合は、苦手なりに、自分が努力していることや、少しずつ進歩していることを示すことで、周囲の評価が高まり、問題が解決される可能性があります。一方で、「仕事そのものが苦手」な場合は、上手くできるようにやり方を改善する、モチベーションを下げずに仕事に取り組む方法を知るなど、注力すべきポイントが変わってくるからです。

まずは、あなたが仕事が苦手と思っている正体がいったい何なのか?をクリアにしてみて下さい。

 

苦手な仕事に取り組む意義を明確にして、モチベーションを高める

苦手な仕事を割り振られた時は、どうしても、気分が落ち込みがちです。
“どうせ、また、やっても上手くいかず、怒られてしまう”
“時間ばかりかかって、ストレスがかかる”
“正直、面倒くさいし、誰かがやってほしい”
など、ネガティブな面ばかりに注意がいってしまいがちです。

そうなってしまうと、やる気も起きず、仕事を後回しにしがちになり、結果として、成果が上がらず、また、その仕事が嫌いになるという悪循環に陥ってしまいます。
そうならないためにも、その仕事に取組む意義やメリットを自分の中で見いだしてみて下さい。

 

・苦手と思っていた仕事ができるようになることで自分に自信がつく
・苦手な仕事ができるようになることで、自分のキャリアや仕事の幅が広がり、市場価値が高まる
・周囲の評価が上がり、仕事がしやすくなる
・上司からの評価が上がることで、自分のやりたかった仕事を任せてもらえるチャンスが来る
・クライアントからの信頼を得、仕事が楽しくなる

など、その仕事を取り組む意義を考えることで、モチベーションを持って仕事に取り組めるようになることが大事です。

 

意義を見いだせない時は、上司や同僚に相談する

もし、自分ひとりで考えても、意義を見いだせないなら、上司や同僚と話しをして、その仕事をすることで、どんなメリットがあるのかを聞いてみるのも手です。
あなたから見て、“つまらない仕事”だと思っているものでも、上司や同僚からすると、“こういう場面で役立つ”ということがきっとあるはずです。

実際、私自身、若手の頃に「チームメンバーのスケジュール管理」を任された時、できればやりたくない仕事だと思っていました。スケジュールなんて、個々人が管理するべきもので、なぜ、他の人のスケジュールを自分が管理しないといけないのか?と思っていたからです。

でも、この仕事でスケジュール表を作ってメンバーのスケジュールを管理するという経験は、後で、システム開発のスケジュール管理をするときに非常に役立ちました。こ
このように、今のあなたの経験や知識では一見役立たたないと思う仕事でも、回りまわって、役立つことがあります。そのためにも、上司や同僚にその仕事に取り組むことで、どんなメリットがあるのか聞いてみて下さい。

 

仕事に取り掛かる前に上司と進め方を相談する

苦手な仕事に取り組んでいるときは、大抵、「やり方が間違っている/効率的なやり方ができていない」場合が多いです。成果がでない仕事というのは、どこかでやり方に問題があると思った方が良いです。最初の方向性が間違っていると、その後、どれだけ頑張って仕事をしても、成果をあげることは難しいです。

最初に、仕事に取り掛かる前に、上司と自分の進め方が間違っていないか、注意すべき点がないかをフィードバックをもらっておくことをお薦めします。
そうすることで、間違った方向性で頑張って消耗することを防げますし、効率的に仕事ができる方法に気付くことができます。

 

また、“自分がその仕事に苦手意識を持っていること“を伝えるのもアリです。上司も苦手だと分かれば、あなたの仕事の出来への期待値が下がるので、少し頑張るだけで評価されやすくなります。また、苦手な仕事を克服するために努力している姿を見せることで、上司もあなたの姿勢に好感を持つことができます。

あなたも上司から好感を持っていることが理解できれば、もっと評価されるために、苦手な仕事を頑張りたいというモチベーションが湧くようになります。
苦手な仕事ほど、上司とのコミュニケーションを密にとって、仕事に前向きに取り組んでいることを示すことが、上司への評価にも、あなたのモチベーションUPにも役立ちます。

 

締切を設定し、やらざるを得ない環境に置く

苦手な仕事というのはつい後回しにしてしまいがちです。上司に“あの件って、どうなっている?”と聞かれて、あたふたと対応し、苦手な仕事を急いでこなした結果、ミスをして信用をなくすという結果に陥ることもあります。こうした事態を防ぐためにも、自分で作業計画を立て、締切を設定することが大事です。

締切があることで、目標が生まれ、仕事を後回しにすることを避けることができます。苦手な仕事ほど、自分の意思の力だけで、上手くできるようになろうと思わない方が良いです。上司や先輩など、上位者のレビューを設定し、仕事に緊張感を生むことで、仕事の質を高め、評価されるようになるという好循環を作りだすようにして下さい。

 

集中力を高めて仕事をできる時間帯にやる

人は集中して、仕事に取り組める時間帯はおおむね決まっています。個人差はありますが、これまでの研究から午前や夕方などは集中力を高く仕事ができることが分かっています。苦手な仕事は、集中できる時間帯にやることで、ミスを減らすことができ、ダラダラといつまでも仕事をすることがなくなります。

どれだけ仕事に取り組む意義を見いだしても、やはり、苦手なことに仕事時間の多くを費やしてしまうと、モチベーションは下がってしまいます。仕事に前向きに取り組む時間を増やすためにも、苦手な仕事は集中できる時間にこなしてなるべく短時間でやることをお薦めします。

 

 

それでも、仕事が苦手だ、辛いと感じる人の対処法

これまで書いたことをやってみても、“苦手意識が消えない”、“仕事をするのが辛い”という人は、別の職場を探すことも1つの選択肢です。
苦手な仕事にチャレンジすることは大切ですが、どうしても向かない仕事というのがあるのも事実です。嫌な仕事に向き合い、ストレスやプレッシャーを感じながらも誰にも相談できなかった結果、うつ病を発症してしまう人もいます。

仕事に取り組めるのも、健康な身体や精神状態があってこそのことです。どうしても辛い、仕事のことを考えるだけで憂うつ、食欲がない、寝られないという人は、転職して、自分に合った仕事をみつけましょう。

“苦手だからと言って転職するのは逃げだ“と思われる方もいらっしゃるかも知れません。確かに、克服する努力をしないで、転職するのは逃げですし、新しい職場でも仕事が合わないからといって逃げてしまうかもしれません。でも、克服する努力をしても駄目なら、それは自分に合っていない仕事が分かったと前向きに捉えて、自分の能力を発揮できる職場で働いた方が、成果を出しやすいですし、会社や顧客に貢献することに繋がります。

転職する際には、さきほど紹介したあなたが苦手に感じる仕事をリストアップしてみて下さい。書き出すことで、次の職場を探す際に、どういう職種は避けるべきかが明確になります。例えば、「営業が苦手で、どんなに頑張っても、上手く顧客の課題を引き出せない」「クライアントの懐に入っていくことができず、どうしても営業が得意になれない」など、どうしても向いていないと思える仕事を書き出してみて下さい。

次に、転職サイトに登録して、自分に向いていない仕事のある職種を除外して、検索してみて下さい。あるいは、予め希望職種を登録しておけば、新規案件が公開された度に、メールで通知してくれる機能もあります。どうしても苦手な仕事をやっている時というのは精神的に余裕がなく、転職サイトをわざわざ見にいくのも億劫になり、好条件の案件を見過ごしてしまいがちですが、そうしたことも防ぐことができます。

また、転職サイト内には、自己分析ツールもありますので、これまでの経験から、自分に合っている職種を見つけてみることもお薦めです。

 

最後に 

どんな人にも苦手な仕事はあり、まずは、克服しようと思って頑張ることが大事ですが、それでも苦手なままという人は自分の適性を知れた機会と割り切って、力を発揮できる場所で頑張るのは決して逃げではありません。

むしろ、オールマイティになんでもできる人より、何かとがったスキルを持っていて、会社に貢献できることが求められる時代ですので、自分の強みを生かす機会と捉えて、転職先を探してみて下さい。

 

事業会社からコンサルへの転職で不安に感じている人へ

コンサルティング会社に興味はあるものの、働き方、求められている仕事のレベルについていけるか不安に感じている人はいるかと思います。

激務と言われる環境の中で心身を壊さずに働けるのか?
仕事ができるエリートが集まる中でやっていけるのか?
など様々な不安があるかと思います。

私もコンサルに転職する時は、不安だらけでした。それなりに、社会人経験もあり、評価をされていたものの、コンサルティング会社といういわゆる“できる人“の集まりの中で自分がやっていけるのかと不安に感じたことを覚えています。

また、当時はちょうど、子供が産まれたタイミングでもあり、周囲からも安定した職場を離れ、転職することに反対されました。不思議なことに、転職を考える20代後半から30代前半はライフステージの変化を経験することも多く、結婚や子供の誕生などが重なって、転職自体をあきらめる人も多いと思います。

それでも、私はよりレベルの高い所で自分を試したい、コンサルで得られるロジカルな思考力が自分の今後のキャリアに必要だと思い、チャレンジしました。
この記事を読んでくださっている方の中にも、コンサルには興味はあるが、自分で通用するだろうか?という不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。実際の私の体験を踏まえて、コンサルに転職して良かったこと、悪かったことを書きたいと思います。

 

 

コンサルで働くことで事業会社では得られない気づきがある

コンサルに転職して良かったのか?と問われると、私はYesです。
確かに、大変なことも多かったですし、成果を出せずに苦しんだ時期もありました。ただ、そのまま事業会社にいたのでは、絶対に気付かなかった仕事をする上で大切なこと、ビジネスマンとして成長する上で重要なことに気付くことができました。

“自分のスキルを高めたい”
“苦労することもあるかもしれないが、チャレンジしたい”
“将来の自分のキャリアを広げたい”“人の数倍の速さで成長したい”
と思っている人は、ぜひチャンレンジして頂きたいです。
コンサルで働くことは事業会社で働いていたら決して気づけない仕事の流儀に気付くことができます。たとえ、コンサルを辞めて別のキャリアを進むことになったとしても、その経験はきっと生きるはずです。

 

コンサルで得られる最も貴重なことは「視座の高さ」「当事者意識」

では、コンサルで働くことで得られる能力とは何でしょうか?いくつかありますが、その中でも最も重要なものを挙げるとすると、「視座の高さ」「当事者意識」が高まることです。

論理的思考や資料作りのスキルではないの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。一般的に、コンサルというとロジカルシンキングが身につくイメージがあるかもしれません。それは、もちろん仕事をする上で大切ですし、コンサルの能力としても必要なものです。

でも、それよりももっと大切で、仕事をする上でのすべての土台となる力が「視座の高さ」と「当事者意識」です。入社時にロジカル面が弱い人でもそれさえ備わっていれば、自然と他の能力はカバーされていく人を私は何度も目にしました。

逆に、この2つが備わっていないと、どれだけ、ロジカルシンキングができてもバリューのある仕事をすることはできません。コンサルで働くということは、自然とこの2つの能力と向き合わざる負えない場面が増え、より立場が上になる(マネージャーなど)になるほど、当然のように備わっていないといけない資質になります。

 

では、なぜ、この2つの能力が大切で、コンサルになるとその能力が身につくのでしょうか?

 

「視座の高さ」「当事者意識」が大切な理由

コンサルの仕事のバリューは、クライアントが気づいていない視点で物事を考え、整理し、適切な選択肢を提示することです。その時に大事になるのは、局所的な視点で物事を捉えるのではなく、全体感を持ち、プロジェクトの意義や目的から遡って1つ1つの選択肢を精査する力が欠かせないものになります。

その際、大切になるのは「視座の高さ」です。視座が高いとはプロジェクトや目の前のタスクがどのような目的を達成するためのものなのか?企業活動にとってどんな意味があるのか?をしっかりと理解した上で、仕事ができている状態を指します。人は驚くほど、目の前のタスクをこなすことに目が行きがちであり、そもそもの目的や意義をきちんと理解して仕事をしていることは少ないです。

そこにコンサルタントが入って仕事をする意味があるのであり、クライアントと同じ目線で考えていてもバリューは出せません。クライアントの経営層の視点にたって、会社にとっての意義から目の前の仕事を捉え直す必要があるのです。また、コンサルタントが最終的に報告するには、クライアントの経営層レベルであることがほとんどです。経営層やマネジメントレベルと対等に話すには同じ視座に立つ必要があることは言うまでもないことです。

でも、これは、いうのは簡単ですが、実際にやろうと思っても実行できる人は少ないです。特に、コンサルたんとに成りたての人で自然とできている人はごくわずかです。視座を高めるには、普段から意識的に関連する情報を収集し、プロジェクトの意義を塾考し、目の前の仕事がその意義にどう結びついているのか?を考える習慣がないと、まず、考えることができません。

コンサルティング会社で働くということは、マネージャーなどの上位者からのレビューを繰り返し受けることになるので、そうした場で、自分の視座が足りていないことを痛感させられることになります。そうした経験を経て、意識的に自分の視座を高めようと努力することでしか、視座は高まっていきません。その意味で、コンサルティング会社で働くことは、そうした自分の中の視座を高めてくれる効果があるのです。

 

当事者意識が大切な理由

2つ目に重要な点として「当事者意識」を持つことがあります。ややもすると、コンサルタントは、委託された業務の範囲内で仕事をこなすことになりがちです。また、スタッフレべルの役職の場合、役職者が責任を取ってくれると思いがちです。でも、それでは、永遠に成長することはできません。

自分が責任を持って、この仕事を完遂するという姿勢がなければ、誰も相談したい・仕事を任せたいとは思わないですし、なによりも必死に考えることがないので、成長できません。「必ずこの仕事は自分が責任を持ってやりきる」「この仕事の成果を上げるのは自分しかいない」という気持ちで取り組めば、緊張感が生まれ、自然と深く、抜け漏れなく考えることができます。

そして、何より、自分が仕事のイニシアチブを持てる領域が増えるため、仕事が楽しむことができます。一方で、責任や重圧との隣りあわせになりますが、コンサルという仕事を選んだ以上、それは避けられないことです。責任や重圧を感じる代わりに、自分自身の考え、行動が洗練されていくことは間違いないですし、逆に、そのような過程を踏まずして成長することはありえません。



やっぱり、コンサルはハードルが高そう思った人へ

ここまでお読みいただいた方の中には、「やっぱり、コンサルティング会社で働くのは相当大変そうだ」「自分には無理だ」と思われた方もいらっしゃるかと思います。「コンサルタントとしてやっていけるのは一部の優秀な人だけだ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

でも、決してそんなことはありません。私がお伝えしたかったのは、「決して選ばれた一部の優秀な人だけがコンサルタントとして成長できる」ということではなく、「コンサルタントとしてやっていくには、ロジカルシンキングが重要なのではなく、仕事に対する向き合い方が重要だ」ということです。

そして、仕事に対する向き合い方は誰でも心がけ次第で変えることができることであり、「心がけが変われば、成長ができる」ということです。そして、コンサルティングファームという場所は、そのような心がけが変わる場所として、最適な場所であると言えます。

一旦、「視座の高さ」「当事者意識」の重要性に気付いた人は、劇的に成長します。当然ですよね、仕事に対する責任感が生まれ、必死に考え、行動することが増えれば成長するのは当たり前の帰結と言えます。そして、メリットはそれだけではありません。成長は自分ひとりでも世の中を渡っていけるという自信が生まれ、世間で言われている成功の道やこうあるべきという道にとらわれなくなります。人生における重要な選択を自分自身の価値尺度で選択をすることができるようになります。

 


もし、今、事業会社からコンサルティングファームに転職することに迷っている人がいたら、ぜひ、一歩を踏み出して欲しいと思います。当然ながら、コンサルティング会社で働くことは楽な選択ではありません。始めは自分ができないことが多く、落ち込むこともあるかもしれません。でも、普通に働いていては気づけないことに気付くことができます。

そして、「視座の高さ」「当事者意識」の重要性を体感した人は、成長できることはもちろん、自分自身で自分の人生を切り開くことに対する自信が持て、納得のいく人生を送ることができると思います。

転職というのは大きな人生の転換点でもあり、簡単に決断できることではないです。特に、今いる会社が安定している、ネームバリューがある人ほど、決断することは大変だと思います。私自身も「上手くいかなかったらどうしよう」、という不安に駆られることも多かったです。でも、コンサルティング会社で働くことは、そんな不安を押しのけて、チャレンジする価値があることだと私は思います。必ず、あなたを成長させ、そして、自分の人生を自分らしく生きることができる場所になると思います。

少しでも気になった方は、転職エージェントに話を聞いてみてもいいかもしれません。大抵、エージェントにはコンサルティング会社への転職を主に担当している人がいるので、そうした方に聞けば、コンサルティング会社の各社の特徴やあなたの経歴から見て合っているコンサルティング会社を紹介してくれるかと思います。また、コンサルティング会社によって、強みのある業界や専門領域、今後注力していきたい重点分野、コンサルタントの育成方針などがあるので、エージェントからそうした情報を知ることは有益だと思います。

コンサルを卒業した後のキャリア

このサイトをご覧になっている方の中には、コンサルティング会社で働いた後にどのようなキャリアがあるのか知りたいと思っている方もいらっしゃるかと思います。
著名な経営者やメディアで活躍する方には、コンサルティング会社出身の方も多く、皆さんの中にも、ポストコンサル後のキャリアとして、経営者や経営幹部への道を思い描かれていらっしゃる方もいるかもしれません。

この記事では、実際に私がコンサルティング会社で働いている経験を基に、コンサル後のキャリアとしてどのような選択を取ることが多いのかを説明します。特に、漠然とコンサルティング会社に行けば、素晴らしいキャリアが開けると思っている方にはぜひ、読んでいただきたいと思います。

 

 

 

ポストコンサル=バラ色のキャリアではない

コンサルティング会社に入ったからといって、将来のキャリアが約束されているかというと当然ながら、そんなことはありません。コンサルティング会社といっても、戦略系、総合系、ITコンサルなど、様々ですが、比較的入社難易度の高い、戦略系や総合ファームに入ったとしても、決して将来が約束されている訳ではありません。

その理由としては、どのファームもコンサルタントの採用を増やしており、世の中にコンサルタントという職業の人は無数に存在しており、無条件でポストコンサル後のキャリアが約束される訳ではないこと、コンサルタントはハードワークであるだけに、入社して1~2年で辞める人も多く、そうした人をコンサルタントのキャリアを積んだ人材とはみなさないことなどがあります。

つまり、コンサルティング会社に入ってから、きちんと実績を挙げ、評価されるスキルを身に着けた人でないと、当然のことながら、ポストコンサル後のキャリアが開けることはないことは強調しておきたいと思います。

 

ポストコンサル後のキャリアの実態 ~代表的な4つのキャリア~

では、実際、ポストコンサル後のキャリアの実態はどうなっているのでしょうか。
代表的な4つのキャリアについて説明したいと思います。

①:コンサル to コンサル

-最も多いケースは「コンサルティング会社から別のコンサルティング会社」に行くケースです。これにはいろいろなケースがあります。例えば、ITコンサルに勤めていた人が総合系ファームに行く、あるいは総合ファームから戦略系コンサルに行く場合などがあります。コンサルティング会社の中でも、よりフィーが高く、格が高いと言われるコンサルティング会社にステップアップを目指す人の転職先として多いです。

また、パートナーが別のファームに移籍する際、配下の人材を連れていく場合もよくあります。コンサルティング会社は意外と人と人との繋がりを重視しており、(結局は、コンサルティング会社はコンサルタントという個人がバリューを出せるかどうかで仕事を取れるかが決まってくるので、信頼できる人同士が長年、一緒に仕事をする場合は多いです)長年一緒に働いており、繋がりが強いケースが多く、上司の転籍に伴って部下もついていくことは多いです。

役職にもよりますが、一般的には40代を過ぎて事業会社側への転職するには、相当のポジション(課長、部長以上)での転職となり、そうしたポジションの空きは少ないため、年配の人ほど、コンサルからコンサルへの転職が多くなる印象です。もし、あなたがコンサルタントはキャリアの通過点であり、ポストコンサルとしてコンサル以外の道を志向している場合は、年齢的なタイムリミットがあることは念頭において動かれることをお勧めします。

 

②:PEファンド

次に多いのは「PEファンド」です。PEファンドとは、プライベート・エクイティ・ファンドのことで、機関投資家から集めた資金を用いて、主として非上場会社に投資を行い、資金提供と経営支援を通じて企業価値を高めた後に売却し、高い収益を獲得することを目指す会社のことです。

コンサルからPEファンドに行く人のモチベーションは、正直に言えば、投資先の事業が成功すればキャリーとして、莫大な収入を得られる可能性があることだと思います。コンサルタントも一般的な職業と比べると年収は高い方ですが、労働時間が長く、時間当たりでみたらさほど高くないことが多いため、多くのコンサルタントは正直に言えば、“自分のスキルならもっと楽に稼ぐことができる”と思っている人は多いです(全員とは限りませんが、労働時間に比べて給料は割にあっていないと思っている人は多いです。たまに、アベッて働かずして給料をもらっている人もいますが、、、)

そのため、同じハードワークならリターンの大きいPEファンドに勤めたいと思う人がいるのは当然かと思います。私はPEファンドに転職する人の動機の7~8割はキャリーがあることだと思っていますが、一応、仕事のやりがいについても補足すると、株主という立場で投資先の企業の経営支援に参画できるという点ではやりがいもある仕事と言えます。

ただ、PEファンドはそもそも採用枠が少なく、採用基準も高いこと、M&AFASなど財務に明るいことは求められるので、コンサルの次のキャリアとして狭き門であることは認識して頂いた方が良いと思います。

ITコンサルやPMOをやっていた人がPEファンドに採用されることはまずないと言ってもいいかと思いますので、もし、PEファンドを考えていらっしゃる方は、コンサルティング会社の中でも、そうした部門で経験を積むよう戦略的に動かれることをお勧めします。

 

③:事業会社

ポストコンサル後に、経営幹部や経営企画、新規事業開発などの部署を目指している方も多いかと思います。特に、最近は国内需要が縮小する中、海外進出や、M&Aなどに対応できる人材や、2025年の壁と言われているように、既存のITシステムや業務プロセスの刷新をリードできる人材として、ポストコンサルの需要が高まっているかと思います。

また、もう1つ大きなテーマとしては、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応するため、デジタルの知見のあるコンサルタントを採用するケースも見られます。社内人材では対応できない専門知識や最先端の知見、プロジェクトを主導できるマネジメントスキルなどを持っているコンサルタントほど有利になりますので、人材ニーズのある領域を見極めて、実績を積むことが重要かと思います。

この転職では、往々にして、年収が下がることが多いです。コンサルティング会社は労働集約型のビジネスモデルのため、高い給与を支払うことが可能であり、供与で優秀な人材を採用していますが、当然ながら、多くの事業会社はコンサルティング会社ほど給与を支払うことはできません。(もちろん、超大手企業などで同水準の給与というケースもあるかと思いますが、そうしたところは競争も激しくなります)

そのため、どの程度の給与なら妥協できるかを事前に考えて、転職活動をされることをお勧めします。また、比較的、若い人を好む傾向があり、40代以上になるとそれなりのポジションで入社することになるため、求められる水準も高く、また、ポジションも少ないことは認識しておいていただいた方が良いと思います。

 

④:起業

メディアなどではマッキンゼーやBCG出身の起業家などが登場することはありますが、正直言うと、そこまで多いケースではありません。そもそも起業する人よりもサラリーマンとして働く人が多いので、当然と言えば当然のことですが・・・

コンサルタントというと、企業の経営方針へのアドバイスをしていると思われがちですが、多くのコンサルタントは経営方針に直接関与している人は少ないです。総合ファームでもピュアな戦略案件というのは少ないので、コンサルタント=経営者としての視点を学べると考えるのは少し違います。なので、ポストコンサルなら経営者として活躍できると考えるのは間違いです。経営者を目指すのであれば、コンサルを経由せずとも、最初から自分で起業する道を選んだ方が正解です。

ただ、多くはないですが、コンサルティング会社ではリーダシップ(自ら主体的に考え、アクションする力)が求められるので、リーダーシップを取る面白さを知って、サラリーマンではなく、起業という道を選ぶ人もいます。また、起業に限らず、どこかに依存しなくても、自らの力でキャリアを切り開こうとする力や意思を与えてくれる場所として、コンサルティング会社で働く意義は大きいです(私自身、コンサルティング会社で働くことで、大きく仕事観が変わったので、このあたりは別の記事で書きたいと思います)

 

 

最後に

以上、主なポストコンサルのキャリアを紹介してきました。
いずれも、コンサルタントなら安泰のキャリアが約束されているという訳では当然ありませんが、コンサルティング会社でスキルを磨き、実績を挙げた人であれば、思い描くポジションへの転職において大きなアドバンテージになると言えます。大事なことは、どういうキャリアを築きたいかという観点から、コンサルタントとして積むべき実績を考えることです。

全く、関係のないプロジェクトを経験していても、当然転職においてプラスにはなりませんので、戦略的にプロジェクトや部署を選んでポストコンサル後のキャリアを掴んでいくことが大切かと思います。