逆境のキャリア術

外資系コンサルタントとして勤務している経験から、転職やキャリアについて発信するブログです

コンサルでのハードワークを乗り越える方法

コンサルティング会社への転職を考えてる方が最も不安に感じることの1つは、コンサル=激務で仕事についていけるか不安という点ではないでしょうか。
特に、現在、大手のホワイトな労働形態の会社に勤めていて、ハードな働き方をしていない人は不安に感じられることでしょう。

また、30代を超えて徐々に体力的に無理がきかない年代に入られている方はコンサルに転職される方は、ハードな働き方についていけるか悩まれるのではないでしょうか。

そんな方に、コンサルティング会社に長年勤務している私の経験を踏まえて、コンサルティング会社での働き方がどのぐらいハードなのか?を具体的に説明するとともに、そんな環境でも乗り越えていくために意識すべきポイントを書きます。

コンサルに転職するか悩んでいる方は、ぜひ、その判断材料としていただくとともに、すでに、コンサルに転職する人を決意している方にも、転職後で直面するハードワークを乗り越える参考として頂きたいです。

 

 

コンサルでのハードさはプロジェクトに影響される 

コンサルは皆、非常に忙しいイメージがありますが、一言で言うと、プロジェクトやプロジェクトをリードするマネージャーによって忙しさは変わります。
プロジェクトで言えば、比較的、定型業務が決まっていて、プロジェクトの期間も長いPMO(プロジェクトマネジメント)では、そこまで忙しくない印象です。
大体、9~10時に出社して、20時ぐらいには退社する人が多いです。
もちろん、時期によって波はあり、経営報告や大きなイベントを控えている時は、それよりも遅くなることはありますが、夜中まで仕事をすることはまれです。

一方、プロジェクト期間が決まっていて(3ヵ月など)、短期間に現状分析~戦略提案まで行う必要があるプロジェクトでは、一般的に、9~10時から22~23時ぐらいまで仕事をしているかと思います。例えば、3ヵ月間の業務改善系のプロジェクトの場合、以下のように現状の業務量を把握して、改善点を導くまでを数週間で終える必要があります。当然、各期間で、上司やクライアントからのレビューが入るので、やり直しになることもあります。

  • クライアントが持っている業務マニュアル(1000ページぐらい)を全て読みこみ、該当業務プロセスをプロセス図に起こす(1.5週間)
  • 社内インタビューし、各業務にどのぐらいの時間を要しているのかをデータ化(3週間)
  • インタビュー結果を分析し、業務改善の方向性をまとめる(3週間)
  • 現状の改善点を解決するために必要なシステムとそのコスト(概算)をまとめた上で、導入後のベースとなる業務プロセスを描く(3週間)

もちろん、1人でこの作業の全てを担当する訳ではありませんが、1部署の業務改善であれば2~3人でプロジェクトを回すことになるので、かなりの仕事量であることは間違いないです。また、自分が業務知識のある分野であれば、割とスムーズにプロセス図を書くこともできますが、門外漢の業務の場合、参考文献を調べたり、他のコンサルタントに必要な知識をヒアリングして作業することになるので、余計に時間がかかることも想定しておく必要があります。

実際、私自身、コンサルタントになりたての頃、IFRSの導入プロジェクトにアサインされ、会計の業務プロセスが全く分からなかったため、業務時間とは別に、関連する本は数十冊を読み、会計業務に詳しい同僚に話を聞いて、必要な知識を収集することでキャッチアップしていました。
また、ステークホルダーが集まる大きな会議の前や最終報告前になると、報告資料の作成のため、夜中まで仕事をすることは普通です。

コンサルでやっていけるか不安な人への実践的アドバイス

ここまでお読みいただいて、コンサルティング会社での忙しさに対する受け止め方は人それぞれだと思います。“それぐらいだったら、今の勤務時間と変わらないからやっていける”、あるいは“今よりは忙しくなりそうだけど、キャッチアップできる”とポジティブに受け止めている方もいれば、“ついていけなさそうだから、コンサルで働くのは無理そうだ”とネガティブに受け止めている方もいらっしゃるかもしれません。

もし、“自分には無理そうだ“”ついていけるか不安だ“と思った方は、最初のプロジェクトは比較的、時間的余裕があるPMOからスタートするのは良いかもしれません。PMOというと一部の方は、”つまらない“”事務局作業で、戦略的な仕事に携われない“と思われる方もいると思います。

確かに、PMOをずっと続けて、戦略系の仕事ができることはありませんが、コンサルの仕事の進め方を学ぶ最初の一歩としては、非常に良い経験になると私は思います。会議の設定の仕方、議事録作成、資料作成など、PMOはある意味、コンサルのベースとなる仕事を学べる機会がたくさんあります。詳細は別の記事で改めて書く予定ですが、会議の設定、議事録作成などベーシックな仕事ほど、正しいやり方を身に着けると、その後の仕事をスムーズに回すことができるようになります。

また、どのコンサルティング会社でも、入社すると、メンター(相談役)として先輩社員が付くことが多いです。名ばかりメンターで相談に乗ってくれない人もいますが(笑)、多くのコンサルタントは、聞かれたことや相談されたことに対してはきちんとアドバイスを返すので、あなたのスキルや経験を正直に話した上で、どのプロジェクトが適切か相談に乗ってもらうのもよいかと思います。

もちろん、アサインは、人員が空いているかや、必要な経験・スキルとマッチするかもありますので、あなたの希望だけで決まる訳ではないですが、コンサルティング会社は自分の希望がある場合は、遠慮することなく伝えて良いカルチャーなので、メンターを通じて、希望を伝えることはありだと思います。

 

コンサルでのハードワークの原因は働く時間ではなく、メンタルタフネスが要求されること

ここまで「ハードワーク=労働時間、忙しさ」として書いてきましたが、コンサルがハードワークと言われる所以は時間ではなく、メンタルタフネス(=折れない心)が要求されることだと思います。私が見てきた中でも、“前職よりも働く時間が長くなったので、ついていけなくなり、コンサルを辞めた”という人はほとんど聞いたことがありません。

そもそも、入社する前に労働時間が長くなることは覚悟して入ってきている人が多いことはあると思いますが、労働時間の長さが原因でついていけなくなる人はほとんどいないです。もちろん、「子供が産まれた」「家族が病気になり介護が必要になった」などの家族が原因で辞める人はいますが、本人の意思で離脱する人はあまりいないです。

それよりも多いのは、“上司からのレビューで自分の作った資料に大量の修正を入れられる”“夜中までかかって頑張って作った資料を、朝に上司がレビューし駄目だしをされた”など、コンサル特有のレビューに心が折れる人が多いです。事業会社であれば、自分が労力をかけて作った資料であれば、資料の質がイマイチであっても、“努力した”という過程を評価してくれる場合が多いと思いますが、コンサルはどれだけ時間をかけて作ったかは全く問題ではなく、クライアントやプロジェクトの課題や問いに答えている資料を作れているかが重要です。

とはいえ、どうしても自分の努力の過程を認めて欲しいというのが人間の本性ですが、そういう甘い期待を完全に否定される経験はやはり辛いものがあります。しかも、それが日々、忙しく、体力や気力が低下する中で、何度も駄目だしをされるとメンタルが持たなくなるケースが多いです。

これに対する対処法はなかなか難しいのですが、一人で乗り切ろうとしないことが大事だと思います。コンサルティング会社は人が資産であるので、一定、離職することは想定しているものの、なるべく離職を抑えようとしていますので、メンターに相談する、あるいは、社内のホットラインに相談するなどで一人で抱え込まないようにするしかないかと思います。

また、マネージャーの中には、一部ですが、部下を精神的に追いやりがちな人がいるのも事実です。そういう人がやっかいなのは、本人は決して悪気が合って厳しい言葉を投げかけている訳ではないということです。多くの場合、“質が低い仕事が許せない“という仕事に対するスタンスがストイックで、求めるレベルが高い人が多く、たとえ経験が浅いコンサルタントであっても、一定の基準に達していない資料を出されると、指摘せずにはいられなくなってしまいます。

こういうタイプのマネージャーは、仕事はできるので、クライアントから信頼され、発言権が強いため、部下としても反論しづらく、精神的に追い詰められるケースが多いです。もちろん、レビューにめげず、ついていくことができれば、非常に成長することができますが、コンサルタントとしての一定の経験を踏んでいない状態で出会ってしまうと、メンタルをやられてしまうことはよくあります。

こうしたタイプのマネージャーの下についた時は、素直にメンターなどに相談するのが良いかと思います。コンサルティング会社は、事業会社と違って、フラットな組織なので、上司の顔色を見て、相談するのを控えるなど、配慮する必要はありません。

また、コンサルティング会社はどこも人出不足であり、メンタルを病んで辞める人が増えることは、採用活動におけるコンサルティング会社のリピュテーションを低下させることに繋がります。そのため、どのファームもメンターがきちんとフォローするようになってきているので、ぜひ、1人で抱え込まずに相談して欲してみて下さい。

 

以上、コンサルティング会社でのハードワークについて説明してきました。良くも悪くもコンサルティング会社は実力で評価される世界なので、経験が浅いうちは、時間的にも、精神的にもそれまでの環境と違って、慣れずに苦労することは多いかもしれません。でも、苦労した分だけ、必ずあなたの成長に繋がるはずです。

とはいえ、転職して失敗したら怖いな、という人もいるかもしれません。でも、そこに成長の場があるなら、積極的にチャレンジしないと、一生、自分の納得いく道を進むことはできません。コンサルに行って成長したい、自分のキャリアを実りあるものにしたいと思っているから、ここまで読んでいただいているのだと思います。

人生を変えるためには、リスクを取って、チャンレンジする必要があります。高い山であればあるほど、登った時の達成感は大きくなりますし、得られるものも多いです。ぜひ、今、一歩を踏み出してチャレンジして下さい。

コンサルに入社する前に知っておくべき不都合な真実

コンサルティング会社に転職すると、
“事業・経営戦略に携わることができる”
“事業買収、グローバル案件などに関わることができキャリアをステップアップさせることができる”
と思われている方は多いかと思います。

最近では、東大生の人気就職先として、軒並みコンサルティング会社が並んでいることからも、“コンサルティング会社=経営課題を解決・支援するエリート集団“というイメージが強いです。

でも、単なる憧れで応募すると、そもそも面接で志望動機が非常に浅く、”コンサルティング会社の仕事を理解していない“と評価されてしまいます。また、仮に面接を通して入社したとしても、実態とのギャップに苦しみ、”こんなはずではなかった“と苦しむことになります。実際、私の所属するファームでも入社前との期待との落差に失望して、辞めていく人も多く見てきました。


そうした不幸な事例を避けるためにも、これからコンサルティング会社への転職を考えている方に、ぜひ、リアルな実態をお伝えしたいと思います。もちろん、他のウェブサイトや各社のホームページを見ても、業務紹介は載っていますが、形式的な業務の説明をしているのみで、どういった内容の仕事が多いかや身につくスキルなどリアルな実態はほとんど伝わっていないかと思います。

この記事は、もし、過去に戻れるなら、コンサルティング会社に入社する前の自分に伝えておきたかったことを書きました。これから、コンサルティング会社への入社を考えている皆さんにはきっと有益な情報になっていると思います。

 

 

 

コンサルティング会社の種類と採用難易度

コンサルティング会社は、大きくは「戦略系」「総合系」「ITコンサル系」と大別されます。

「戦略系」は主に企業の経営戦略や事業戦略の策定支援が中心になります。
M&Aファイナンス、IT、人事など個別の課題ではなく、会社や事業の方向性を検討し、意思決定を支援するのが戦略系のプロジェクトです。
マッキンゼー、BCG、ATカーニー、ベイン・カンパニー、ドリーム・インキュベーター、ローランドベルガーなどが代表的な企業です。

欧米に拠点を置いて展開するグローバルファームが大半であり、プロジェクトのメンバーも様々な国からメンバーが集められることも珍しくないため、英語面接がある企業が多く、ビジネスでやり取りするだけの英語力は求められます。
また、ファームの知名度が高いこともあり、採用難易度は高いです。

コンサル未経験から採用されるには、経営企画でエースとして働いてきた、新規事業を立ち上げたなど、会社の中枢レベルで働いてきた人、海外MBA取得者でコンサルタントとしての論理的思考や抽象化能力がある人、医者や弁護士などの特別な知見がある人などのレベルでないと採用されるのは難しいと思います。

 

次に「総合系」とは、川上から川下まで一通りのコンサルティングサービスを提供しているファームです。戦略立案、IT化構想などの構想フェーズからM&A、PMI、業務改善、人事・組織、CRM、システム導入まで、幅広くサービスを提供しています。代表的な企業としては、会計系ファームのコンサル会社が多く、デロイトトーマツコンサルティング、KPMGコンサルティングPWCコンサルティング、EYアドバイザリー、アクセンチュア、ベイカレントなどの企業があります。

「戦略系」との違いは、経営・事業戦略に関する案件よりも、M&A、PMI、業務改善、人事・組織設計など個別のテーマに関するプロジェクトが多いです。もちろん、各社自社の知名度向上やフィーのアップを目的に、戦略部門を置いて、経営・事業課題に取り組んでいると唄っていますが、現実的には、戦略系の案件は、戦略系ファームが担っていることが多いです。(もちろん、そうした案件がない訳ではないすが、全体として少ないです)

採用の難易度については、会計系のファーム(デロイト、Pwc、KPMG、EY)はやや高めですが、これは正直、どの部署を受けるか次第かと思います。専門的なスキルが必要とされるM&Aファイナンス、人事・組織などは比較的採用基準が厳しいです。一方で、PMO(専門スキルを提供するというよりは、プロジェクトの管理・運営を担う事務局)案件が多い部署やシステムやソリューションパッケージの導入など成長分野であり、かつ人員も多く必要な部署では、比較的採用基準は甘い印象です。

また、英語力は、国内のプロジェクトに携わる限り、マストではないです。もちろん、ファームのバリューを保つために最低限のレベルは求められますが(TOEIC700点程度)、ビジネスで使いこなせる必要があるかというと、全くその必要はないです。

ただし、当たり前ですが、英語力があれば、クロスボーダー案件に関与できるなど仕事の幅は広がります。また、事業戦略の検討のために、海外事例を収集する場面はよくあるので、スピーキング、リスニングは置いておいたとしても、リーディングはできた方が良いです。

 

最後に「ITコンサル系」は、その名の通り、コンサルティングのスコープをIT領域に特化したサービスを展開しています。システム開発やパッケージシステムを持っている企業がコンサルティングサービスを手掛けるケースが多く、システム導入の上流工程として、IT構想、業務改善の洗い出しを行った上で、システムやパッケージ導入に繋げるという仕事のパターンが多いです。代表的な企業としては、SAP、NTTデータ日本オラクル、フーチャーアーキテクト、キャップジェミニなどがあります。

採用の難易度は、IT知識やスキルを有しているかなどが判断基準であり、「戦略系」「総合系」ほどのコンサルタントとしての論理性やビジネスセンスが問われている訳ではないです。実際、「ITコンサル」に入社した後に、ステップアップとして「総合系」ファームのテクノジー部門に転職するケースは多いです。

コンサルティング会社に入る前に知っておいておくべきこと

コンサルティング会社を選ぶにあたっては、どのコンサルティング会社を選ぶかも重要ですが、それ以上にどの部署を選ぶかも非常に重要です。
というのも、部署を間違えると、自分が伸ばしたいスキルにマッチしないプロジェクトに従事することになってしまったり、思い描いたコンサルタント像とは違う仕事をすることになってしまうからです。

さきほども述べたように、コンサルティング会社の部署は大きく「コンピテンシー」と「インダストリー」に大別されます。あなたが業種関係なく、特定領域の専門家になりたいのであれば、「コンピテンシー」を選択するべきです。

例えば、M&A、PMI、人事・組織、ファイナンスCRMマーケティング、テクノロジーなどで専門家としてやっていきたいのであれば、コンピテンシーの部署に属することで、業種問わずプロジェクトにアサインされ、経験を積むことができます。また、上司や同僚も同じように専門家であるので、同じ部署内での学びも得られる点もメリットです。

一方でデメリットとしては、クライアントが変わるので、顧客とのリレーションを深める点ではインダストリーよりも不向きではあります。特に、マネージャー以上になると、デリバリー(コンサルティングサービスをどれだけ提供したか)だけでなく、セールス(売上獲得にどれだけ貢献したか)も評価対象となるので、この点は認識しておいた方が良いです。

また、一部のコンピテンシーは業務の案件の特性上、非常にハードワークになりやすいです。特に、M&Aは候補企業の洗い出し、デューデリジェンスなど、期日が決まった中で、非常にセンシティブな案件を担うことになるので、時間的にも精神的にも厳しいプロジェクトが多いことは理解して頂いた方が良いです。
(とはいえ、M&Aに携わっている方なら、百も承知だと思いますが・・・)

 

「インダストリー」は、様々な案件を担当する代わりに、特定の業種を担当する部署です。業界の切り方は会社によって異なりますが、「自動車」「金融」「消費財」「エネルギー関連」「医療/ヘルスケア」「運輸・交通」「エンジニアリング・インフラ産業」「メディア・エンターテイメント」「パブリック」などあらゆる業界をカバーしています。

特定の業界について知見を持てること、様々な案件に携われるので、様々な経営課題に総合的に対処できる経験を積むことができることが強みです。一方で、プロジェクトの体制次第ではありますが、専門性が高いプロジェクトの場合、コアな部分の提案や実務は「コンピテンシー」のコンサルタントが行い、インダストリー側のコンサルタントはプロジェクトの管理がメインになるケースも多いです。

例えば、M&Aに関わりたいと思っていても、買収先企業の選定、デューデリジェンスM&A側のコンサルタントが行い、インダストリー側は予定通りにプロジェクトが進んでいるか?やプロジェクトの課題・リスクはないかを洗い出すPM的な役割になってしまうこともよくあります。

インダストリーのコンサルタントの抱える不満の1つはPMのスキルは身についても専門的スキルが身につかないことかと思います。その場合、インダストリーで自分が伸ばしたい領域の仕事を経験した後に、コンピテンシーに代わるという手もあります。実際、事業会社出身者は、最初は業界知識を持っているインダストリーに入社し、数年後に経験を積んでコンピテンシーに代わる人も一定数います。
(なお、コンピテンシーに異動できるかどうかは、異動する部署の人気度や求める基準にもよりますが、割と可能です。ただし、そのために、事前に受け入れ先の部署と接点を作っておき、良い評価をしてもらうなどの努力は必要です)

 

また、インダストリーで入社する際の留意点として、エージェントや面接の場を通して、事前にどのような案件が多いのかを確認しておくべきです。インダストリーは様々なコンピテンシーが要求される案件に携われることが魅力と書きましたが、業界によっては特定の案件の比率が高いというケースもあります。

例えばですが、金融業界は規制緩和の影響で銀行や保険会社が統廃合を繰りかえしており、複雑化した業務システムの統合や刷新が大きなテーマになっています。また、業務の性質上、非常に堅牢なシステムが求められることもあり、長い期間をかけて業務要件定義からシステムリリースまでプロジェクトが続くことも珍しくありません。そうした業界においては、システム案件が多かったり、特定のプロジェクトへのアサインが長くなるケースもあります。

せっかく、コンサルティング会社で様々な経験を積むことができると思ったものの、このような場合、自身が望んだキャリアを積むことができなくなることもあります。
この辺りの情報は、外部ではコンサルティング業界に詳しい転職エージェントが一番情報を持っていますので、インダストリーに入社を考えている方は、ぜひ、どのような案件が多いのかはきちんと確認するようにして下さい。

 

 

以上、コンサルティング会社に入社する前に知っておいて頂きたいことを説明してきました。
コンサルティング会社という聞こえの良さや花形のイメージにつられて、転職を考える人が多いですが、当たり前ながら、きちんと業務内容を確認して、自分の望むキャリアを築けそうかしっかり精査することが大事です。ネームバリューに惹かれるだけで転職しても、実際の経験が伴っていなければ、そこでの経験は無駄になってしまいます。そして、なにより、自分自身がやりたいこととは違うことに従事することになるので、単純につらいです。

ぜひ、そうした不幸な転職を避けるためにも、転職エージェントなどを通じて、情報を
収集して頂きたいと思います。

出世する人としない人の3つの違い

"会社でイマイチ評価されずフラストレーションを抱えている"
"評価されて昇進したいけれども、いきずまりを感じている"
と悩んでいる人はいらっしゃるかと思います。

どうすれば、社内で評価され、出世できるのか?出世する人・しない人では何が違うのか?
この記事では、よく語られているような出世する人は「ポジティブ」「積極的である」「根回しが上手い」「報連相をする」など一般的によく語られている出世する人の特徴を書くようなことはしません。

なぜなら、それらはすべて表層的なことであり、これを知ったからと言って、明日から読者の行動が変わることはないからです。出世する・しない人の本質的な仕事の仕方の違いやマインドの持ち方を説明することで、読者の方が対処療法ではなく、根本的な解決策を取れるようになることを目指したいと思います。
また、この違いを知ることは、仕事に取り組む上で、ビジネスパーソンが大切にすべきことを知ることにも繋がると思います。

 

 



そもそもなぜ出世する必要があるのか?

この記事を読まれている方は、出世したいと思っている方が多いかもしれませんが、そもそも、なぜ、出世する必要があるのでしょうか?
新入社員へのアンケートでは、“出世したくない”“周囲と楽しく仕事ができれば良い”“自分の好きな仕事をやれれば十分”と考える人が増えているというデータもあります。
出世するというと、“管理するのが仕事になって現場の仕事ができず楽しくなさそう“”権力争いなどの政治的な駆け引きに時間を割いていそう“”責任やプレッシャーばかりが大きく楽しんで仕事をできなさそう“などネガティブなイメージが影響しているのかもしれません。

それでも、私は、出世をするということはビジネスパーソンとして成長する上で、非常に良い影響があると考えています。
具体的には、「出世する過程を通じて自分の仕事の仕方を見つめ直して改善するという癖が身につくこと」、「裁量が広がりより責任を持って仕事をするという経験が個人の成長に繋がること」、「人の上に立って仕事をすることで、より高い視座でビジネスを捉えられるようになること」が大きいと思っています。

出世しない人が見ている風景と出世した人が見ている風景ではその視座の高さに大きな違いがあり、プレッシャーも大きい分、必死で考えることも増え、成長につながります。人の上に立つことを目指さない風潮が強まっていますが、この記事を読まれている方は、出世するとは、自己の成長に繋がる機会であると捉えていただくことが後々のあなたのキャリアにプラスになることは間違いないです。

 

出世する人・出世しない人の違い

では、出世する人としない人の違いは何でしょうか?
長年、コンサルティング会社で働く中で気づいたのは、仕事への取り組む姿勢で3つ大きな違いがあるということです。そして、この3つの要素を持っている人といない人では数年後のビジネスパーソンの成長にとって雲泥の差となって表れてきますので、ぜひ、自分に足りていないという人は意識して頂きたいと思います。

 

①『出世する人』仕事を自分の責任で最後までやりきる / 
『出世しない人』心のどこかで最終的には上司や誰かがやってくれるだろうと思っている

出世する・しないの最初の分岐点は、上司に「この仕事は最後まで自分にやらせて下さい」と言える覚悟を持っているかどうかです。
仕事は進めているものの、どこかで、「最後は上司がこの仕事を引き取ってくれるだろう」という甘えがある人は、本人が思っている以上に、周囲にすぐに見破られてしまいます。

なぜなら、最後まで自分が責任を持って仕事を引き受けている人は、そうでない人に比べて、仕事に対する真剣度が違うので、非常に深く、緻密に考え・行動するようになるからです。

また、出世できない(あるいは出世したくない)人は、共通して、「仕事で大きな責任を負ってプレッシャーがかかる状況を避けたい」と思っている人が非常に多いです。当然ながら、そうした甘えがある人に、上司は重要な仕事を任せることはできませんし、重要な仕事を経験する機会がないので、出世しないというスパイラルに入るケースが非常に多いです。

1点だけ勘違いして頂きたくないのは、「自分の責任で仕事を全うする」とは上司など誰にも相談・報告せず一人で仕事をこなす」ことを意味している訳ではありません。
むしろ、最終的な結果を出すために、他の人の意見や知見を借りる必要がある時は借りる必要があります。要は、最終的に成果を上げられるために、周囲を巻き込みながら、自分で責任を持って仕事をやり遂げることが大事ということです。

②『出世する人』自分よりも1つ上役職の仕事を積極的に果たそうとする / 『出世しない人』自分の今の役職の仕事しか果たそうとしない

そもそも昇進するには、「自分の役職の仕事を問題なくこなせている」ことと、「1つ上の役職の仕事をこなせる、あるいは、最初は上位者の補助が必要かもしれないが、今後こなせる見込みがある」という2つの条件を満たした場合に昇進することになります。

これは考えてみれば当然のことですよね。1つ上の役職でも業務遂行上問題ないという見込みがなければ会社として昇進させられる訳がありません。
また、評価される人材になるためには、常に評価者の期待値を超える必要があり、今の役職の仕事をこなすだけでは期待値は超えられません。1つ上の役職の役割を果たすことで、期待値を超え、評価も非常に高まります。

ところが、多くの人は、現在の自分の役職の職務をこなすことにしか目が向いておらず、1つ上の役職で求められていることが何なのかすら知らないことが多いです。また、上位者の仕事を振られた時に、“これは本当は上司がやるべき仕事なのに・・・”と不満をこぼす人も珍しくありません。

これでは、昇進することも、評価されるにも時間が非常にかかることになります。ぜひ、あなたの1つ上の役職のロールを把握し、それをこなせるようになるために、何をする必要があるのか?という視点で仕事に取り組んでいただきたいと思います。

 

とはいえ、出世する人の行動を実践するのが難しいという人に向けて

ここまで、出世する人、しない人の違いを2つ説明してきました。
とはいいながら、なかなか上述のことを実践するのが難しいのはよくわかります。誰だって、プレッシャーは嫌ですし、自分で責任を取るには嫌です。
また、人は自分ができる仕事のみに取り組んだ方が、安心できるので、敢えて1つ上の役職の仕事をこなす気にならないのも理解できます。

おそらく、ここで「責任を持って最後まで仕事をやり遂げなさい」「1つ上の役職者の仕事を積極的にこなしなさい」というのは簡単ですが、おそらくそれで実践できる人は限られると思います。もし、そんな言葉だけでやれているのなら、もう既に実践していると思います。

大切なことは、「失敗を避けたい」「責任を負いたくない」「自分のできる範囲のことをやりたい」という人間なら誰しも抱く気持ちに打ち勝つほどの、「自分がこの仕事をやり遂げたい」「この仕事で相手に価値あることを届けたい」という強いモチベーションを獲得するにはどうしたら良いか?ということです。
そう悩む人は、ぜひ、出世する人の以下の行動や考え方を真似て頂きたいです。 

 

③『出世する人』自分がなりたい姿や目指す方向性が明確 / 『出世しない人』自分のなりたい姿や目指したい方向性があいまい/考えたことがない

これまでの私自身の経験や過去に部下のキャリア相談に乗っていて確実に言えることがあります。それは、人が成長する原動力は、現状、自分ができていないことに目を向けて改善しようとするよりも、自分がなりたい姿や目指したい姿を置いて、それに向けて努力する人の方が圧倒的達成する確率が高いということです。

どうしても人は自分が今できていないことに目を向けがちです。特に、まじめな人ほど、自分の至っていない点を直してから、なりたい姿を想像し、努力すべきだと思っている人も多くいます。

でも、それは大抵のケースで失敗します。なぜなら、人は放っておくと、常に“安全で”“安心できて”“変化しなくても済む”ことの方が居心地が良いからです。この強力な現状維持を志向する力を阻止するには、逆方向のなりたい姿を思い描くことに振り切る必要があるのです。しかも、それが思いっきり遠くの心の底から願う強い憧れであればあるほど、振り切ることができます。

一番良いのは、今の職場で目指したい人がいれば、その人が実践していることや行動・仕事への向き合い方を真似することです。
でも、もし、今の職場になりたい人がいなければ、面識がない著名人でも構いません。その場合は、その人の働く姿を直に見れる訳ではないので、本や映像などでその人が語っている言葉を繰り返し見て、口に出したり、書くことで胸に刻み、その人自身にあなたが憑依するのが良いです。

私もコンサルタントになりたてのころ、上司からのレビューが非常に厳しく、心が折れかけたことがありました。自分ではコンサルタントは務まらないのではないか?そんな不安が毎日のように脳裏によぎり、自信を持てなくなり、仕事への積極性がなくなってしまった時期がありました。

そんな時に、厳しいレビューをしてきた上司から言われたことで記憶に残っているのは、“今自分ができていないことに目を向けるのは大事だが、自分がなりたいコンサルタント像を強く思い描け”という言葉でした。

その言葉をきかっけに、尊敬する岩瀬大輔さん(元BCGのコンサルタントで、ライフネット生命の創業者)の本やインタビューを全て読み、考え方や振る舞いをなりきる真似をすることで、自分の思い描く理想像を心の中に強く描くことで、目標が生まれ、自分の課題と向き合うことができました。

もし、あなたも、目指す人が見つかったら、その人と比べて自分に足りていないことを書き出し、それを解決するためにどうアクションするのかを上司に宣言しましょう。
上司に宣言することで、自分自身がやらざる負えない状況を強制的に作り出すことで大切です。
自分の胸の内にしまっておくだけでは、必ず、実践しないまま終わってしまいます。かといって、親しい友人とかでもダメです。普段の自分の仕事振りを直接確認することができ、緊張感を感じれる人に対して宣言することが大事です。

そして、定期的に、自分の行動が改善されているか?目標達成に向けて改善すべき点はないかを上司からフィードバックしてもらって下さい。フィードバックされるという緊張感は必ず、目標実現に向けて、あなたの背中を押してくれることは間違いありません。

 

以上、出世する人としない人の違いについて説明してきました。
ここまでお読みいただいた方なら、出世するという過程で必要になる上記3つのことは、ビジネスパーソンとして成長することに繋がることはご理解いただけたのではないでしょうか。

冒頭でも書きましたが、この記事では、出世する人に必要な要素としてよく語られがちな、「積極的である」「上司への報告が上手」「部下をやる気にできる」などについては一切触れませんでした。なぜなら、「なりたい自分をイメージ」し、「1つ上の役職の役割」を「最後まで自分の責任でもってやり遂げようとする」という姿勢が身に付けば、それらは自然とできてくるものだからです。

ぜひ、この記事で挙げた点を意識して、ビジネスパーソンとして成長し、出世することで、責任と裁量を持って、高い視座で仕事をしていただきたいと思います。

【コンサル志望者向け】コンサルタントに向いていない人の5つの条件

コンサルティング会社に入って、“事業戦略の立案に携わりたい“、”グローバルな案件に携わって、国際的に活躍できる人材になりたい“、”スキルを身に着けて、よりハイクラスな転職をしたい“、”キャリアに箔をつけたい“などコンサルティング業界を志望する理由は様々なかと思います。


一方で、“ハイレベルな人が集まるコンサルティング会社に行って、通用するだろうか?“、“厳しい環境でやっていけるだろうか?”といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

実際、私自身、コンサルティング会社で働く中で、“こういう人はコンサルティング会社には向いていない“という人に何人も会ってきました。
コンサルティング会社がスキルを磨く上で非常に良い環境であることは事実であるものの、適性がない人が入ってしまうと、単に苦痛で評価されずに終わり、結果として非常に短い期間で退社するケースが多いです。

この記事を読まれている方には、不幸なキャリアを築いていただきたくはありませんので、私が業界にいて感じたコンサルティング会社に向いていない人の特徴を5つにまとめました。ぜひ、これからコンサルティング会社への転職を考えている方は、この5つにあなたご自身が当てはまっていないか確認して頂き、当てはまっていないことを確認して頂きたいと思います。

 

 

コンサルティング会社に向いていない人の特徴

私が考えるコンサルティング会社に向いていない人の特徴は全部で5つあります。
もちろん、この要素に当てはまるからと言って、コンサルティング業界でやっていけないという訳ではないです。ただ、私が見てきた限りで言うと、入社後に非常に苦労することが多いですので、現時点で当てはまっているという方は、入社後は上手くいかないことが多いことを覚悟して、コンサルティング会社に入って頂いた方が良いです。

  1. 地道な作業に耐えられない
  2. 文章が書けない、資料を作れない
  3. 打たれ弱い
  4. 長時間の知的労働に耐えられない
  5. 情報を自ら取っていく主体性がない

 

それでは、以下で、それぞれについて説明していきます。

 

1.地道な作業に耐えられない

コンサルティング会社の仕事はクライアントの事業戦略や企業の根幹を担う重要テーマに関するプロジェクトが多いのは確かなのですが、プロジェクトはマネージャーがリードするチームで対応することになります。そして、コンサル業界未経験者の場合、スタッフとして、プロジェクトに参画します。
スタッフの役割としては、会議の設定・案内、議事録の作成、デスクリサーチ、資料作成など地道な作業が主になります。また、重要な会議はマネージャークラスのみが出席し、スタッフは会議に参加することができないということもよくあります。

そのため、コンサルタントとしてクライアントの事業戦略に関与することをイメージしていた人では、実際の自分の役割とのギャップが大きく、“こんな仕事をするために、コンサルになった訳じゃない!”となるケースが非常に多いです。また、資料を作成する時は、マネージャーの指示の基に作ることが多いので、自分の裁量で自由に資料を作れないことも多く、フラストレーションを感じる人も多いです。


もちろん、ランクが上がって、マネージャーになれば、より重要な仕事を担い、クライアントにも発言できる機会が増えていくのは間違いないですが、入社したてでいきなりチャンスがある訳では決してありません。まずは、地道な作業をこなし、社内で認められてからそうした機会があるということは認識して頂きたいと思います。

2.文章が書けない、資料を作れない

これはハッキリいうと、結構、致命傷です。コンサルだけではなく、事業会社でより上位層レイヤーに近づくほど、きちんとした日本語で、読み手に伝わるように論理立てて資料を作る必要がありますが、残念ながら、ビジネスパーソンとしての基礎的な資質を疎かにして、コンサルティング会社に転職すると非常に苦労することになります。

口先では最もらしいことを言えるものの、実際に資料にすると形にできない人はコンサルティング会社では仕事が回ってこず、年中、アベル(仕事がなく、暇な状態を指すコンサルティング業界用語)ことになりかねません。

コンサルティング会社の仕事は、クライアントが直面する課題を解きほぐし、必要な情報を集めて検討し、結論を出すことであり、結論に至るまでの過程での資料がアウトプットとしてクライアントに納品するものになります。そうした納品物が言いたいことが簡潔に伝わらない日本語で、かつ論理構成もめちゃくちゃなものだったとしたら、当然クライアントからのクレームとなってしまいます。

そのため、「日本語が書けない、資料が作れない」ということは、納品物を作れないということと同義であり、クライアントからフィーをもらうだけの働きができていないということになってしまいます。

もちろん、コンサルティング会社に入ってから資料が作れるようになった人もいます、ただし、そういう人は、入社後に相当、マネージャーを始めとする上位者から指摘をされ、苦労して資料作成ができるようになっているので、転職してから割と苦労することになることは認識して頂きたいと思います。

 

3.打たれ弱い

コンサルティング会社が事業会社と異なる1つの特徴として、作成した資料を上位者がきちんとレビューするという点があります。コンサルティング会社の場合、作成した資料が納品物であり、フィーをもらっている以上、適当な資料をクライアントに提出する訳にはいきません。そのため、上位者(主にマネージャー)が細かい点まで含めてしっかりとレビューを行い、改善を繰りかえしていくこととなります。

 

資料の論理構成から始まり、キーメッセージの内容・表現、適切な言葉遣いや平仄、てにをは、図表の見せ方まで非常に厳しくレビューされます。そのため、コンサルティング未経験者の多くが、レビューで面食らってしまいます。そして、資料作りが得意でない人ほど、駄目出しをされることが多いため、次第に自分の仕事に自信がなくなって、萎縮してしまうケースが多いです。

 

上位者からの指摘はもちろん改善していく必要があるのですが、必要以上に委縮して、積極性がなくなっていくと益々、評価されにくくなるスパイラルにはまってしまうので、適度に気持ちを切り替えて、仕事に取り組む必要があります。そういう意味では、打たれ弱い、人から指摘されるのが嫌と言った人には、コンサルティング会社はあまり向いていないと言えるかと思います。

もちろん、人間なので、レビューで駄目だしされれば、気持ちが凹むのは当然です。(私も何度も凹むことがありました)でも、それを引きずらず、気持ちを切り替えて仕事を取り組める、打たれ強さが必要になります。

 

4.長時間の知的労働に耐えられる気力、体力がない

コンサルティング会社を志望する人は、“自分は考えることが好きだ”と思っている人が多いのですが、これまでの私の経験で言うと、実際に物事を考えるのが好きな人はその半分もいないという印象です。多くの人は考えるふりをすることや結果をプレゼンすることが好きな人が多く、考えるプロセスそのものが好きであったり、得意である人は実は少ないです。

というのも、“考える”という作業は、前提を疑い、目的から照らし合わせて何が課題で、どう解決するか?を考えることであり、非常に気力や体力、集中力を求められる作業です。特に、コンサルティング会社の仕事は、プロジェクトという期間が決まった中で、知力を絞って、塾考したアウトプットを出す必要があり、長時間思考し、仮説を検証するためにエビデンスを確かめるという作業をこなせることが必要になります。
そのため、単に、“戦略的なことをやりたい“と思っているだけですと、実際にそうした知的体力が求められるコンサルティング会社の現場で、ついていけない可能性があります。

もちろん、これは、コンサルティング会社に入ってすぐにできる人は少なく、徐々に慣れる人が多いので、必要以上に懸念する必要はないですが、コンサルティング会社で働く上でハードな一面であることは認識しておいて頂きたいと思います。

5.情報を自ら取る主体性がない

事業会社の場合、上司や会議等の場で、待っていても情報が降りてくることが多いですが、コンサルティング会社の場合は、必要な情報や知識は自ら能動的に取りに行く必要があります。必要な情報は自ら確認しに行くことはコンサルタントなら基本的な動作の1つであり、上位者もわざわざ情報をシェアしてくれるようなことはしてくれません(上位者にもよるかもしれませんが、“必要があるなら、自ら動く”が基本です)

 

クライアントの意図、上位者の意図を理解するために必要な情報を収集し、形にするまでがコンサルタントの仕事であるので、自ら必要な情報を取りに行かず、待っているだけの人は、考えるための材料が揃わないので、バリューのある仕事ができず、評価されません。

 

私の経験でいうと、事業会社出身でコンサルティング会社に転職してきた人は、上位者から情報が降りてくることに慣れており、自ら必要な情報を取りに行って、質の高いアウトプットを出せないケースを多く見てきました。

そうした人に話を聞くと「私はXXXについては知らないので、どうしようもなかった」「XXXについて知らないので、クライアントを満足させられる仕事ができなかった」と言う人が多いのですが、コンサルタントである限り、クライアントを満足させられるかが重要であり、その過程で必要な情報を集めるという姿勢が非常に大切です。

 

 

いかがだったでしょうか?今、現時点で、あてはまっていたとしても、もちろん、入社後に、コンサルタントとしての仕事の仕方に慣れ、徐々にできるようになるケースもありますので、当てはまっているからと言ってあまり悲観する必要はないです。

ただし、入社後にコンサルタントとしてやっていくためには、改善する努力が必要になることは理解して頂いた上で転職を考えていただきたいと思います。また、改善することは自分には難しそうだと思われる方は、コンサルティング会社に転職するという道は選ばない方が賢明かと思います。

あるいは、自分自身では判断できないので、他の人から客観的な判断をしてもらいたいという場合には、コンサルティング会社に強いエージェントに相談することも考えられます。

コンサルティングファーム出身の人も多くいますので、入社前に、あなたがコンサルタントに向いているかどうかをアドバイスしてもらうのは非常に有益かと思います。
あなたの過去の経験をベースに相談することで、コンサルティング会社でもやっていくことができるか否かは判断できるはずです。
ぜひ、転職エージェントの方のアドバイスも参考にコンサルティング会社への転職を見極めていただきたいと思います。

【コンサル志望者向け】面接で評価される話し方

コンサルティング会社への転職を考えている方にとって、最も気になることの1つが、面接対策をどのようにしたらよいかということではないでしょうか。私自身も、面接にあたっては、ありきたりと思われない志望動機を考えたり、ケース面接の対策をしました。

ですが、コンサルティング会社に入って、実際に私自身が面接する立場になって分かったことは、入社前に私がやっていた対策はいずれも重要ではなく、全く異なる評価軸で応募者を評価しているということでした。

また、巷のWEBサイトでは、「結論から話す」「簡潔に話す」「ロジカルに、整理して話す」などが重要なポイントとして語られているのを目にしますが、コンサルティング会社の面接官は、そのような表層的なテクニックを見ている訳では決してありません。

この記事を通して、コンサルティング会社の面接ではどのような点を評価しているのか?具体的にどのような対策を取ればよいのかを説明したいと思います。これからコンサルティング会社への転職を考えていらっしゃる方に参考になるのはもちろん、ビジネスマンとして成長したいと考えている方にも有益な情報になると思っています。

 

  

コンサルティング会社が求める人材とは

面接対策をするには、そもそもコンサルティング会社はどのような人材を求めているのか?を理解することから始めたいと思います。
コンサルティング会社の業務とは、「クライアントの経営課題を特定し、解決へのステップを立て、実行する」ことです。
そのため、コンサルタントには、以下の要件が求められます。


①仕事へのコミットメント・イニシアティブ


まず、課題を解決するために、自ら主体的にアクションし、最後までやり遂げる力が求められます。事業会社の仕事では、上司の指示や組織として提携の職務が決まっているケースが往々にしてありますが、コンサルタントの仕事はこうした定型業務とは異なり、プロジェクト型の非定型業務が全てです。

そうした仕事においては、決まった仕事がある訳ではなく、自ら課題を見つけ、解決するためにアクションを取るアクティブさが求められます。その意味において、仕事を最後までやり遂げるコミットメント力や自ら率先して課題を解決するイニシアティブがあることは必須の要件になります。

 

②思考力(論理的思考力、抽象化能力)

ビジネスである以上、説明責任は非常に重要な要素であり、クライアントを納得させられるだけの論理的思考力は必要になります。論理的思考力というと、漠然とし過ぎていますが、要は、“考慮すべき要素を抜け漏れなく整理し、比較検討を踏まえて、結論と理由をなるべくシンプルに説明できる“ということが求められます。

また、抽象化能力も非常に重要な能力の1つです。コンサルタントは必ずしも自分が良く知っている業界だけを仕事にするとは限らず、往々にしてクライアントの方が業務知識は豊富に持っていることが多いです。知識量では劣っていてもバリューを出すためには「一を知って十を知る」思考の深さが重要であり、自分自身の経験や他業種、他クライアントでの事例をインプットに、物事の一般的な法則を大局的に捉え、本質を捉える力が求められます。

例えば、ある業務のプロセスを効率化したい場合、抽象化能力がないと、個々の業務で無駄と思われている業務をなくすなど、日常業務で思いつきやすい課題に目を奪われがちですが、他の事例から一般法則を学んでいれば、業務効率化には
「Cut(無駄なプロセスをなくす)」
「Convert(業務をアウトソーシングする/派遣社員に依頼するなど移管する)」「Combine(1つの業務を専門的に行う部署や人を入れることで効率化する)」「Create(定型業務が効率化されているかチェックする機能を設けるなど効率化のための新たな業務を作る)」
の4つの手段があることが思いつきます。

そして、「業務の無駄をなくす」という選択肢は上記の4つの「Cut」に当たり、他の手段と比べて、費用対効果のある手段なのかを吟味することが可能となります。 

 

③対人能力(コミュニケーション能力、関係構築力)

この能力はコンサルタントに限らず、ビジネスマンなら全員必要な能力ですので、言わずもがなと思います。あえて補足するとすると、コンサルタントはクライアントが発する言葉の真意を探り、真の課題を引き出すことが求められます。クライアント自身も漠然と問題と思っているが、本当の課題に気付いていないケースは多く、傾聴力や適切な問いかけにより、課題を引き出すことが必要になる場面は多いです。その意味でコミュニケーション能力は必須の能力と言えます。

また、関係構築力も同様に重要になります。正論を単にぶつけるだけでなく、クライアントの担当者の置かれている立場や状況を察し、求められている答えを出すことが重要になります。また、相談しやすく、期待に応える成果を出すためにアクションしてくれる人であることも期待されています。

 

面接での評価される話し方は? 

ここまでご覧いただいて、コンサルタントは、単に地頭の良さや論理的思考力だけを求められている訳ではないことはご理解頂けたかと思います。
転職での面接においては、上記で挙げた能力を持っているか?あるいは、現時点では課題はあるが、今後成長の見込みがあるか?などの点を評価することになります。

コンサルティング会社の1つの大きな特徴として、「本人の意思や意気込み」はさほど重視せず、「過去の客観的な行動や実績の事実」に基づいて上記能力があるかを評価することが挙げられます。
具体的な事実が確認できない「積極的にチャレンジしました」「率先して仕事をリードした」といったような意気込みは重視しておらず、「XXXという課題を解決するために、営業部・マーケティング部が一体となって、XXXという施策を行い、結果として●%の売上UPを達成することができました」のように、問題を解決するために、どのようなアクションを取り、その成果が何だったのかを面接官に説明する必要があります。

実際、コンサルティング会社の面接官も面接前に、客観的な行動事実を抑えるよう、ロールプレイング式の研修を受けていますので、面接での受け答えとして、客観的事実を基に説明できれば、他の候補者に比べて差をつけることはできます。

また、ファームによるところもありますが、多くのファームでは志望動機はさほど重視していません。自社製品やサービスへの愛着が重要な事業会社と異なり、コンサルティング会社は、自社が事業を行っている訳ではなく、クライアントのビジネスをサポートする役割であることや動機よりも必要な資質を持っていることがクライアントにサービス提供する上で重要であるからです。

 

これから面接を受けられる方は、ぜひ、上記で挙げた①~③について、具体的な過去のご自身の行動として語れる事実を整理されることをお勧めします。

 

面接対策に不安のある人は転職エージェントを活用

一旦、自身の経験を棚卸し、①~③に回答できるよう整理しても、コンサルティング会社の面接を通過できるか不安という方もいらっしゃるかもしれません。そうした方には、転職エージェントに相談して、添削してもらうのも1つだと思います。

ただし、転職エージェントはなるべくコンサルティング会社に精通した人に依頼すべきだと思います。これまで書いたように、コンサルティング会社の採用基準は他の会社とは異なる独特なものですので、事業会社のノリで志望動機やモチベーション面をアピールしても空振りに終わってしまいます。

コンサルタントとして求められる能力をきちんと理解した上で、その能力を持っている、あるいは今後持てるポテンシャルがあることをアピールする必要がありますので、そのことをきちんと理解しているエージェントの担当者を見つけることが大切です。

出産した後も育児と仕事を両立するための方法

結婚して、出産した後も仕事を続けたいと思っている女性にとって、出産後に働きやすい職場か?育児と仕事を両立させられるか?は重要なポイントになります。
一般的に、子供1人を育てるには、幼稚園~大学まで国公立に通ったとしても、3000万円ほど必要であり、かつ自分自身の老後のお金も準備するとなると、共働きにならざるを得ない家庭が多いです。また、出産後もやりがいのある仕事を持ちたい、社会と繋がりを持っていたいと考える人も多いかと思います。
そうした人にとって、出産後も安心して働ける会社に勤めたいと思うのは当然のことです。

 

ただ、残念ながら、日本の全ての企業が出産後も働きやすい会社とは言い難いのが現状です。育児と仕事を両立しようと思っても、身体がきつく辞めざるを得なかった人や、希望とは異なる部署に配属され、不本意な働き方をしている人は多いです。たとえ、出産後も会社で働けたとしても、自分がやりたい仕事とは異なる部署で働くのは辛いことです。

この記事では、将来的に、育児をしながら仕事を続けたいと思っている人が、満足いくキャリアを築くためにどうすれば良いのかを紹介します。

 

 

出産後も満足いくキャリアを築くために重要なこと

 

出産前に専門性を身につける

結婚、出産、育児というライフイベントを経ても、自分がやりたい仕事で働きたいと思う人にとって、出産前に専門性を身につけることが重要です。
なぜなら、育児をしながら働く中で、新しく専門性を身に着けることは相当大変なだからです。
仮に、保育園や幼稚園などに預けていたとしても、夕方には迎えにいく必要があるので、時短勤務にならざるを得ないですし、子供が体調不良になった時には、迎えに行く必要があります。そうした中で、新たに専門性を身に着けるには、体力的にも、精神的にも厳しく、無理が生じてしまう可能性が高いです。

また、出産前に専門性を身につけておけば、自社に戻るにせよ、転職して他の企業に行くにしても、職場復帰しやすいです。あるいは、営業職で売上記録を作ったなど具体的な実績があれば受け入れられやすくなります。子育てをしながら働くということは、限られた時間の中で成果を挙げることが求められますが、出産前に専門知識・スキルを習得しておけば、そのスキルを活かして成果を挙げることができます。

 
もし、あなたが今、現時点で、特に強みとなる専門知識やスキルがないと自覚しているようでしたら、ぜひ、早めに専門性を身に着けて下さい。
どのスキルを身に着けたら良いかは、あなたのこれまでの経験によりますが、以下のようなスキルは市場のニーズもあり、希少性もあるのでお薦めです。

 

専門性を身に着けられる仕事10選 

<IT系>

1.プログラマー

プログラム言語を用いてプログラムを組み、システムやソフトウェアをつくる仕事です。プログラミング言語を覚えれば、誰でも仕事をできるので、手に職をつけやすい仕事といえます。プログラミングを覚えるのが無理と思った方は、独学でなくて、スクールに通うという手もあります。最近では、質問し放題のスクールもあるので、あなたの理解度に合わせて、プログラムを学ぶことができます。
また、プログラミングの知識があれば、プログラマーでなくても、普段の仕事を自動化できたり、ウェブサービスへの理解が深まるので、本業にもプラスになります。

2.システムエンジニア

ソフトウェア開発において、プログラムの設計書ともいえる仕様書も作ったリ、開発プロジェクトや開発チームの管理などを行う仕事です。
システムエンジニアが作成した仕様書に基づいて、プログラマーが実際にプログラミングをしていきます。特に、最近では、経済産業省が“2025年の壁”として、多くの企業で、これまで使っていたシステムを刷新する必要があると言っており、システム刷新のニーズは高いものの、人材が足りていないのが現状です。

システムエンジニアというと、忙しいというイメージを持つ人もいると思いますが、最近では、会社によりますが、個人のライフスタイルに合わせた仕事を割り振るようになっており、出産後も働ける仕事になっています。

 

3.データサイエンティスト

データサイエンティストは、Harvard Business Reviewで「21世紀で最もセクシーな職業」と称されるほど、最近、注目されている職業です。ウェブサービスやIoTなどが普及し、企業が取得できるデータは飛躍的に増えていますが、データサイエンティストは、そうしたデータを分析し、ビジネスに活用できる知見を引き出す仕事です。

統計学やデータ分析に関する知識、解析するツールなどに習熟する必要がありますが、どの企業においても必要とされておりニーズは高いものの、スキルを持った人が少ないため、今後も安定して働くことができる職業といえます。

また、データ分析の仕事は、スキルさえあれば、場所を選ばずに働くことができる点も強みです。在宅ワークもしやすいので、育児をしている人でも続けやすい仕事といえます。

 

<デザイン系>

4.ウェブデザイン/プロダクトデザイナー/空間デザイナー

ウェブデザイナーは、ウェブサイトのレイアウトやカラー、ロゴ、バナーなどを制作して、ブランドイメージに合ったユーザーに使いやすいサイトを作成します。
プロダクトデザイナーは、食器や文房具などの生活用品や家電製品、家具・インテリア、事務用機器など様々な“モノ”をデザインする仕事です。

空間デザイナーは、店舗、ホテル、美術館、公共施設など、さまざまな場所の空間、ディスプレイ、イベントブースをデザインします。
これら、デザイナー系の職種は、専門的な知識、経験が求められるため、手に職のある仕事として、職場復帰しやすく、また、在宅でも仕事ができるので、育児と両立しやすすい仕事です。

 

5.インテリアコーディネーター

住宅や店舗、オフィス、公共施設などのインテリアを、依頼主からのオーダーに応じてアドバイスする仕事です。
依頼主からのヒアリングをもとに、内装の壁紙や家具、照明、小物などを組み合わせ、依頼主の要望に合った居住空間をアドバイスします。

住宅メーカー、リフォーム会社、家具販売店(デパート、ホームセンター、インテリアショップ)、設計・デザイン事務所などに勤務することが多いです。
インテリアコーディネーターになるには、「インテリアコーディネーター」の資格を取得しておくことがお薦めです。合格率は20%程度ですので、資格取得のために時間を確保する必要があります。

 

<プロジェクトマネジメント>

6.プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーとは、会社におけるプロジェクト全体管理する仕事です。プロジェクトの予算や費用の消化の状況、スケジュール、人員管理、課題・リスク管理など、プロジェクトが円滑に進むために、必要な管理をする仕事になります。

システム開発、商品企画、業務改善など、ありとあらゆるプロジェクトが世の中にはありますが、それらプロジェクトを管理するスキルの需要は高い一方で、プロジェクトを管理できる人は少ないため、出産後に職場復帰しやすい職種といえます。 

 

<金融・企業経営系>

7.ファイナンシャルプランナー

個人の収支や保有資産などから、資産運用やマイホーム購入、相続、保険加入などのアドバイスをする仕事です。ファイナンシャルプランナー事務所、銀行、信用金庫、証券会社、保険会社、投資顧問会社、不動産会社で営業や経理で働くことが多いです。

ファイナンシャルプランナーとして実務で生かすには、「FP技能士」の2級以上に合格することが求められます。2級は30~40%程度の合格率ですので、きちんと勉強すれば、合格することは可能といえます。

ファイナンシャルプランナーは金銭面から顧客のライフプランを支えるだけに、幅広い職場でスキルを生かすことができます。また、知識、経験を生かして、独立して働くことも可能ですので、育児と両立しながら働きたいと思っている人は身に着けておいて損はないスキルです。

 

8.中小企業診断士

中小企業のクライアントに対し経営相談にのったり、課題解決のサポートを行う仕事です。企業に勤めて経営診断を行う人が7割、フリーランスとして企業とコンサルタント契約を結び、経営診断する人が3割程度です。信頼や人脈があれば、独立して働くことが可能な仕事と言えます。

中小企業診断士は、幅広い知識が求められ、合格率は4%と決して簡単に取得できる資格ではありませんが、その分、企業経営に必要な知識が習得でき、会社に勤務するとしても、経営目線で物事を捉えられるメリットがあります。また、独立してコンサルタントとして働くこともできますので、育児と両立しながら、自分のペースで働くことができる職種です。

 

<人事・事務系>

9.社会保険労務士

社会保険に関する書類の作成、申請、給付などの事務手続き、労務に関するコンサルティング、給与計算などを行う仕事です。
社会保険労務士事務所や企業の総務部、人事部に勤めるケースが多いです。企業に勤めた場合、この資格があることで、社会保険労務士事務所に委託するコストを削減できるため重宝されることになります。総務・人事系の部署でキャリアを築くつもりでしたら、社会保険労務士の資格は非常に大きな武器になります。

また、人事・総務系の部署は、営業などと異なり、お客様を相手にしている訳ではないので、時短勤務やフレックスで働きやすいというメリットもあります。

 

10.貿易事務

メーカーや商社などに勤務し、海外から物品を輸入する、あるいは、日本から物品を輸出する際の事務手続きを行う仕事です。
輸入業務は輸入元から送られてきた請求書(インボイス)に基づき、通関手配、関税処理、納入商品の保管の手配をします。

また、輸出業務は通関書類を作成して通関手配をしたり、インボイスを作成して送付するなどの業務を行います。通関書類や船積手配の書類などは通常の事務仕事とは異なり、専門知識や申請が煩雑だったりするため、専門スキルを身に着けられる事務職と言えます。海外とやり取りをするので、語学力が必要となりますが、代替えされにくい希少性のある経験・知識ですので、出産後の職場復帰もしやすいと言えます。

 

以上、専門性を身に着けられる仕事を紹介しました。
もちろん、これ以外にも専門性を身に着けられる仕事はありますので、ご自身の経験や関心に合わせて、どの道でスペシャリストになるか考えてみて下さい。

 

女性の働きやすさが整った企業に勤める

専門性や実績があることに加えて、出産後の女性が働きやすい環境が整っていることも大切です。時短勤務や在宅勤務、急に子供が体調を崩したとしても休暇が取得できるなど、育児をサポートする職場でないと、どれだけ専門スキルがあっても、働き続けることはできません。

ただ、こう書くと、“福利厚生が手厚い会社に勤めれば良い”と思う人もいますが、それは少し違います。というのも、制度はあるものの、実際にはほとんど活用されていなかったり、職場の雰囲気として、育児に理解がない所だと、いくら手厚い制度があっても、全く意味がありません。
出産後に働き続けられるために、現在の勤務先や転職を考えている会社が以下の条件に当てはまっているか?をチェックしてみて下さい。

女性が働きやすい職場かチェックするための7つの条件

<育休取得期間>

1.育休取得期間はどれぐらいか?

⇒1年ぐらいの会社が多いですが、大手企業では3年という所もあります。3年だから良いという訳ではありませんが、幼稚園に入園させるまでは育休期間があるので、保育園を探さなくてもよいというメリットもあります。

 

<子育て女性の活躍度・キャリアパス

2.子育て女性の比率は高いか?
3.管理職における子育て女性の比率は高いか?
4.職場復帰した人のキャリアパス

⇒上記の点を通じて、子育て女性が会社でどれぐらい働いているのか?会社のキャリアパスが用意されているのか?などを知ることができます。
また、職場復帰した人のキャリアパスを確認することで、希望の職種で経験を積めるのかを確認することもできます。日本企業では、出産後は比較的、時間の制約がないバックオフィス系に配属されるケースが多く、もし、あなたがフロント系の職種でキャリアを築きたいのであれば、それが実現できる会社を探した方がよいです。

<勤務体系の柔軟性>

5.フレックス勤務や在宅勤務可能か
6.休暇は取得しやすいか
7.平均残業時間は短いか

⇒子育てでは、「子供が急に熱を出した」「体調が悪いので保育園に迎えに行かないといけない」などはよくあることです。その時に、フレックス勤務や在宅勤務、休暇が取得しやすいといざ何かあった時に対応できます。

また、残業時間が長い激務の職場は子供が小さいうちは、両立させるには、体力、精神的に相当辛いかと思います。できれば、残業時間が適度な会社の方が働きやすいと言えます。

 

専門性を身につけられ、働きやすい会社を探してみよう

実際に、ここで述べたような条件に当てはまる会社がどれぐらいあるか調べるために、転職サイトで調べてみることをお薦めします。
転職サイトでは「あなたが希望する職種」や「女性が活躍しているか」「フレックス勤務」「在宅勤務」「残業時間」などの項目で、求人を検索することができます。
希望する職種で、育児と仕事を両立するためには、どのようなスキルが求められているのか?年収はどれぐらいかを具体的に知ることで、将来のキャリアが具体的にイメージしやすくなります。

また、希望する求人条件を登録すると、新規案件が公開された度に、メールで案内してくれる機能もあります。こうした機能を使うことで、興味ある案件を見過ごすことが少なくなりますし、自分のキャリアについて考える機会にもなります。
加えて、転職のノウハウとして、「年代別の転職のポイント」「転職のタイミング」などのコラムもありますので、今後、どのようなキャリアを築くべきかの参考になる情報が多数掲載されています。

 

next.rikunabi.com

 

 

以上、出産後も女性が働き続けられ、目指すキャリアを築く方法を紹介してきました。
育児と仕事を両立できるよう、多くの企業が取り組んでいますが、まだまだ、実際には、現場で働きやすい環境が整っていない会社があるのが現状です。
特に、日本は女性の管理職比率の少なさが指摘されるなど、まだ、十分環境が整っていないと言えます。

でも、1度きりの自分の人生を満足して過ごすためにも、育児も仕事も両立できるよう、専門性を高め、真に働きやすい職場を見つけて頂きたいと思います。

ぜひ、この記事で紹介した内容を参考に、会社やキャリアを選択して下さい。

手に職をつけて会社に依存せずに働く方法

人生100年時代を迎えて、仕事人生が長くなる中、会社に依存せず、手に職をつけて自分の力で稼げるようになりたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
終身雇用が約束されていた時代とは異なり、「会社がいつまでもつか分からない」、「将来、いつリストラされるか分からない」という不安と常に向き合っているサラリーマンにとって、手に職をつけて、あなた自身の力で生きていくことが、ますます求められるようになってきています。

また、子育て中の人や家族の介護で一時的に仕事を離れざる負えない人も、手に職を持つことで、時間や場所に縛られずに、仕事を続けやすくなります。

ここでは、手に職をつけられる職種やノウハウについて具体的に解説していきます。

 

 

手に職をつけることのメリット

手に職をつけることで、どのようなメリットがあるのでしょうか?あなたのキャリアや働き方にどのようなメリットがあるのか?を説明していきたいと思います。


収入アップが見込める

手に職をもっているということは専門的なスキルがあるということであり、企業にとって有益な人材であると言えます。何も特にスキルを持っていない人材に比べて、市場での価値は高く、昇進できたり、転職の際に高い給与で採用される可能性が高まります。特に、ニーズが高く、希少性のあるスキルを持っているほど、市場価値は高く、収入アップを見込むことができます。

 

会社に依存せず、独立して働くことができる

手に職をもって、専門知識をもてば、会社に所属せずに独立することが可能です。フリーランスや起業して自分で会社を興して働くことが可能となります。
会社員だと、職場の人間関係や上司の顔色をうかがう必要があった訳ですが、独立すれば、そうしたしがらみから抜け出すことができます。

また、変化が激しい時代において、会社が倒産したり、リストラに合うことも珍しくありません。そうした時代に、手に職をもって会社に依存せずに生きることはとても重要です。

当然、上手くいくかどうかはあなたのスキルや人脈に依存することになりますが、仮に上手くいかなかったとしても、フリーランスや起業家として自分の力で生きようとしている人を優先して採用する企業も増えています。上手くいかなくてもやり直せるチャンスはありますので、恐れることなくチャンレジすることができる環境になってきています。

職場復帰して、仕事と育児を両立しやすい

子育て中や家族の介護などで一時的に職場を離れざるをえなかった人も、手に職を持っていれば職場復帰しやすいです。専門的なスキルがあることで、ブランクがあっても、ニーズがあるので、職場に戻ることが容易になります。また、産休明けに職場復帰した後も、子育てと仕事を両立するためには、場所や時間に縛られずに働けることが必要です。

その際に、特に専門スキルがないと、会社のコアタイムで働く必要がありますが、手に職があれば、自宅で作業できたり、子供が寝た後の夜に仕事ができたりと、両立しやすくなります。

 

お客様に貢献できているやりがいを持ちやすい

手に職をもっていると、自分の専門スキルが明確になるので、どの分野でお客様に貢献できているかが分かりやすく、やりがいを持ちやすいです。お客様からのポジティブな評価は自分の専門スキルを更に高めたいというモチベーションにも繋がり、更にスキルが高まっていくという好循環が生まれやすいです。

会社員で働いていると、直接、お客様と接することがなく、会社の方針や計画に従って、仕事をこなすことになりがちですが、自らオーナシップを持って、仕事をすることは、やりがいを持って働くことに繋がっていきます。

 

手に職をつけることは「資格を取得する」ということではない

手に職をつけるというと、「資格を取得する」ことだと思っている方もいますが、それは間違いです。
資格を取得しなくても、実務で専門的なスキルを身に着けることは可能です。逆に、資格を取得しても、実務経験がなく、ビジネスで生かした経験がないと、どれだけ知識があっても意味がありません。また、将来的に、会社に依存せず、独立して働く上でも、実務を通じて、あなたを指名してくれるお客様や支えてくれるビジネスパートナーとの人脈を築いておく必要があります。

そのために、まずは、あなたが専門性を身に着けたいと考えている職場で働くことを優先して下さい。もし、その職場で活躍するために資格が必要であれば、資格取得のために勉強して下さい。資格取得をしてから働くという考えでいると、その期間に実務経験がないことが職務経験上のロスになるということと、勉強のために費やした時間やお金を取り戻す必要があるという考えに取りつかれて、本当は必要ない資格取得にこだわってしまう恐れがあります。
ぜひ、アシスタント的な立場でもいいので、先に実務経験を積むことを優先して頂きたいと思います。

 

 

手に職をつけられる職種一覧

では、実際に、どういう仕事が手に職をつけることができ、稼ぐことができる仕事「10選」をご紹介します。

★5段階で年収、働きやすさ、なりやすさを表記しています。★が多いほど評価が高いです

 

1.プログラマー 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

プログラム言語(JAVAPHPC言語など)を用いて会計システム、物流システム、家電製品など様々なシステムやソフトウェアを作る仕事です。多くのケースでは、システムエンジニアが作成した仕様書に基づいて、プログラマーが実際にプログラミングしていくことになります。

システム開発会社、ウェブ制作会社、ゲーム会社などのIT系企業や、自動車・家電などのメーカーに勤務し、プログラマーとして活躍するケースが多いです。また、経験や実績を積めばフリーランスとして仕事を請けることも可能です。
プログラマーになるためには、スクールに通ってプログラミングを学ぶ、または独学で学んだのちに、就職するケースが多いです。
最近では、TECH CAMPなど、就職保証を約束してくれ、受講期間中は質問し放題のスクールもありますので、興味がある方はリンク先をご覧下さい。

tech-camp.in

 

閑散期はさほど忙しくないものの、開発のピーク時は深夜になることもあります。また、トラブルが発生すれば、当然、緊急対応も必要になる仕事です。
給与は所属している会社や役職によるので、一概には言えませんが、平均的な相場としては、400~500万円程度です。

 

2.システムエンジニア: 年収:★★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

システムエンジニアはクライアントからヒアリングしたシステム構想や業務要件を基に、システムの設計書を作成します。実際にプログラムを作成するのが、プログラマーだとすると、システムエンジニアは、プログラムの基となるシステム設計書を作成したり、開発プロジェクトやチームを管理する役割を担っています。

システム開発会社やソフトウェア開発会社に勤務することが多いですが、メーカーや金融機関などの情報管理部門やIT部門で働く人もいます。
システムエンジニアになるために、特に資格は必要ではなく、上記の企業に勤めて、知識や実務経験を積んでいくことになります。
プログラマー同様、普段は決して忙しい訳ではありませんが、開発のピーク時やトラブル対応時は繁忙となります。
給与は所属している会社や役職によりますが、プログラマーよりは高く、平均的に500~600万円程度です。

 

3.Webデザイナー: 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

企業や個人のウェブサイトをデザインする仕事です。サイトの目的やコンセプトにふさわしく、かつユーザーにとって使いやすいデザインを設計するため、サイトのレイアウトやカラーイメージ、コーディング、ロゴやバナーなどを作成します。
Web制作会社やIT系企業の制作部署で働く人が多いですが、実績を積めば、フリーランスで活躍することも可能です。

Webデザイナーになるために特別な資格などは不要で、スクールや専門学校、あるいは独学で学んで就職する人が多いです。
納期が決まっている仕事が多いので、案件の量や種類によっては忙しくなる時期もあります。
会社で勤めている場合、Webデザイナーの給与はそれほど高くはなく、平均300~400万円程度です。デザイナーを統括するディレクター、プロデューサーへとスキルアップすれば、給与も上がっていくケースが多いです。

4.CADオペレター: 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

CADというソフトウェアを使って、設計士やデザイナーが作成した設計図を図面をひいたり、3Dデータにする仕事です。設計する訳ではありませんが、設計者の意図を理解する知識や図面化する表現力が求められます。

建築業界、住宅・リフォーム業界、インテリア業界、自動車・航空業界、機械・電気業界、アパレル・ジュエリー業界など、設計図が必要となる業界で社員として働く人が多いです。

資格は特に必要なく、スクールや専門学校でCADを学ぶか、またはCADを扱う部署でアシスタントをしながら技術を学びます。設計やデザインなどの知識を学べば、オペレターから設計者やデザインナーへキャリアアップできる職場もあります。
給与は勤務する企業にもよりますが、平均的には300~400万円程度です。

 

5.社会保険労務士: 年収:★★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★

社会保険に関する書類の作成、申請、給付などの事務手続き、労務に関するコンサルティング、給与計算などを行う仕事です。
社会保険労務士事務所や企業の総務部、人事部に勤めるケースが多いです。企業に勤めた場合、この資格があることで、社会保険労務士事務所に委託するコストを削減できるため重宝されることになります。

企業内や社会保険労務士事務所で経験を積み、開業することも可能ですが、仕事を受注できるだけの信頼や実績、人脈がないと難しいです。
社会保険労務士になるには、資格を取得する必要があり、合格率は1割を切るので、やや難しいと言えます。試験合格後に2年の実務を経て講習を受講し、社会保険労務士として働くことができるようになります。
また、給与は勤務する会社や役職にもよりますが、450~800万円と割と高いと言えます。

 

6.司法書士/行政書士: 年収:★★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★

個人や企業の依頼により、法律に関する書類作成や法律上の手続きを代行する仕事です。司法書士の場合、主に「不動産登記」「商業登記」「裁判事務」などを行います。最近では、債務整理、借金の過払い金請求などの法律業務も手掛けられるようになったため、活躍の場は広がっています。

行政書士は、行政機関に提出する書類である「会社設立時の書類作成」、「契約書作成」、「飲食店営業許可」、「旅行業の登録」などを代行します。
多くは弁護士事務所や司法書士事務所に勤務しますが、実績や人脈があれば、独立して開業することも可能です。

独立することで高収入を得ることは可能ですが、1案件当たりの金額は決まっているので、案件数をこなす必要があり、ワークライフバランスをとるのが難しくなりがちです。また、司法書士行政書士ともに合格率は3%程度と低く、かなりの努力が必要になります。

 

7.中小企業診断士: 年収:★★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★

中小企業のクライアントに対し経営相談にのったり、課題解決のサポートを行う仕事です。企業に勤めて経営診断を行う人が7割、フリーランスとして企業とコンサルタント契約を結び、経営診断する人が3割程度です。信頼や人脈があれば、独立して働くことが可能な仕事と言えます。

企業経営に関わる仕事であるため、一般的に給与は高いケースが多いです。
ただし、中小企業診断士になるには、7科目あるマークシート形式の1次試験と筆記・口述形式の2次試験を突破する必要があります。2次試験までの合格率は4%程度ですので、地道に勉強する必要があります。

 

8.ファイナンシャルプランナー: 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★★

個人の収支や保有資産などから、資産運用やマイホーム購入、相続、保険加入などのアドバイスをする仕事です。ファイナンシャルプランナー事務所、銀行、信用金庫、証券会社、保険会社、投資顧問会社、不動産会社で営業や経理で働くことが多いです。

ファイナンシャルプランナーとして実務で生かすには、「FP技能士」の2級以上に合格することが求められます。2級は30~40%程度の合格率ですので、きちんと勉強すれば、合格することは可能といえます。
給与は勤務する企業によりますが、資格を取得すると手当として毎月の給与に1~2万円上乗せされる企業もあるようです。また、独立開業して、上手くいけば1000万円を稼ぐ人もいます。

 

9.貿易事務: 年収:★★★、働きやすさ:★★★★、なりやすさ:★★★★

メーカーや商社などに勤務し、海外から物品を輸入する、あるいは、日本から物品を輸出する際の事務手続きを行う仕事です。
輸入業務は輸入元から送られてきた請求書(インボイス)に基づき、通関手配、関税処理、納入商品の保管の手配をします。また、輸出業務は通関書類を作成して通関手配をしたり、インボイスを作成して送付するなどの業務を行います。通関書類や船積手配の書類などは通常の事務仕事とは異なり、専門知識や申請が煩雑だったりするため、専門スキルを身に着けられる事務職と言えます。
資格などは不要ですが、英語や中国語などの語学力が求められる仕事になります。

 

10.臨床心理士、カウンセラー: 年収:★★★、働きやすさ:★★★、なりやすさ:★★★

心の問題が抱えた人にカウンセリングを行う仕事です。病院や保健所、児童相談所、学校、家庭裁判所・少年院、一般企業で勤務します。
ただし、常勤(正社員)としての求人は少ないため、非常勤で職場を掛け持ちすることが多いです。

臨床心理士やカウンセラーになるためには、大学院を修了する、または臨床心理士試験、公認心理士、民間資格に合格して就職するなどの方法があります。
給与は勤務先によりますが、300~500万円程度が多いです。

 

最後に

以上、「手に職をつけられる仕事」を紹介してきました。
不安定な時代で、会社がいつまでもつか?やリストラがいつあるか?など誰にも読めない時代になりつつあります。

そうした時代において、頼れるのは自分が養ってきた経験やスキル、信頼関係であり、「手に職をつける」ことは、会社に依存せずとも、自ら生きる力を身に着ける上で、非常に 強力な手段となります。

具体的に、どのような企業で、どういった条件で求人が出ているのか?は転職サイトに登録して、職種などで案件を調べられますので、ぜひ、調べてみて下さい。
また、求人条件を登録しておけば、新規求人が公開された際に、メールでお知らせしてくれる機能もありますので、うっかり、好条件の案件を見過ごしてしまうことも防げます。

ぜひ、会社に依存せず、いつでもひとり立ちして生きていけるよう、最初の一歩を踏み出してみて下さい。

 

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